高度不妊治療病院を転院し再検査を行いました。
繰り返す化学的流産の原因として疑っていた「不育症検査」も異常はありませんでした。
1回目は陰性、2回目の移植で妊娠しました。
今回は初めての体外受精を経験した私のお話です。
過去の記事と合わせて参考にしてみてください。
目次
排卵誘発薬で卵胞が多数、治療を体外受精のための採卵へ切り替える
不育症に関する再検査で異常はありませんでしたが、前医で指摘された甲状腺刺激ホルモン(TSH)値が高かったため、甲状腺などの内分泌専門の病院で精査し、チラージンの内服をしながら、タイミング療法で治療を再開しました。
その為、数種類の薬を試しながら使っていました。
転院後の治療3周期目で、「ゴナールF」という薬剤を使用した周期で左右の卵巣に2つずつ成長しそうな卵胞が見られました。
と医師から提案があり、その周期で体外受精のための採卵へステップアップする事となりました。
排卵誘発の方法はマイルド法を選択
採卵するための排卵誘発の方法はさまざまですが、自分の体に合った方法を選択します。
また、卵胞を多く育てたほうが、採卵し保存できる卵子の数は多くなります。
しかし、体質によっては卵巣過剰刺激による負担が大きくなったり、採卵する卵子の質に影響が出たりすることもあると説明を受けました。
私の場合は、そのまま注射を追加する形であえて少な目に卵胞を育てる「マイルド法」を選択しました。
初めての採卵について
私は次のような流れで体外受精を行いました。
- 卵胞成熟(注射薬で卵胞の成長・成熟を促す)
- 採卵
- 受精(顕微授精)→凍結胚保存(初期胚と胚盤胞)
- SEET法(凍結保存しておいた受精卵培養時の胚培養液を移植3日前に子宮内へ注入。
受精卵からの物質により着床しやすい環境を作るために行う) - 胚移植
- 黄体ホルモン補充
- 妊娠判定
採卵日は来院後、静脈麻酔使用で行いました。
採卵室の内診台で点滴を入れ、眠った状態になり、エコー等で観察しながら膣から卵巣を穿刺、卵子が採取されます。
採卵中は痛みを感じることはなく、麻酔から覚めた後、鈍痛がありましたが、処方された鎮痛薬で治まりました。
採卵後に体外受精が行われます。
私の通っていたクリニックでは、受精方法として下記の2つの方法に分けて行うスプリット法がありました。
- シャーレ内で受精させる体外受精
- 1つの精子を針で卵子に注入する顕微授精
私の場合は当日の精子所見が悪く、顕微授精に切り替える事となりました。
採卵や受精の結果は問題なし
私は7個の成熟卵子が採卵でき、そのうちの5つが受精、その後育ったのは4個。
受精卵が細胞分裂しながら成長し、3日目の初期胚1個と5日目の胚盤胞となった受精卵を3つ凍結することができました。
私の場合、年齢や採卵数の平均から見ても比較的数値は良く、化学流産が重なったことで心配していた受精障害やごく初期の受精卵の成長には特に異常が見られないことが分かりました。
受精卵の成長の結果は、専用の窓口の電話で問い合わせができるため来院の必要がありません。
また後日、顕微鏡で見た自分の初期胚・胚盤胞の写真を受け取る事ができます。
体外受精の採卵周期は、これまでより多くの排卵誘発薬を使用します。
卵巣過剰刺激症候群のリスクがあるため、腹囲・体重測定や1日の排尿回数を自分でチェックするよう指示がありました。
私は特に症状が出ず、無事に採卵の周期を終えることができました。
その為、別周期での「ホルモン補充融解胚移植」を行う事になりました。
体外受精の成功率はどのくらい?
体外受精の成功率は、年齢や受精卵のグレード等症例により変わります。
初回移植した胚盤胞は70~80%に近い妊娠率が期待できそうと説明があり、1回目の移植に期待が持てました。
その周期の排卵は抑えつつ、移植のための子宮内膜の準備を調整し、移植日は、移植時間に合わせて保存していた受精卵の融解が行われます。
移植室では内診台に上がると、移植直前の融解した受精卵の写真をみせて貰えました。
移植する胚盤胞から胚が脱出しやすくなるように、透明帯とよばれる外側の膜をレーザーでわずかに削る「アシストハッチング」といった施術も追加されました。
私は移植よりも、それに向けた薬の調整のほうが大変だと感じました。
当時、体外受精等に保険適応はなく、自費診療。使用する薬や採卵数、受精方法や凍結数などによって費用は変わります。
私はおおまかに採卵や受精その他で「約60万」移植で「15万円」ほど、かかりました。
体外受精1回目は陰性で諦めかける
移植後約2週間は黄体ホルモン補充薬を使用し、いつも通り過ごします。
妊娠判定日は採血でhcg値を測定となり、その間は、期待と緊張で目が回りそうでした。
タイミング治療より体外受精は成功率も高いはずと期待しただけにショックでした。
「はい、2回目に挑戦!」という気持ちになれず、これまでの不妊治療の疲れをどっと感じた瞬間でした。
次の周期で移植する気持ちにもなれず、タイミング治療を挟むことも可能でしたが・・・この時ばかりは何もできず。
先生も私の気持ちを理解して下さり、治療を含め妊活を約5ヶ月間お休みしました。
まだ、1回目の体外受精だと思う反面、予想以上に気力がなくなり「何回も続けるのかな?」と思うと体力的にも経済的にも継続は難しいかもしれないと感じていました。
あと1回だけ移植して不妊治療は終わりにしよう
「あと1回だけ移植してもう不妊治療はやめようか。」
「夫婦二人でも楽しくやっていければいいよね」
保存している凍結胚はあと3個ありますが・・・
「あと一回だけ」
そう決めて2回目の体外受精に挑みました。
2回目の体外受精で妊娠しました
2回目の移植日を迎え、融解後の胚盤胞の写真をみると、外側の膜を破って少し出てきているように見えました。
「今回は中身が出ている感じだけど・・・大丈夫?」
と印象に残りました。
後で調べると、問題はないとのことでした。
1回目移植後は、妊娠判定を病院で調べてもらいました。
2回目は、病院で陰性と分かったらショックを隠しきれないと思い、判定日前日に自宅で市販の妊娠検査薬を使用しました。
すると陽性が確認できました。
これまでの化学的流産の際も陽性は出ていましたが、陽性線はいつも少し薄めでした。
今回は、これまでに比べはっきりと表示が出ており、驚きました。
翌日、来院後の採血ではhcg値もしっかり上がっていてホっとしました。
保存胚は研究等に使用して頂きました
妊娠中に、凍結継続を決める時期があります。
再度、夫婦でしっかり話し合った結果、治療はしないと考え、保存胚は研究等に使って貰う事にしました。
同じ悩みをお持ちのご夫婦の為に、役に立てると信じて決断しました。
夫婦で不妊治療のゴールを決めた事
不妊治療を初めてから病院で妊娠反応が陽性になったのはこれで5回目です。
諦めたり、落ち込む事も多くあり、先が見えないのが不妊治療の辛い所・・・。
再挑戦できたのは、側で支え、気持ちに寄り添ってくれた夫の存在が大きかったと思います。
私達夫婦の場合は、2回目の体外受精を最後と決め、その後は自然に任せて授かる事が出来たらいいなぁくらいに気持ちが落ち着いていました。
それは5年間の不妊治療を二人三脚でやり切ったという経験からそう思えたのかもしれません。
妊娠が確定しても出産までは不安な事もありましたが、赤ちゃんに会う事が叶いました。
ここまでが、私の不妊治療体験談です。
最後までお読みいただきありがとうございました。