前回は助産院での出産についてご紹介させて頂きました。
今回は、長女を出産する時に利用したオープンシステムについて掲載しています。
目次
オープンシステムとは?
通常の助産院で取り扱えるのは「正常な妊娠・出産・産褥」のみです。
合併症があったり、妊娠経過が良好でない場合には助産院では出産出来ない場合は、病院かオープンシステムを選択する事ができます。
私の場合は、妊娠中に貧血になり、出産時の出血量によっては輸血をする必要があり助産院では出産する事ができませんでした。
オープンシステムは、日本では少しずつ浸透しています。
ですが今回、初めて知ったという方も多いのではないでしょうか?
オープンシステムとは、病院の一室を借りて助産院スタイルで出産するというものです。
シンプルに言うと、医療行為のできる病院に、専属の助産師さんを同行しお産のサポートをして貰う事ができるシステムです。
オープンシステムでのメリット
オープンシステムは、助産院と同じ手厚いサポートを受ける事ができます。
続いては、オープンシステムでのお産でよかった事をまとめました。
出産中、何度も体勢を変えられるフリースタイル
分娩台は使わず、畳の上で何度も体勢を変えながら出産しました。
いきみ逃しもいきむのも自分が楽だと思う体勢ですることができ、とても自由度が高かったです。
お産の進みが悪くなってきたときには、赤ちゃんが出てきやすい体勢やいきみやすい体勢に助産師が誘導してくれました。
長女の頭が標準より大きかったためか、頭が見えてから中々出てこず、終盤では吸引分娩の準備をしていました。
しかし助産院の院長に立ち上がっていきむように言われ、体勢や呼吸やいきみを助産師たちの指導通りに行うことでなんとか自力で産むことができました。
会陰切開をしない
助産院での出産は医療行為をしないので、当然会陰切開もしません。
ただし、裂けることはあります。
初産から裂けずに産める方もいますが、私は5ミリほど裂けました。
出産中は陣痛の方が痛かったので、裂ける痛みはさほど気になりませんでした。
助産院では無理なくお産を進めていくため、裂けても軽度の場合が多いそうです。私もそうでしたが、裂けたところは特に縫ったりせずそのままでした。
もし大きく裂けた場合は医療用ホチキスでとめるようです。
産後は、陰部のむくみはありましたが特に痛まず、すぐに普通に座ることができたので円座クッションも必要ありませんでした。裂けた部分も退院する前にはくっついていました。
医療措置が必要なほど裂けてしまった場合は病院に搬送することになりますが、私が出産した助産院ではそういった例は無いと言っていました。
緊急時にはナースコールですぐに医療措置
分娩室にはナースコールがついていて、緊急時にはすぐに駆けつけてくれるようになっていました。
病院の中で出産しているので、もしものときにすぐ対応できるというのはとても心強かったです。
吸引分娩にするか迷ったときにも、助産師がナースコールをして病院の看護師たちに吸引分娩の準備をしてもらっていました。
助産院で出産する場合は、もし医療措置が必要な状況になったときには一旦病院に移動しなければならないため、すぐには措置を受けることができません。
すぐに措置を受けられるというのはオープンシステムの最大のメリットだと思います。
カンガルーケア
カンガルーケアとは、産まれたての赤ちゃんを胸の上に抱き、肌と肌を触れ合わせることです。
母子の絆を深める、心身ともに安定しやすくなるなどの効果があると言われています。
私はカンガルーケアの効果についてはあまり知らなかったのですが、産まれたての我が子をすぐに抱っこしたいと思っていたのでとても嬉しかったです。
カンガルーケアのときに助産師に勧められてそのまま乳首を咥えさせました。
産後すぐに体験した我が子の感触や授乳の感覚はとても鮮明に記憶に残っていて、あの感動はずっと忘れられません。
立ち会い出産も可能。記念撮影やへその緒を切ることもできる
立ち会い出産も可能で、旦那さんに体を支えてもらいながら出産する人もいるそうです。
私も主人に支えてもらいながら出産するスタイルを希望していましたが、いざ本番となると気が散ってしまい出産に集中できなかったため分娩室の外にいてもらいました。
そして産まれたらすぐに来てもらい、へその緒は主人が切りました。
出産後は、そのまま分娩室に娘も一緒に3時間ほど滞在しました。
オープンシステムで使用した分娩室は8畳ほどの和洋室でソファもあったため、私も主人ものんびり過ごせました。
駆けつけてくれた私の両親も入ることができたので、みんなでたくさん写真を撮ることができました。
両親も娘を抱っこすることができ「産まれたての孫を抱けるとは思わなかった」と大変喜んでいました。
オープンシステムでのデメリット
オープンシステムを選択する事で、助産院や自宅出産を選択するよりデメリットは少なくなります。
特に、生まれてくる胎児にもしもの事があった時など、早急に対応して貰えるので大きな不安は解消されると思います。
続いては、オープンシステムでのお産で良くなかった事をまとめました。
出張費用などがかかる
オープンシステムで出産する場合は病院に支払う分娩料のほかに、助産院に支払う出張料が必要になります。
出張料は1時間あたり6000円でした。
私は本陣痛から7時間程で出産しましたが、人によっては20時間以上かかる場合もあります。
そうなると出張料の負担はかなり大きくなります。
また、医療措置などを行った場合には、その料金を病院側に支払うことになります。
陣痛中に助産院から病院へ移動するのが辛い
オープンシステムの場合、陣痛中に病院で助産院の助産師たちと合流するケースと、まず助産院に行き、そこから助産院の助産師たちと病院に行く2つのケースがあるようです。
私は初産だからお産の進みはゆっくりだろうと予測して後者だったのですが、思いの外進みが早く、病院に移動するタクシーの中では陣痛が1分間隔になっていました。
陣痛中にタクシーの揺れがかなり辛く、さらに運転手が病院までの道に不慣れで少し時間がかかったので移動中は地獄でした。
経産婦の場合ははじめから病院で合流することが多いそうなので、あの辛さは前回きりだと思いたいです。
予定外のオープンシステムだったけれど、次回も利用したい
貧血で助産院での出産がかなわずに利用したオープンシステムですが、利用してみると良いところが多かったです。
私も主人もとても満足のいく出産をすることができました。
助産院での出産に興味はあるけど医療行為ができないことに不安がある方や、分娩台での出産に抵抗がある方にもとてもオススメです。
助産院の良さと病院の良さを合わせ持つオープンシステムを、ぜひまた利用したいと思っています。