片側卵管閉塞の手術後、4ヵ月後に2回目の人工授精で妊娠しました。

「右側の卵管がつまってるかもしれない」

妊活をはじめて1年半が経過した頃に医師から伝えられた言葉です。

当時30歳の私は不妊治療施設に転院して受けた卵管子宮卵管造影検査の結果、右側卵管閉塞の疑いの診断を受けました。

まさかの診断結果に驚きとショックを受けたことは勿論ですが・・・

「卵管がつまってるって何?」

「手術をすれば妊娠できるの?」

など、さまざまな疑問が出て卵管閉塞(らんかんへいそく)について調べる日々が続きました。

この記事は、右側卵管閉塞と診断された私が卵管形成術を受け、4ヵ月後の人工授精で妊娠に至った体験談です。

卵管形成術の当日の流れや痛み、費用についてもご紹介しています。

ご自身のコンディションを知りたい方の参考になれば幸いです。
是非、最期までお付き合いください。

(卵管子宮卵管造影検とは:子宮の形や卵管が詰まっていないかを調べる検査の事です。)

在宅ワークしながら3歳息子育児中の転勤族パート主婦。 今は第二子不妊治療中。流産、不妊治療の経験をし、似た悩みをもつ方の役に立ちたいと思い不妊カウンセラーを目指して勉強中です。 休日はドライブや旦那が釣ってきた魚を捌くなどして楽しんでます♪

卵管形成術当日の体験レポ


まず最初に、卵管形成術当日の流れ、痛みや費用についてご紹介します。

卵管形成術の当日は日帰り帰宅

手術後は麻酔によるふらつきがでる可能性があるため付き添いがいる方が安心とのことで、当日は夫に付き添ってもらいました。

着替えをし一通りの説明を受けた後、手術台へと寝ころび、麻酔が入った後はあっという間でした。

「〇〇さんー!聞こえてますかー?」と看護師さんの声を聞いて目を覚まし、1時間程ベットで休憩し、トータル4時間程で日帰りにて帰宅しました。

私の場合は、翌日から通常通り仕事だったのですが、後から思えば無理をせずお休みした方が体に負担なく過ごせたかなと思います。

卵管形成術の痛みが感じなかった

術中から術後にかけて痛みは特に感じませんでした。

ただ、麻酔が残っている感じがあり、気持ち悪さや歩きづらさが出たため付き添いがいてよかったと思いました。

帰宅後も気持ち悪さが続いたので、当日は安静に過ごしました。

卵管形成術の副作用は個人差もあるので、痛みや気持ち悪さが続いた際は我慢せず医師に相談する事をおすすめします。

卵管形成術の費用

卵管形成術は保険適応のある手術で、施術先にもよりますが片側で14万、両側で28万前後が相場のようです。

但し、一部を除き高額療養費制度が対象になるため、上限額(上限額は年齢や所得によって変わります)を超えた金額が還付されます。

実際に私がかかった金額は高額療養費制度の上限額の8万円強ほどでした。

また、加入していた民間の保険からも給付金がおりたため実質2万円程に負担額が減額になりました。

民間の保険に加入されている方は、給付金の対象になるか確認することをお勧めします。

卵管形成術の4ヵ月後、人工授精で妊娠

卵管形成術の結果は無事開通。

ただ、再閉塞の可能性もあるため積極的にタイミングをとるか、人工授精へステップアップした方が良いと提案されました。

そのため、手術を受けた次の周期から人工授精へステップアップすることにしました。
そして人工授精2回目、卵管形成術の4ヵ月後に妊娠することができました。

卵管閉塞でも自然妊娠できる?できない?

結論からお伝えすると、卵管閉塞でも自然妊娠できる可能性はあります。

卵管形成術(卵管鏡化卵管形成術:FT)を受けることで卵管が開通すれば自然妊娠が望めると医師から説明を受けました。
(FTとは、卵子や精子が卵管を通ることができないと診断された「卵管性不妊症」の患者を対象としたカテーテルを用いた内視鏡治療です。)

次に、卵管形成術のメリット、デメリットをご紹介します。

卵管形成術のメリットとデメリット

メリット

  • 体外受精を受けなくても自然妊娠の可能性がある
  • 日帰り手術可能(手術時間は30分程)で、身体への負担が少ない
  • 健康保険が適応される手術になる

デメリット

  • 術後、開通しても再閉塞のリスクがある
  • 術後、腹痛や出血、麻酔による副作用のリスクがある
  • 卵管が開通しない事もある
    (卵管の開通率は90%以上*で妊娠率は30~35%*といわれています)

  • 閉塞部位や事前検査の結果によっては卵管形成術の適応にならない場合もある

(出展:「わが国における生殖補助医療の実態とその在り方に関する研究(1999年)」「産科と婦人科vol.63 No.1(1996年)」

卵管形成術を受ける際は、メリットだけではなくデメリットも考慮し検討しました。

術後の不妊治療の進め方なども合わせて、医師と相談するのがおすすめです。

卵管形成術を受けない選択

卵管形成術は体外受精を行わなくても自然妊娠の可能性が高まる治療法の中の1つです。

治療法は卵管形成術、卵管癒着剥離術、体外受精などがあります。

実際に右側卵管閉塞の診断を受けた私が医師から提案された治療方針は下記の3つでした。

  1. 左側は通過していているから、妊娠の可能性は下がるがこのままタイミング療法か人工授精を行う
  2. 卵管形成術を受けて卵管を通過させる
  3. 体外受精にステップアップする

私は右側のみの閉塞が見つかったため、①の選択肢も提案されましたが妊娠の可能性が下がるため、医師からは②か③をすすめられました。

ただ、医師の説明では他の不妊原因や年齢・卵巣機能を考慮して、卵管機能の治療を行わず体外受精の治療を行うこともあるとの事でした。

当時30歳の私は周りに体外受精を受けている知人はおらず、また高額な治療費(平成28年当時)の事を考えると、タイミング療法から体外受精へのステップアップは抵抗がありました。

また、他の不妊原因は指摘されず医師と相談した結果、卵管形成術を受けました。

将来子供を授かりたい方は、子宮卵管造影検査を受けましょう

卵管因子は意外と多く、約2割というアンケート結果も報告されています。

卵管の異常が関わる不妊は意外と多くみられ、また治療方針も大きく変わる可能性があります。

私は他のホルモン検査などはしていましたが卵管検査は受けておらず、結果として妊活1年半後に卵管閉塞が発覚しました。

不妊治療でとてもポピュラーで不可欠な検査が卵管子宮卵管造影検査です。
 
子宮卵管造影検査を早めに受けることで、卵管の異常が関わる不妊を知る事ができます。

また、検査後6か月は妊娠しやすいゴールデンタイムと呼ばれ、卵管に異常がない場合でも子宮卵管造影検査後に通りが良くなり妊娠するケースもあると言われています。(個人差があります)

「自然妊娠でなかなか結果がでないな」と思っている方は、検査について病院で相談し検討してみてはいかがでしょうか?

引用元:2003年に日本受精着床学会が行なった不妊治療患者によるアンケート調査

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