「そろそろ私たちも子供を作ろうかな?」
そう思い始めたのは、結婚から7年が経った33歳の時。
30歳を境に結婚をする友人が増え、子供の話を聞くようになったからです。
その頃の私は趣味のマラソンで成果をあげていたため、走るのが楽しくて月に一度のペースでマラソン大会に出場していた程。
「子供はできたらいい」けれど、
「どうしても今すぐ欲しい」というわけではありませんでした。
それでも基礎体温をつけてみたり、市販の排卵日検査薬にて排卵日を調べ、自己タイミングを計っていました。
そんな矢先、子宮頸がん検診にて子宮筋腫が見つかったため、妊活というよりも子宮筋腫の状態を診てもらうために産婦人科にかかる事となりました。
目次
これって…不妊症ってこと?
心配していた子宮筋腫は、子宮の外にコブができる漿膜下筋腫と診断を受けました。
妊娠には問題がなく、大きさも3cm程なので経過観察となりました。
産婦人科では、基礎体温表もみていただきました。
周期は26日~28日で安定していて二層性なので、しっかり排卵できているようでした。
血液検査では、妊娠に必要なホルモンが正常に分泌されているかを調べてもらいました。
結果は、双方異常はありませんでした。
産婦人科の先生が驚かれたのは、「結婚をしてから七年間、妊娠をしたことが一度もなかった」ということです。
「避妊をしていなければ、少なくとも二年以内に妊娠をしていてもおかしくない」という言葉を聞いた時、「作らなかった」のではなく、「できなかったのでは?」と、思い始めたのです。
まさかの男性不妊?精子無力症とは?
私の検査は一通り行い、不妊の原因に繋がるような異常はなく「男性側も調べてみませんか」という話が出ました。
しかし主人に話してみても「俺に問題はない」の一点張り・・・。
「検査をしてもらえばいいのに。」と、はやる気持ちもありました。
「自分の精液を採取し、検査するというのは戸惑いがあるのかもしれない」そう主人の言葉から感じました。
当時主人は38歳でしたが、男性の年齢など妊娠には関係ないと思っていたので特に焦る事もないのかなと感じました。どうしても精子検査が嫌なら無理に進める必要もないと思い、タイミング法にて妊活を進める事にしました。
精子検査を行わず、タイミング法にて妊活をスタート
タイミング法とはエコーやホルモン検査などで排卵日の予想を立て、その日に夫婦生活を持つという方法です。
特に問題のないカップルであれば、3周期程度で妊娠するそうですが、私は指示通りにタイミングをとっても妊娠することはありませんでした。
先生から「そろそろご主人を説得して精液を調べましょう」とお話があったので、主人のプライドを傷つけないように言葉を選びなんとか採精してもらい、精液検査を受けました。
精子検査の結果、精子の運動率が低かった
一週間後、検査の結果を聞きに行きました。
先生は「精液の量、精子の数・濃度は正常範囲内です」と言い、一度言葉を切りました。
そして少し間をおいて、言いにくそうに続けました。
「精子の運動率がかなり低く、この数値での自然妊娠は難しいです。精子無力症といって、男性不妊ということです。不妊治療を受けなければ、妊娠は難しいと思います」
精子は放出されると子宮から卵管へと入り、卵子と出会うことで受精します。ですから、動かなかったり、その場でくるくる回ってしまう精子では、自力で卵管まで到達することができません。
前進する精子を表すのが運動率で、その基準値は40%以上。
しかし主人の精子運動率は、わずか9%しかなかったのです。
不妊治療はじめます
不妊科にかかるにあたり、紹介状を書いていただきました。
お金をかけないと妊娠できないということよりも、自分の力では妊娠ができないという事実がとても重く、つらく感じました。
「もっと早くから子供について話し合っていれば」
「もっと早くから妊活を始めていれば」
何度も思いました。
でも時間は戻りません。
毎日、少しずつ、体は年をとっているのです。
妊活を始めるタイミングは結婚を決めたときだと思います
現在はブライダルチェックという方法もあり、結婚をする前に「妊娠や出産に影響を与える疾患の有無」を産婦人科などで調べてもらうことができます。
将来子供を欲しいと考えているのなら、自分とパートナーの体の状態を知っておくことが重要だと身をもって感じました。
不妊治療を行えば妊娠するとは限らない
私は「不妊治療を行えば、子供が授かる」と勘違いしていました。
体外受精や顕微授精といった生殖医療技術のことを「生殖補助医療」と言います。
妊娠できるようにお手伝いをしてもらうことが不妊治療であり、必ずしも妊娠できるわけではない。それに気づくのはまだまだ先のことでした・・・。