「尿管結石という病気をご存知でしょうか?」
通常は生活習慣の乱れから引き起こすと言われていますが、妊娠中をきっかけにこの尿管結石になりやすくなるとも言われています。
私が、妊娠中に尿管結石と診断されたのは妊娠後期の頃。
その時の、痛みや症状、治療から予防についての体験談を基にご紹介します。
目次
陣痛レベルで痛い!妊娠中の尿管結石
出産の痛みを例えると「腰をハンマーで砕かれるような痛み」「鼻からスイカを出す痛み」などと例えられています。
また、陣痛の痛みのレベルは最高とも言われていますが、それと同じくらい痛いと言われているのが尿管結石です。
私は妊娠36週(妊娠10カ月)の時に尿管結石を経験しました。
尿管結石の予兆は一カ月前からあった
尿管結石の予兆は、妊娠32週(妊娠9カ月)の頃からあり、キリキリと刺すような痛みを感じる事がありました。
健診の時に先生にも伝えましたが、妊娠経過は順調だったため特に他の検査は行わず。
それからもたまに痛みを感じるものの「しばらく休んでいれば落ち着くのでこれが前駆陣痛かな?」と思っていました。
尿管結石が原因で入院する際の前日も、日中から不定期に微弱な痛みを感じました。
出産予定日までは、まだまだ先なので陣痛ではないだろうと思っていたのですが、痛みがどんどん強くなり、22時過ぎでしたかかりつけの産婦人科病院へ向かうことに。
産婦人科へ向かう頃にはもう自力では歩けないほどの痛み・・・。
ですが、痛みは継続するわけではなく、引いたり痛くなったりを繰り返すのでまさかこれが陣痛なのかな?早く産まれてしまうのかな?と不安に思いました。
病院に到着して看護師さんに左の脇腹から腰のあたりに刺すような激痛があると、症状を伝えると「石じゃない?!」と言われ「え?」っと驚きました。
尿管結石での入院期間と退院の目安
23時頃にかかりつけの産婦人科に到着、結果として計4泊5日の入院しました。
妊娠中でなければ、尿管結石の場合は1~2泊程度の入院で退院できるそうです。
実際に私自身も、1日目の晩に入院して2日目には痛みはいくらか和らぎ、痛みは軽減されていました。
入院当日の夜はほとんど眠れませんでしたが、2日目の夜にはかなり体調は回復し、夜もいつも通り眠ることが出来ました。
そして、3日目には痛みはもうなく、退院できるような状態だったのですが先生が痛みは夜に出やすいこともあり、もう一晩様子を見て4日目に退院する予定となりました。
ですが、もうすっかり元気になっていたはずの3日目の午後に今度は突然右上腹部から背中が圧迫されるような痛みに襲われ息苦しくなり、呼吸をするのもやっとになり、体調が急変しました。
結局これについては尿管結石と直接の関係はなく、検査をして腎臓も肝臓も異常はなかったのではっきりとした原因は不明のまま。
尿管結石の痛みの反動の筋肉痛の可能性ではないかなぁという事でした。
この痛みも落ち着いてからようやく5日目の朝に退院となりました。
妊娠中の尿管結石の治療法
激痛を感じて病院に着いてからは、症状から恐らく尿管結石であろうと診断され、詳しい検査を行わず処置がされました。
その後は、赤ちゃんに異常がないかモニターを付けての検査は適宜行われました。
とにかく痛みが尋常ではないので妊娠中でも使用できる痛み止めを処方して頂きました。
しかし、一時的に痛みが和らぎますが、数時間するとまた痛くなり結局ほとんど眠ることが出来ません。
翌朝になってから点滴に筋肉を弛緩して利尿を促す薬を入れました。
その理由は、とにかく水分摂取をたくさん摂取し、尿と一緒に石が排出するのを促すため。
石が出るまでは痛みが継続しますが、出てしまうとすっかり良くなります。
目で石を確認できることもあるようですが、私の場合は小さかったのか目で確認することは出来ませんでした。
痛みの位置が少しずつ降りていき、快方に向かっているのを感じることが出来ました。
尿管結石の主な原因
尿管結石の原因となるものにはシュウ酸カルシウムや尿酸などがあります。
尿中のカルシウムやシュウ酸などが結晶化して尿管を通る時に激痛が発生します。
妊娠中は体の中で様々な変化が起こり、尿中のカルシウム濃度が上がるので結晶化しやすくなるとも言われているようです。
尿が酸性になることや脱水になることで結晶化しやすくなるので、水分補給が大切です。
尿管結石は生活習慣ととても関係があり、糖尿病や高血圧などの生活習慣病や肥満の人は尿管結石を発症しやすいと言われています。
偏った食生活や運動不足、飲酒などの生活の不摂生、肥満で発症のリスクが上がると医師から説明を受けました。
妊娠中に尿管結石が再発しないよう予防した事
適切な体重管理をする
生活習慣病は内臓脂肪がつくことで起こります。
また、食生活が肉中心の食生活になったことで尿管結石になる人が増えたと言われています。
日ごろからバランスの良い食生活や運動を心掛けることで尿管結石を予防することが出来ます。
太りすぎてしまうと妊娠中に起こる妊娠糖尿病や妊娠高血圧など他の合併症も起こりやすく、難産になりやすいので妊娠中の体重管理はとても重要です。
結石のもとになる食物を避ける
結石にはいくつか種類がありますが、シュウ酸が原因の一つとされています。
シュウ酸を多く含む食品はほうれん草、コーヒー、紅茶、などがあります。
これらの食品を避けることで結石の予防に繋がりますよ。
コーヒーや紅茶はカフェインレスのものでもシュウ酸は含んでいるので気を付けてください。
私も尿管結石になる前はカフェインレスのものを飲んでいましたが、尿管結石になってからは控えるようにしました。
ほうれん草はゆでた後に水につけてしっかりあく抜きすることでシュウ酸を減らすことが出来ます。
ほうれん草は鉄分も豊富で妊娠中は貧血にもなりやすく鉄分を摂ることが勧められるのでおすすめの食材の一つですがどんな食べ物でも食べすぎには注意が必要です。
鉄分は小松菜や水菜、アサリやシジミなどの貝類にも豊富なのでいろんな食材から摂ることがお勧めです。
また、痛風のもとである尿酸値が高い人も結石ができやすくなります。
女性は尿酸高くはなりにくいのですが、尿酸値にはプリン体を多く含む食品を避けることです。
プリン体は魚の干物や大正エビ、スルメイカに多く含まれるので気を付けましょう。
こまめに、水分摂取をする
尿管結石の治療でたくさん水分を摂って石を排泄しますが、水分摂取は予防にもなります。
のどの渇きを感じる前にこまめに水分を摂取する習慣をつけることで尿管結石の予防になります。
再発が多い尿管結石は早期発見が大切
尿管結石は体質的な要因もあり、一度なると再発しやすくなります。
私は管理栄養士の資格を持っていて、普段から野菜中心の食生活を心掛けていました。
しかも、妊娠中の体重は元の体重から+10㎏程度で太りすぎていたわけではなく、ウォーキングも取り入れていました。
これまで特に病気をしたこともなく健康優良者だと自負していたので、尿管結石と診断された時は「なぜ?私が?」と驚きました。
現在、産後3か月が経ちますが、再発や不調もなく過ごしています。
尿管結石は早期発見が大切です、妊娠中に少しでも違和感を感じたら自己判断せず主治医に相談しましょう。
尿管結石の痛みは出産を超える?
最後に、出産と尿管結石を経験したわたしが、どちらの痛みが辛かったか比較した結果をお話ししたいと思います。
悩ましいとろこですが・・・
「出産の方が陣痛の時間を含めて長期戦なので痛かった」
です。
やはり出産の痛みは最強です。
でも出産は赤ちゃんに会えて、その痛みを忘れるくらい楽しい日々が待ってます。
皆さんが無事元気に出産を迎えられることをお祈りしています。