子乗せ自転車はとても便利ですが、どういったものを選べば良いのか迷う方も多いと思います。
特に電動アシスト付きのものになると高額な買い物になるため、慎重に選びたいところです。
私も引っ越しを機に購入を検討しましたが、どの自転車にするか大変迷いました。
今回は、大手3メーカーのフロントチャイルドシートタイプ子乗せ電動アシスト自転車を比較し、購入した体験談をご紹介します。
目次
子乗せ電動アシスト自転車を安全に利用するために
自転車は大変便利ですが、車と同じく当然危険もあります。
以下のルールを守り安全に利用しなければなりません。
- 原則、車道を左側走行
- 歩道では歩行者優先、車道側で徐行
- 並列しない
- 暗い時はライトをつける
- 飲酒運転は禁止
- 乗せられる子どもは1歳以上6歳未満
- 幼児2人同乗用自転車でない自転車に子どもを2人乗せてはいけない
- 子どもを2人乗せる場合は、体重の合計が30kgまで
- 子どもを抱っこして乗ってはいけない
- 子どもを2人乗せて、さらにおんぶしながら乗ってはいけない
- 子どもにヘルメットをかぶせる
*前乗せは1歳以上4歳未満(身長100cm・体重15kg以下)まで、後ろ乗せは1歳以上(ただし、2歳以上推奨)6歳未満(身長115cm以下・体重22kg以下)まで
*抱っこひもを使用しても抱っこは禁止(おんぶは可)
子乗せ自転車を運転する場合は、自転車のルールに加え、子乗せ自転車のルールも守るようにしましょう。
前乗せと後ろ乗せの違い
引用元:bikke Instagram
子乗せ自転車には、チャイルドシートが前に付いている前乗せタイプ、後ろに付いている後ろ乗せタイプがあります。
幼児2人同乗用自転車であれば、前後にチャイルドシートを付けて乗ることができます。
前乗せタイプ
チャイルドシートが備え付けのものと後付けするものとがあります。
どちらも走行中子どもに目が届くというメリットと、後ろ乗せタイプよりも乗せられる期間が短いというデメリットがあります。
備え付けタイプ
- 安定感がある。
- チャイルドシートが頑丈で、横転時にも怪我をしにくい。
- 前カゴが使えない。
- 後付けタイプより高額。
私は自転車に乗るのが数年ぶりで運転に自信がなかったため、子どもを乗せてもバランスがとりやすい備え付けの前乗せタイプを購入しました。
前カゴは使えませんが、後ろカゴに2段式のカバーを付けることでたくさん荷物が積めるので困ったことはありません。
後付けタイプ
- 前カゴが使用できる。
- 備え付けタイプより安価。
- 体格によっては視界が悪かったり、チャイルドシートに足がぶつかるなど運転時に支障がある。
- 備え付けタイプよりバランスを崩しやすい。
後付けの場合、手持ちの自転車がチャイルドシート装着に適合しているものであれば子乗せ自転車として使用できます。
後付けの前乗せチャイルドシートは前カゴとハンドルの間に装着するため、前カゴが使用できます。
子どもとの距離がより近くて良いなと思ったのですが、バランスを崩しやすい・視界が悪い等のデメリットがあるため、運転に不安があった私はこのタイプは避けました。
後ろ乗せタイプ
- 乗せられる期間が長い。
- 前からの駐輪が、前乗せタイプよりもラク。
- 走行中、子どもが見えない。
- 子どもが動くとバランスを崩しやすい。
フロントチャイルドシートは1歳以上から4歳未満まで乗せられることになっていますが、子どもの体格によっては早い段階で窮屈になる可能性があります。
後ろ乗せタイプであれば6歳未満まで乗せられます。
*前乗せタイプでも後ろ乗せタイプでも、チャイルドシートを後付けできるのはチャイルドシート装着に適合している自転車です。
適合していない自転車に装着した場合は安全性が保証されないことはもちろんのこと、メーカー保証も適用外になる場合があります。
装着しようとする自転車にチャイルドシート取り付け可能の記載があるか、また、積載量を必ず確認しましょう。
3人乗りする場合は幼児2人乗せ適合でないといけません。
幼児2人乗せ適合の自転車には社団法人自転車協会認証のBAAマークと幼児2人同乗基準適合車の認識マークがついています。
前乗せタイプのブリジストン・パナソニック・ヤマハの特徴を比較
私の希望条件は電動アシスト付き、安定感がある20インチの小さめタイヤ、備え付けの前乗せチャイルドシートの自転車でした。
条件に当てはまるブリジストン、パナソニック、ヤマハの大手3メーカーの自転車を実際に試乗してみた感想をふまえて、以下にそれぞれの特徴を紹介します。
ブリジストンの特徴(ビッケポーラーe)
引用元:bikke
3メーカーの中でブリジストンのみハンドルロックが手動でした。
誤操作を防ぐために操作を少し面倒にしていますが、すぐに慣れます。
ハンドルロックを忘れるのが心配な方は自動ロックがおすすめですが、自動ロックはスタンドと連動しているため、スタンドを立てないとロックされません。
手動であれば信号待ちのときなどに手元でロックできます。
《走り出しのアシスト:マイルド》
パナソニック、ヤマハと比べて、ブリジストンは走り出しのアシスト力がマイルド。
他2メーカーが前からグッと引っ張られるような感覚なのに対して、後ろからサポートされるような感覚です。
《チャイルドシート:足元のサイズ調節可》
ブリジストンはチャイルドシートの足元を少し伸ばすことが可能で、窮屈になってきたときに少し広くすることができます。
ベルトは手動で硬く、他メーカーに比べて調節が面倒です。
私が探したサイクリングショップ数店でブリジストンが欠品していましたが、特別人気があるというよりは流通量が他より少ないそうです。
タイヤ交換になった場合も、部品の入荷が遅い可能性があるそうです。
パナソニックの特徴(ギュットクルームDX)
引用元:Gyutto
スタンドを立てると自動でロックされるので、ロックのかけ忘れを防止できます。
ロックをしないで乗せおろしをするとぐらついて転倒の恐れもあるので、かけ忘れを防止できるのは安心です。
スタンドを立てない状態ではロックできないので、停車中ハンドルから両手を離すと不安定になります。
《走り出しのアシスト:パワフル》
勢いよく進むので運転に不安がある私は怖く感じましたが、このタイプの自転車を購入した友人はすぐに慣れると言っていました。
坂道の途中発進等は楽になります。
《チャイルドシート:コンビと共同開発、日除けが標準装備、乗せおろしが楽》
パナソニックで1番良いなと思ったのがチャイルドシートです。
卵が落ちても割れないという安心感あるシート、持ちやすい手すり、さすがコンビです。
夏場、リアチャイルドシートに乗っていると強烈な日差しを浴びるので日除けが標準装備なのもポイントです。
ベルトも自動巻き取り式で調節しやすく、大きく開いた形のチャイルドシートのため乗せおろしが他2メーカーと比べて断然楽です。
ただし、大きく開いているために風等をまともに受けるので、寒い日は防寒必須です。
ヤマハの特徴(パスキッスミニUNSP)
ハンドルロックは自動で、パナソニックと同じです。
《走り出しのアシスト:ブリジストンとパナソニックの中間くらい》
走り出しは、パナソニックほどではありませんがややパワフルです。
乗り慣れていない私でも、そこまで気にはならない程度でした。
《チャイルドシート:コクーンルーム》
ヤマハのチャイルドシートは、胸元あたりからすっぽり包み込むコクーンルームという特徴的な形をしています。
夏の紫外線、冬の寒さ、万が一ぶつかったときの衝撃から守ってくれる安心感ある形です。
ただし、カバーを開いてから乗せなければならないので、乗せおろしは面倒です。
カバーは片手で開閉でき、開けると大きく開いた状態になるので子どもを高く持ち上げなくても乗せられますが、片手で抱っこしながらの操作を想定するならばやはり少し手間に感じました。
もし大人しくそばで待っていてくれる子であれば抱っこしながら開け閉めしなくて良いので、しっかりと子どもを守ってくれるコクーンルームは良いなと思いました。
ベルトは巻き取り式ではありませんがブリジストンのように硬くはなく調節しやすいです。
バッテリー1回充電あたりの走行距離
3メーカーとも、アシストはエコ、標準、強の3段階から選ぶことができます。(モードの名称は各メーカーで違います。)
充電が満タンの状態での走行距離は、以下の通りです。
エコ:80km
標準:60km
強:50km
(ブリジストン)
エコ:78km
標準:63km
強:56km
(ヤマハ)
エコ:78km
標準:59km
強:53km
エコもしくは標準の利用で、長距離運転を想定していないのであればあまり気にならない程度の差です。
バッテリーが無くなった状態から満タンまでの充電時間は4〜5時間程度かかります。
最終的に選んだ子乗せ電動アシスト自転車はブリジストン
慎重に時間をかけて決めた自転車ですが、実際に乗り始めてから分かることがたくさんありました。
はじめは乗らなくて暴れた
これは試乗のときからだったので覚悟していましたが、慣れない自転車が怖かったのか乗せようとすると泣いて暴れて大変でした。
慣れるまではお菓子やおもちゃでごまかしながら乗せていましたが、2週間ほどで慣れ、今ではすんなりと乗ってくれます。
チャイルドシートの構造上、乗せおろしが面倒
乗せるときに少し高く抱き上げないといけない事、ベルトの調節が固くて面倒です。
すんなり乗ってくれるようになり、私が慣れたことであまり気にならなくなりましたが・・・。
機嫌が悪いときなど大人しくしていてくれないときは乗せおろしが大変です。
段差で転倒!
少し高い段差に乗り上げきれずに転倒しました。
幸い私も子どもも無傷でしたが、自転車が重いので少しよろけただけでも支えきれずに転倒しやすいです。
ただ、頑丈なチャイルドシートに守られているので横転では子どもは怪我しにくいと思います。
運動不足になり太った
アシスト自転車は、想像以上に楽です。
自転車を漕いであちこち移動しているので動いた気になりますが、あまり運動にはなっていないようです。
少しでも運動不足を解消するために、平坦な道や慣れた道ではアシスト無しで走行するようにしています。
駐輪場のレールに乗せるのが大変!
一般的な自転車よりもタイヤが太く車体が重いため、レール式では駐輪が大変です。
住んでいるマンションの駐輪場が2段式で私は下の段ですが、上の段のレールや隣の自転車のハンドルとチャイルドシートがぶつかってしまいます。
そのため、購入から2ヶ月経った頃にはレインカバーはボタンが1つ壊れ、上部は上の段のレールと擦れて傷だらけでした。
行動範囲が広がり、子どもと遊びに行ける場所が増えた
自転車を買ってからはちょっと遠くの公園や遊び場など、アチコチ出かけるようになりました。
子供が活発になった事と、コロナの影響で電車やバスを避け、移動手段はほぼ抱っこかベビーカーで徒歩だったので、行動範囲はグンと広がりました。
抱っこは重いしベビーカーも乗ってくれなくなってきていたので、ちょうど良いタイミングでした。
たくさん試乗して、自分好みの自転車を選びましょう
各メーカーで仕様に差はありますが、乗り心地や使い心地は好みが大きいです。
サイクルショップの店員さんも言っていましたが、子乗せにきちんと対応している自転車なら安全性には大差が無く、あとは自分の好みです。
どこにこだわるかは人それぞれなので、自分の好みに合いそうなものを店頭で納得いくまで試乗し、お気に入りの自転車を見つけてください。