排卵誘発剤を使用してのタイミング療法により、妊娠反応は出たものの、2度の化学的流産という結果に。
退職して不妊治療に専念、人工授精へとステップアップすることとなりました。
人工授精のスケジュールや費用を含めた体験談、さらに3度目の化学流産となり不育症検査を受けた話についてまとめました。
また、「多嚢胞性卵巣症候群」や「タイミング治療」に関する体験談も公開しています。
今回の記事と合わせてご覧ください。
目次
人工授精とは?ステップアップした理由
人工授精は、排卵に合わせて、洗浄濃縮の処理をした精子を細い管を使って子宮内に注入する方法のことです。注入された精子は子宮内から卵管へ移動し受精となるので、タイミング療法と大きな違いはありません。
私の場合、タイミング療法で2度は妊娠反応が出ており、夫の精子検査の所見も異常がなかったため、人工授精の適応があまりありませんでした。
しかし、2度目の化学流産後も続けていたタイミング療法で5周期ほど結果が出なかったこと、毎回ではないが、夫の精子検査の所見が悪い時があったことで人工授精を検討してみないかと医師から提案されました。
卵管の通水検査を受ける
通水検査は子宮入口から内側に向かって生理食塩水を注入し、子宮内膜の状態や卵管に詰まりや閉塞がないか通りを確認するものです。
通常の内診と同じように痛みもほとんどなく検査ができます。
私は通水検査で特に異常はなく、その後人工授精も実施することとなりました。
人工授精、私の場合の実際の費用やスケジュール、妊娠確率は上がった?
人工授精は、タイミング療法のように自然に近い治療法です。
日本産婦人科医会によれば1周期あたりの妊娠率は5~10%とされています。
治療スケジュールはタイミング療法と大きな違いはありませんでした。
私は多嚢胞性卵巣症候群で排卵しにくいため、これまでと同様に排卵誘発薬で卵胞を成長させ、HCG注射によって排卵を起こします。それに合わせて人工授精実施日が決まります。
子宮内のエコーは普段受けていることもあり、私の場合は、少しカテーテルの違和感を感じたのみで痛みはありませんでした。以前、卵管の通水検査を受けた際に気分不良があり心配だったのですが、人工授精後は特に症状もなく、歩いて帰宅できました。
新鮮な精子を持参して人工授精を行わなくてはならないので、当日は採精のために夫の予定調整も必要です。うちでは当日の朝に夫の出勤前に採精してもらっていました。私は退職後だったのですが、もし夫婦ともに仕事などの予定調整が必要だったら大変だろうなと感じました。
人工授精の費用は保険適用がなく自費で2~3万円程度
当時、人工授精の費用は保険適用がありませんでした。
令和4年4月より不妊治療が保険適用となり、一般不妊治療にあたる人工授精も対象となります。
現在、窓口での負担は3割で1回につき5,460円となっています。
(※産院によって人工授精の費用は異なります。)
人工授精で妊娠も3度目の化学流産に、なぜ続く?
人工授精を3回ほど実施し、妊娠反応が出ました。病院で妊娠反応が出たのはこれで3度目でしたが、またしても胎嚢確認はできません。
ただ、エコーではっきりと映らないものの、なんとなくこれかな?というものは分かり、その点はこれまでと少し違いました。しかしその後7週目に入る直前に出血し、流産となってしまいました。
エコーでは、子宮内膜の遺残はないものの卵管内へ血液が一部逆流しているようで長引き、出血量も多かったため軽度の貧血となりました。
胎嚢が確認前だったとはいえ、3回連続の化学流産、妊娠継続した日数も長かったため、医師の勧めもあり不育症検査を受けることとなりました。
不育症検査を受診、検査結果はグレーゾーン
不育症とは、2回以上の流産(妊娠22週未満)・死産(妊娠22週以降)する場合に診断され、特に2回以上の流産を反復流産、3回以上の流産を習慣流産といいます。
不育症の原因については、はっきりと分かっていない点も多いですが、日本生殖医学会によると4大原因として以下があげられています。
- 抗リン脂質抗体陽性
- 子宮奇形
- 夫婦の染色体異常
- 胎児染色体異常
他にも甲状腺機能異常や、黄体機能不全、血液凝固系異常など種々の原因があり、特定できない場合も多くあります。
私が血液検査で問題となったのはTSH(甲状腺刺激ホルモン)とプロテインC(血液凝固因子)です。
そのため、甲状腺ホルモンを上げ刺激ホルモンを下げるため、甲状腺ホルモン薬のチラージンを、妊娠初期に問題となる血栓形成を防ぐため、血液をサラサラにする作用のあるバイアスピリンの内服を始めました。
妊娠前から内服しておくことで次の妊娠に備えることになります。
不育症の一般的な検査は流産検体の染色体検査も含め保険適用
当時は、不育症の血液検査は保険適用がなく項目ごとに費用が加算され約3万円程度でした。
ですが、現在は不育症の一般的な検査は流産検体の染色体検査も含め保険適用となっています。
(※産院によって不育症検査の費用は異なります。)
不妊治療が進むにつれて今後の妊娠への不安も大きくなった
3回胎嚢確認前の流産、不育症検査を受けたことで、自分の妊娠について悩みも深くなりました。
私は検査をしても不育症かどうかはっきり診断はできない状態であったため、内服しても次の妊娠が大丈夫という安心感もありません。
色々な治療をして、せっかく新たな命が芽生えかけても私の体では育ててあげられないのかもと思うと、姿も見つけてあげられない存在に申し訳ない気持ちでいっぱいで、赤ちゃんが欲しい気持ちと、自分は望んではいけないのではないかという気持ちが常にあったように思います。
不妊治療の専門病院の転院を検討する
一般的な不妊治療までができる婦人科クリニックに通っていましたが、出来る限りの治療を行うのであれば、染色体検査や不育症治療、体外受精などができる不妊治療の専門病院に転院したほうがいいのかもしれないなと考えるようになりました。
不安をそのままにせず、担当医師や夫、家族と相談し、自分の意思や目標がどこに向いているのか、自分の気持ちを見失わないようにすることが大切です。
ここまでの不妊治療に費やした期間は、約3年弱。
この後、転院、体外受精して約2年間がプラスされます。
そんな私の不妊治療の体験談は今後も続きます。