産婦人科に通いながら妊活を行っていても結果がでない。
そんな方は、不妊治療専門クリニック(病院)への転院をお考えではないでしょうか?
私達夫婦もその一人。
一般的な産婦人科から紹介状を受け取り不妊治療専門クリニックへ転院しました。
その際、初診の予約が取れたのは約1ヶ月先!!
それほどに、不妊治療を受ける人が多いとは知らず驚きました。
通い始めたのは私が34歳、主人が39歳の時・・・
「こんなに年をとっているのに、今から不妊治療を始めるなんて恥ずかしい。」
そう思っていましたが、不妊治療に通っている人は「子供を望んでいる人だけ」です。
皆が同じ思いで通っているんだぁなと思うと、心強くも感じました。
今回は、不妊治療専門のクリニック(病院)に転院し、夫婦で不妊の原因を精密検査して貰った時の体験談を掲載しています。
目次
不妊治療専門クリニック(病院)とは、どんなところ?
私達夫婦が通う事となった不妊治療専門クリニックの外観は、一見ホテルか高級マンションのようなデザイン。
「IVFクリニック」という文字はあるものの、「In Vitro Fertilization」の略で体外受精の事を指す「IVF」というワードを知らない人であれば不妊治療を行っているクリニック(病院)とは分かりません。
受付もホテルのフロントのような雰囲気、トイレも広く清潔感があり床は絨毯張りで足音が響きません。
待合室も柑橘系の良い香りがして、アンティーク調の椅子やソファーが並び、オルゴールのBGMが流れていました。
次に、一般的な産婦人科との違いを具体的にご紹介します。
不妊治療専門クリニック(病院)では、喫煙者は不妊治療を受けられない
まず初めに「現在喫煙をしている場合は不妊治療を受けられない」と説明を受け、基本的なところから正していくという姿勢に信頼できると感じました。
不妊治療専門クリニック(病院)内には、検査室のほかに採卵室、培養室といったART(アート)※に必要な設備があるということです。
また、院内には婦人科の他に、男性不妊外来もあります。
夫婦共に通える漢方外来、禁煙外来、メンタルヘルス外来などもあり、必要に応じて受診することができました。
男性不妊外来では泌尿器科の先生が診てくださいます。
近くの総合病院の泌尿器科と提携していて、無精子症など問題がある場合は手術を受けられるように準備されていました。
その他に鍼灸院が併設されていて、妊娠しやすい体づくりのサポートを行えました。
費用は1回4500円、女性だけが施術を受けることができました。
ただART(アート)※を行うだけではないというところに患者に寄り添っている印象を受け、「ここなら子供が授かりそうだな」と思いました。
(※ART:生殖補助医療の事。体外受精や胚移植など、配偶子(精子や卵子)・胚(受精卵)を体外で取り扱う治療の医療技術の総称。
不妊治療専門クリニックでの検査の種類
不妊治療では女性側に多くの身体的、精神的負担がかかりますが、検査の時からその差は歴然です。
男性は一度採精をするだけで
「精液の量」、「精子の数」、「運動量」に加え、「クルーガーテスト」といって正常な形や大きさの精子を調べることができます。
一方、女性は月経の周期に合わせて
「月経時のホルモン検査」に始まり、卵管が通っているかを調べる「卵管造影」を行い、排卵までの間にはエコーにて「卵胞の大きさ」を調べ、その間にも「卵を育てるホルモン」、「排卵に必要なホルモン」、排卵後には「高温期を持続させるのに必要なホルモン」が出ているか血液検査をします。
一周期の間に全ての検査ができるわけではないので、検査だけで何周期もかかります。
その他に、女性側はクラミジア検査1120円。
風疹、はしかの抗体を調べる採血は共に3240円支払いました。
風疹、はしかは妊娠初期にかかると胎児に影響を及ぼす可能性があるということで、夫婦共に抗体の有無を調べました。
卵管造影検査の方法
卵管造影とは、造影剤を卵管に注入してレントゲン撮影をするというもので、造影剤の写り方で卵管に詰まりがないかを判断する検査です。
内診台にて細い管を子宮へと入れます。
レントゲン室までは管を入れたまま歩いて移動して、撮影の準備ができたところで造影剤を注入し、レントゲン写真を撮ります。
卵管造影って痛いの?
痛みはありませんでしたが、私は細い管を入れた後ひどい吐き気がして、看護師に抱えられながらレントゲン室へと移動しました。
一枚撮影するだけなのですぐに終わり、結果もその場で分かります。
子宮の形と共に卵管がレントゲン写真に、2本写っていました。
検査が終わると、吐き気はすぐに治まりました。
卵管造影は検査前のエコー、検査後の抗生物質の飲み薬を含めて5290円支払いました。
精子検査のセカンドオピニオンを受けました
クリックの先生に産婦人科での結果を見せたところ、精子無力症の状態が深刻で、「子供が欲しいなら、顕微授精以外の方法はない」と言われました。
しかし男性の場合、精子はその都度作られるので、精液検査の成績もその都度変わります。
検査機関に出して検査をするのではなく病院内で行うため時間的なロスがなく、結果が違うかも知れないということで、もう一度精子検査をすることにしました。
主人のほうも汚名返上できるかもしれないと、今度は採精に協力的でした。
採精したカップをクリックへ持って行くまでの時間や、温度でも結果が変わると聞いていたので、出かける直前に採精をしてもらい、冷えないようにカップをタオルにくるんで持ち込みました。
精液検査の結果に変化が!
タバコもお酒もやらない主人はとくに摂生をすることもありませんでしたが、一桁だった精子運動率が30%になっていたのです。
同時にクルーガーテスト※も行いました。
精子とは健常な方でも80%以上が奇形だそうで、精子正常形態率が4%以上であれば良いとされています。主人は精子正常形態率6%ということでパスできました。
この成績であれば人工授精ができるということで、まずは人工授精から行うことにしました。
クルーガーテストは精子検査込みで7560円を支払いました。
※クルーガーテスト:精子の奇形率を調べる方法。
不妊検査はお金の他に、時間もかかる。
「ホルモンを調べるための採血、2020円」「卵胞の大きさを見るためのエコー検査1620円」「精液検査1160円」etc…
不妊治療の費用をリストアップすると切りがありません。
経済的な負担が大きい為、不妊治療をいつまで続けるかは夫婦で話し合うべきだと思います。
菅首相は「不妊治療の助成、大幅に増額」を厚生労働省に指示したと話題になっていますがお金だけの問題ではありませんでした。
不妊治療の待ち時間は、2時間はかかります。
診察の他に検査や看護師の説明などもあるのですが、とにかく待ち時間が長く、予約時間から病院を出るまで2時間はかかるのが当たり前。
院内には飲み物の自動販売機がありますが、水筒を持参している人も見かけました。
通う日数が増えてくれば、院内の雑誌類も読み尽くしてしまいます。
私は図書館で借りた小説を読んだり、携帯電話にイヤホンをつけ、院内のWi-Fiで映画を見たりして待ち時間を過ごしました。
不妊治療と仕事を両立するのはとても難しいのが現状です。
治療を優先し退職、転職を選択せざる負えないのも女性です。
待ち時間が少しでも短くなり、職場でも理解を得られる社会になればいいなぁと感じています。
次回から治療開始
一通り検査が終わり、不妊治療方針が決まりました。
私の方にはこれといって不妊に繋がるようなものは見つからず、やはり精子無力症による男性不妊が原因だろうということになりました。
「人工授精をすれば妊娠できるかも」
初診から3ヶ月が経って、やっと不妊治療がスタートしました。
時間は戻りません、将来赤ちゃんを望んでいるご夫婦はお互いのコンディションを知る為に検査を行う事をおすすめします。