胆汁うっ滞の疑いで産まれたばかりの赤ちゃんがNICU(新生児集中治療室)に1ヶ月入院しました。

NICU入院低体重赤ちゃん費用

小さく産まれたものの無事38週で出産「元気で産まれてきてくれて良かった」と思っていました。

ですが、妊娠から出産は奇跡の連続です。

日本で生まれた赤ちゃんのうち4%程度にNICUへの入院が必要になると言われています。

私の長男もその一人。

内臓の機能が未熟な状態で生まれ、NICUに約1ヶ月入院しました。

そこから、胆汁うっ滞と初めて耳にする病名を聞き、不安に。

今回は、我が子がNICUに入院した際の体験談を掲載しています。

入院中の授乳や気がかり、治療費やフォローアップ、その後の健康についてお話しています。

2歳差やんちゃ兄弟&母性溢れるオス猫とのどたばたライフを送る元公務員ママ。5年間の不妊治療を経て妊娠、第一子で切迫流産・早産、NICU入院を経験。第二子は初の緊急事態宣言下で出産。その後も更に色々経て、現在男の子2人と漫画のような日々を奮闘中。

「胆汁うっ滞の疑い」のためNICUに入院

「お子さんはNICUに運ばれました。」

「この後、医師より詳しい説明があります。」

時が止まった感覚があり、夫婦共に言葉を失いました。

新生児の場合は病名がすぐに診断されず、疑いありの時点で入院するケースがあり、我が子もそうでした。

  • 黄疸の兆候がある
  • 吐乳した原因を詳しく検査する必要がある
  • 週数にしては低体重で生まれ、まだ臓器の機能が完全ではない可能性
  • 胆汁うっ滞の可能性も否定できない

胆汁うっ滞とは、肝細胞内で生成された胆汁の分泌障害のことで、肝臓内に胆汁が停滞してしまい体内に蓄積される状態です。

低出生体重児(出生体重が2,500g未満の赤ちゃん)は、内臓の成長も不十分な場合があり胆汁うっ滞を起こしやすいと説明を受けました。

それが、疾患によるものなのか否かを見極める為に、NICUによる24時間体制での経過観察(哺乳具合や排便等の状況も含め)と検査を繰り返す必要がありました。

その後、血液検査をはじめ様々な検査をしたところ、ガンマGTPの数値が悪いということが判明、肝機能の未熟性、発育不全が原因ということも考えられるため数日後に再度検査を行いました。

胆汁うっ滞の疑いから、検査を繰り返し、ガンマGTPの数値が正常値になるまでNICUに1ヶ月入院となりました。

NICUに会いに行くと、小さい赤ちゃんの身体には、たくさんの管と機械が繋がり、周りには様々な医療機器の機械音が響いていました。

その瞬間「ごめんね。」と涙が止まりませんでした。

こうして、NICUにて赤ちゃんの治療がスタートしました。

NICU入院中の様子

面会時は、看護師に確認の上、ママもおむつ交換や授乳などのお世話をすることができます。

その日の赤ちゃんの状態に応じて行い、哺乳量などチェックが必要な項目は報告し共有していました。

  • おむつ交換
  • (排尿・排便の軽量、便の色チェックと報告)

  • 直接授乳やミルクでの授乳
  • (哺乳量のチェックと報告)

  • 睡眠時間
  • (お昼寝や仮眠の時間を報告)

  • 着替えや沐浴

実際に赤ちゃんに触れることで、経過を知ることができます。

また、退院後に必要な育児のスキルを親子で育める時間でもありました。

NICU入院直後から、心拍数や酸素飽和度、血圧などを常にモニタリングしています。

長男はその他に哺乳量も少なかったため点滴をしていましたが、その後10日程で点滴も外れ、沐浴が出来るようになりました。

そして最後の一週間はNICUで状態が安定した赤ちゃんが引き続き治療受けるGCU(回復治療室)へ移動しました。

GCU面会時でも、赤ちゃんに触れてお世話をすることができます。

NICUに通う母の日々

当たり前のように、親子での退院を思い描いていました。

そのため、NICUに通う日々の中で「母乳」に関する悩みや気がかりも増えました。

母乳の悩み

NICUに入院後、母としてやるべきこと「母乳を届ける」ことです。

片道1時間かけてNICUに通い、自宅で搾乳し冷凍した母乳を病院へ持参するため、搾乳機や母乳バック、保冷剤を購入しました。

病院到着後は、授乳室にある業務用の搾乳機を使用し看護師さんに渡すこともできました。

面会中に直接授乳できる体力が赤ちゃんにあれば良いのですが、入院中はなかなか難しい状況だったので出来ませんでした。

その為、母乳の量が少しずつ減り、出にくくなりストレスに感じることも。

「母乳を多く届けたい」という気持ちがあったのですが、医師と相談しミルクの量を増やし完母からは切り替えました。

心の悩み

NICU入院中は、たくさんの管に繋がっています。

「お母さん抱っこしても大丈夫ですよ。」

新生児を抱っこする事にまだ慣れていない上に、管が外れてしまったらという思いもあり、気付いたら面会中、我が子を見ているだけの状態に。

そうなってしまっている自分がものすごく嫌になり、ただただ嫌悪感だけが募っていきました。

医師からの説明は、どれだけメモしてもよく分からない単語ばかりで、聞くことだけで精一杯。帰ってきてから夜な夜なインターネットで調べてはただただ不安だけが残るような毎日でした。

「元気になるのかな?」

「いつこの子を連れて帰ることができるのかな?」

そんな日々のなか、NICUに入院している、我が子を見ると鼻からつながっている管を貼っている頬のテープがハートの形に!

「おしゃれしているのよ、可愛いでしょ。」

看護師さん達の、心遣いがNICUの部屋の随所にあふれていました。

NICUでは、全力で子どもと向き合い、サポートしてくれる人たちがいるのに、私は・・・。

「私が一番信じて向き合わないと!」

マイナス思考を吹っ切り、目の前のことへ集中しようと気持ちが切り替わった瞬間でした。

NICUの費用や退院後のフォローアップ

NICU入院低体重赤ちゃん費用
NICUの治療や入院費に関しては、「子どもの命に係わるときにお金の心配していられる余裕がなかった。」というのが私の正直なところです。

その為、正確な明細書の金額や自己負担額を覚えていません。

約1ヵ月の入院期間だったため、ある程度の請求額を覚悟していたのですが、思っていたよりも全然かからずに済んだといった印象でした。

ですが、赤ちゃんの入院費は、各自治体で医療費助成制度の対象となり自己負担額を減らせます。

出産直後に入院となり医療を受けた場合でも医療費は基本、かかりません。

その他の、オムツやミルク、リネン代などは自己負担となります。

現在、お子さまがNICUに入院中であればお住まいの自治体に確認しておくと良いかと思います。

フォローアップは半年間

NICUを退院後はフォローアップのため、大きな病院へ紹介状を書いてもらいました。

小さく生まれて身長の伸び率があまり良くなかったため、低身長とガンマGTPの数値の経過観察のため通院。

その後、しばらくは母子手帳の成長曲線の表とにらめっこする日は続きましたが、だんだんと身長の伸びも良くなり、ガンマGTPの数値も落ち着き、半年後にフォローアップも無事卒業することができました。

退院後は、いつでも相談できた医師や看護師さんとは離れてしまい不安もありますが、気がかりがあれば連絡が取れるようにしておくと安心です。

また、フォローアップ卒業後は、予防接種や定期健診など近所の小児科を利用する事となります。

通いやすい距離であれば、ささいな症状でも相談でき、すぐに受診できるので、心強いかと思います。

現在5歳、予後も健康で元気いっぱいに育っています。

「彼のペースできちんと成長しているね。」

最後の検診でお医者さんに言われた言葉です。

この言葉のおかげて、彼のペースで一歩一歩成長してくれてばいいんだと思えました。

「赤ちゃんの生命力はとても強いです。」

小さい身体で長期の治療と入院を乗り越えてくれました。

産後間もなく子どもが入院すると、自分自身の身体もまだ回復してないと思います。

それに加え心労も絶えませんよね。

元気になった赤ちゃんとの生活を健やかに過ごせるよう、休める時は安静にし産後の回復に努めてくださいね。

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2歳差やんちゃ兄弟&母性溢れるオス猫とのどたばたライフを送る元公務員ママ。5年間の不妊治療を経て妊娠、第一子で切迫流産・早産、NICU入院を経験。第二子は初の緊急事態宣言下で出産。その後も更に色々経て、現在男の子2人と漫画のような日々を奮闘中。