お腹に居る赤ちゃんが障害を持って生まれてくるかどうか知りたい:新型出生前検査を改めて知る(その1)

お腹に居る赤ちゃんが障害を持って生まれてくるかどうか知りたい:新型出生前検査を改めて知る(その1)

妊娠を知った瞬間の感動や喜びを家族で共有する反面、その赤ちゃんが何の障害も無く産まれてくるかどうか気になる方は、少なくないでしょう。

特に、近年の晩婚化で母親の初産を迎える年齢が高齢化している事により、何らかの障害を持った子どもが産まれる確率は、昔に比べて上がっているのが現実です。

そして、お腹に居る赤ちゃんの障害の有無に関する不安を持つ方達にとっては、嬉しい情報とも言える検査が2014年の春に導入されました。

それが「新型出生前検査」通称ニプト(NIPT)です。

しかしこれには、宿った命は全て産まれてくる権利を持っているのにどうして知る必要があるのだなど批判の声も。しかし、実際に育てていく上では覚悟が必要と考える方も多く、そういったチョイスもあるのだという事で、この検査を歓迎する声も同時に多く発せられました。

そこで今回は、導入により大きな話題をさらったこのニプト(NIPT)に関するお話をしたいと思います。

実は、同年秋にも新たな出生前検査が導入されましたが、今回は初めに導入されたニプト(NIPT)にフォーカスを絞ります。

NIPTってどんな検査なの?何を知る事が出来るの?

その名前を見てわかる通りこれは新型の検査であり、従来から出生前検査は存在しています。方法は超音波検査、胎児心音の測定、トリプルマーカーテストという血液検査、そして羊水検査に絨毛検査といったものです。

超音波や心音、そしてマーカーテストは気軽に受ける事が出来る反面その精度は高くなく、しかし精度の高い羊水検査や絨毛検査は、腹部に針を刺して羊水や絨毛組織を採取するもので、流産の可能性が高いというデメリットを持ち合わせています。

それらに比べ、ニプト(NIPT)は血液検査をし、母体の血液に含まれる胎児のDNA断片をチェックし検査するという手法で、基本的には従来からあるマーカーテストよりも、精度は高めと言われています。

ニプト(NIPT)検査で解る事は、具体的に21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーと言われる三つの障害の有無。

トリソミーとは、通常は2つの染色体によって作り出されているDNAの一部が、3つの染色体で作り出されてしまっている染色体異常およびそれによる障害を示します。

21番目の染色体異常21トリソミーはいわゆるダウン症を示し、18番目の染色体異常18トリソミーと13番目の染色体異常13トリソミーは、口唇裂や口蓋裂、指が6本ある状態など、外見的な奇形等があり、脳奇形や心血管系奇形がある場合も尚、18トリソミーと13トリソミーは、自然と流産する場合が多く、特に男児の場合は女児に比べて流産の確立がとても高いと言われています。

NIPTのメリットとデメリットは?

<メリット>

先にもお話しした通り、従来からある羊水検査や絨毛検査と比べ、針を腹部に指す必要は無く血液検査だけで行うので、この検査による流産の危険性はほぼありません。

また、従来のマーカーテストは感度80%と言われる中、ニプト(NIPT)はなんと感度99%ととても精度が高く、赤ちゃんの染色体疾患をより正確に発見する事が可能になっています。(※40歳の妊婦さんの集団の場合)

その上、早くても妊娠11週以降でないと受ける事が不可だった従来のマーカー検査に対し、ニプト(NIPT)は妊娠10週以降から受けられる為、早く状態を知りたい妊婦さんにとって、これはとても嬉しい存在となったわけです。

<デメリット>

妊娠10週以降で、原則的に出産時に35歳以上である事が受診資格となります。つまり、それよりも年齢が低いお母さんは基本的には受けられない検査なのです。

それより年齢が低くても受診出来る場合がありますが、既に同染色体疾患を持った子どもを出産した経験がある、父親もしくは母親のどちらかが染色体異常を持っていると判断されている等の条件が必要となります。

ニプト(NIPT)は、誰でも簡単に受けられるものではないのです。

また、検査費用が15~20万円強と、決して安いものではありません。

更に、検査結果は陰性または陽性と判定されますが、中には判定保留というものも、これは、陰性とも陽性とも判断しがたい場合に出るもので、再検査をする事もあります。

そして再検査でもずっと判定保留が続く場合は、結果的に従来からある羊水検査や絨毛検査を受ける必要が出てきます。ここで、流産のリスクが出てくるのは言うまでもありません。

まとめ

今回は、2014年春に導入され大きな話題を呼んだニプト(NIPT)に関し、基本的な事をお話ししましたが、いかがでしたでしょうか。

出生前検査に関しては、従来から倫理的な観点から様々な声が上がっていますが、実際には多くの妊婦さんやその家族にとって、それぞれの決断を下す為の大きな判断材料となっている事も事実です。

次回は、出生前検査を受ける事で考えられる、精神的な変化に関してお話ししたいと思います。

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ABOUTこの記事をかいた人

ロサンゼルスで幼児教育を学び、帰国後は都内のインターナショナルプリスクールに勤務。現在はインターナショナルスクール生徒専門の家庭教師、大人向け英会話そして外国人向け料理教室を主宰。現代社会における働き方の変化、そしてコミュニケーションに関する情報を発信している。