韓国在住のカウルママです。
今回は、あまり日本では聞かない「妊娠中の百日咳予防接種」についてお話したいと思います。
1.きっかけはプレママ教室
妊娠中とても暇だった私は、いろいろなプレママ教室に参加していました。
韓国では色々な会社がプレママ教室を開いており、お土産に育児グッズがもらえたりするのです。
とある育児に関する新聞を発行している会社のプレママ教室でお医者様の講演があり、その時のテーマが「妊娠中の百日咳予防接種」でした。
2.百日咳とは
百日咳とは、ひどい咳が3ヶ月ほど続く感染症です。
感染力が高く、家族に感染者がいる場合、同居している家族には移ってしまう確率が非常に高いです。
子供がかかると、呼吸困難となり、死に至ったり脳炎などを引き起こしたりします。
日本では年間1万人くらいの感染者が出ているそうです。
プレママ教室では、百日咳にかかった赤ちゃんの映像を見たのですが、咳が激しすぎてほとんど息が吸えておらず、本当にかわいそうでした。見ていて涙が出てきました。
「自分の子供がこうなってしまったら、どうしよう。」
と不安になったのを鮮明に覚えています。
3.日本での予防接種
日本では、生後3ヶ月から四種混合(ジフテリア(D)、百日咳(P)、破傷風(T)、ポリオ)の予防接種が始まります。DPTPもしくはDPT-IPVと表記します。
問題は、予防接種を受ける前である生後3ヶ月以内に百日咳に感染する危険性を除去しきれていないという点です。
特に生後3ヶ月以内に百日咳に感染した場合、重篤化することが多いので、この時期の感染予防はとても重要です。
4.生後3ヶ月以内のリスク排除方法
予防接種前の赤ちゃんが百日咳に感染しないようにするためには、2つの方法があります。
第一の方法は周りの大人が百日咳の菌を赤ちゃんに近づけなければ良いのです。
そのために必要なのが、予防接種です。
前述した四種混合(DPTP/DPT-IPV)は小児用です。大人用はT?dapという破傷風・ジフテリア・百日咳の三種混合ワクチンです。このワクチンは日本では製造されておらず、厚生労働省の承認もありません。が、欧米諸国で広く承認されていることから、日本国内でも輸入ワクチンを取り扱っている病院では接種できます。
第2の方法は、お腹の中の赤ちゃんにも予防接種の効果を届けることです。
このワクチンは、妊婦さんにも効果があります。が、妊婦本人のみならず、へその緒を通じてお腹の中の赤ちゃんにも効果が届きます。ですので、生後3ヶ月の四種混合接種前の感染を防ぐことができます。
欧米では、妊娠27週?36週の妊婦さんにこのワクチンを打つことが勧められているそうです。
プレママ教室では、赤ちゃんのお父さんお母さんはもちろん、頻繁に赤ちゃんと接するならおじいちゃん、おばあちゃんにも接種を勧めていました。
予防接種の効果は5年~10年なので「私は子供の頃に予防接種を受けたから。」と安心しないでください。過去の接種から5年~10年経っていたら、再度予防接種を受けないといけません。
5.私たちが出した結論
以上の話を聞いて、まず私はインターネットなどで調べてみました。
日本でも韓国でも、妊娠中に百日咳の予防接種を受けるという話は聞いたことがなかったからです。
調べてみると、確かに欧米では妊婦に接種が勧められていることがわかりました。
結婚で欧米で生活されている日本人妊婦さんのブログなどには、「T?dap接種を勧められた」という記事が多くありました。
日本で輸入ワクチンを取り扱っている病院のホームページなどにも、T?dapワクチンの説明がしっかりされていました。
しっかり納得した上で、私は妊娠7ヶ月(27週)の時に、夫と一緒にT−dapワクチンを受けました。
費用は韓国ウォンで50,000ウォン(日本円で約5,000円)でした。
日本では8,000円程度で接種できるようです。
接種は任意ですので、自分で調べたり、医師に確認するなどして、妊娠中のワクチン接種も選択肢に入れてみてください。