『給食に牛乳が出るのは当たり前』と思っていませんか?
給食で出された牛乳を飲むか飲まないかは、お子さまにアレルギーがない限り基本提供されます。
ですが、『牛乳を飲みたがらない』『アレルギーはないが牛乳を飲むとお腹の調子が悪くなる』といったお子さまや、『牛乳を飲ませたくない』と思っている保護者の方もいらっしゃいます。
今回は、家族の健康を守っている、ママに知って欲しい『牛乳』に関する知識を、管理栄養士の経験を活かしご紹介しています。
学校給食に牛乳が提供される理由や、牛乳が体質的に合わないお子さんの症状や対処法など是非、参考にしてみてくださいね。
給食に必ず牛乳が出る理由
『ご飯を食べるときの飲み物がなぜお茶ではなく牛乳なのだろう?』
と不思議に思っている保護者の方もいらっしゃると思います。
献立と牛乳が合わない日はお茶をだす小学校も存在しますが、多くの小学校では毎日牛乳が提供されます。
文部科学省が設けている「学校給食法施行規則」では、カルシウムを1日当たり約50%以上摂取するように基準値として定めらています。
牛乳1本(200ml)には220mgのカルシウムが含まれています。
これと同量のカルシウムを他の食品から摂取するとなると、量も多くお金もかかります。
給食費をオーバーしないためにも、カルシウム量、金額などの要件を満たした牛乳が提供されているのです。
牛乳だけを飲んでいても骨は丈夫にならない
『牛乳を飲み続けると骨が脆くなる』と聞いたことはありませんか?
成長期のこどもたちは毎日給食で牛乳を飲んでいるのに発育は大丈夫なのかと不安になりますよね。
牛乳はカルシウムが豊富ですが、、カルシウムの吸収に必要なマグネシウムが少なく、カルシウムの吸収を邪魔するリンが多く含まれているからです。
カルシウムが体内で吸収されるにはマグネシウムが必要ですが、残念ながら牛乳にはほとんど含まれていません。
食事で海藻や大豆の食べる量が少ない人は、牛乳を飲めば飲むほどマグネシウム不足に陥り、カルシウムを吸収できないだけでなく、体調を崩す可能性もあります。
またリンはカルシウムとくっつきやすく「リン酸カルシウム」となり、吸収されずにそのまま体外へ排出されてしまいます。
骨を丈夫にしたい、身長を伸ばしたい、からと牛乳ばかり積極的に飲むのは最良とは言えません。
牛乳を飲むとお腹を下す、それ乳糖不耐症かも。
『牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする』
『お腹がパンパンに張っている気がする(腹部膨満感)』
『下痢気味になる』
牛乳を飲む事で上記のような症状が見られるお子さまもいらっしゃいます。
これは乳糖不耐症によって起こっている症状かもしれません。
乳糖不耐症とは牛乳に含まれる『乳糖』を分解する酵素が不足していることで起こります。
2歳ごろまでは乳糖を分解する酵素(ラクトース)は分泌されていますが、それ以降は減っていきます。
乳糖不耐症には生まれつきの「先天性」と腸がダメージを受けた後に発症する「二次性」があります。
日本人は乳製品をあまり摂取してこなかった為、3人に2人は乳糖不耐症と言われています。
最初に述べたような症状があるお子さまは、小児科などの専門医に牛乳の摂取について相談してみると良いかと思います。
給食の牛乳は無理をして飲まなくてよい
牛乳は健康のために飲むものではなく、一つの嗜好品として考えた方がベストです。
カルシウムは牛乳だけでなくブロッコリーや小松菜などの緑の濃い野菜、イワシや小魚などの魚にも含まれています。
これらをしっかり食べていればカルシウムの心配をする必要はありません。
牛乳もいくらカルシウムが豊富だからと言って、牛乳を飲んでお腹の調子が悪くなるお子さまは無理して飲む必要はありません。
アレルギーでなくても、体調によっては給食牛乳を飲まないよう対応する必要もあります。
小さなお子さまの場合は体調や便の調子をみて保護者の方が飲むか飲まないかを判断してあげましょう。
どんなに優れた食品でもお子さまの身体との相性を確かめながら選択できるといいですね。