自然妊娠をする上で精子と卵子が出会うため、卵管の通過性を調べる非常に重要な検査の事を「卵管造影検査」と言います。
自然妊娠でなかなか結果がでない、不妊治療を希望する方には自身のコンディションを知る上で重要な検査とされています。
この、卵管造影検査には2種類あるという事をご存知でしょうか?
意外と知られていないのですが、油性と水溶性の2種類があります。
今回は筆者の実体験を基に、油性と水溶性の卵管造影検査の違いについて掲載しています。
目次
不妊治療専門のクリニックで卵管造影検査を行いました。
卵管造影検査は、初めて通った不妊治療専門のクリニックにて初期の検査の一つとして受けました。
私は子宮内膜症があったため、卵管造影検査で卵管の詰まりを確認したい気持ちがありました。
結果は問題なく、卵管は通っていました。
「良かった」と安堵したものの、卵管造影検査では卵管の動き(卵巣から出る卵子をキャッチできるかどうか)は分かりません。
子宮内膜症の癒着の影響がないとは言いきれない結果となりました。
卵管造影検査は、造影剤がリアルタイムで子宮から卵管、そして腹腔内に流れていく様子を見ることができます。
自分の子宮や卵管の形を見られるので、とても不思議な感覚です。
実際は教科書で見るような形ではなく、驚いたのを覚えています。
当たり前ですが、人それぞれ、形は違うそうです。
卵管造影検査の痛みより座薬に戸惑う
私もいろんな記事やSNSで、卵管造影検査はとても痛いと聞いていました。検査を受けるまで、とてもドキドキしながらその日を待ちました。
当日は痛み止めの座薬を渡されて、トイレで初めて座薬を入れました。
座薬を入れた経験がなかったのでかなり戸惑いましたが、なんとかなりました。のちに経験した採卵のときにも役立ったので、座薬の入れ方を学べたのは良かったかもしれません。
さて、いざ卵管造影検査です。
痛みに対しての恐怖心から、看護師さんに「失神した人はいますか」と尋ねたところ・・・。
看護師さんから「失神した人は見たことがない」と聞いて、「なんだ、そんなものか」と思い勇気がわいてきました。
「失神しない=大丈夫」とはかなりタフな思考だったと思います。
実際の痛みですが、メキメキと細い卵管に造影剤を通されて広げられている感覚がありました。
終わったあとも、生理痛のような鈍い痛みが少し残りました。でも、座薬が効いていたので我慢できました。
転院先で知る卵管造影検査には油性と水溶性の2種類があった
体外受精にステップアップするタイミングでクリニックを変えました。
私の場合は紹介状を書いてもらうことなくひっそりと転院したので、前の病院で行った検査の結果を紙か口頭で伝えることになりました。
卵管造影検査についても医師から聞かれ、特に問題なかったと伝えたのですが・・・。
さらに「油性だった?水溶性だった?」と聞かれたのです。
私は、卵管造影検査に油性も水溶性もあることを知らなかったので、キョトンと呆気にとられてしまいました。
医師が簡単に説明してくれたのですが、水溶性は当日中に終わり、油性では造影剤を入れた翌日にレントゲン撮影するため2日かかるとのことです。私は1日で検査を終えたので、水溶性だったことを知りました。
そして、油性の方が観察しやすく、妊娠率も高いと説明されました。
かなり衝撃的でした。前の病院では何の説明も選択の余地もなく、水溶性の検査を行ったということです。
「どうせ痛みを味わうなら、油性で効果が高い方がよかったのに。」と思いました。
家に帰ってからネットで調べると、水溶性よりも油性の妊娠率が高かったという外国の論文※を発見し「やっぱり油性の方がいいんだ」と落ち込みました。
引用元:※NEJM掲載論文
ただ油性も水溶性もメリットとデメリットがあるようなので、一人ひとりにあった検査法が大切なのだと思います。
これから卵管造影検査を受ける人に伝えたいこと
まず、卵管造影検査に関して、油性と水溶性の二択で悩んだら専門医に相談してみましょう。
次に、時期ですが卵管造影後は妊娠率が上がると言われています。その期間を逃す事なく風疹など必要な抗体検査は済ませておきましょう。
卵管造影検査を受ける時期
卵管造影検査後は、子宮から卵管へレントゲンに写る造影剤を通します。その事によって卵管の通りが良くなり、検査後半年間は妊娠しやすいゴールデン期と言われています。
私は不妊治療を始めたときに風疹抗体が低く、風疹ワクチンを打ちました。風疹ワクチンは2カ月避妊が必要です。
そのため卵管造影検査後に妊娠しやすいとされるゴールデン期間の最初の1~2カ月を無駄にしてしまいました。
できることなら、風疹ワクチンは不妊治療を始める前に打っておくと良いと思います。
卵管造影検査が何性なのか知っておくこと
ご自身が受ける、卵管造影検査は油性?水溶性?なのか理解しておく事をおすすめします。
私は油性も水溶性も選べる環境ではありませんでしたが、クリニックによってはホームページでどちらを取り扱っているか、あるいはどちらも取り扱っていて選択できるのか明らかにしています。
納得のいく治療を受けるためにも、ご自身で情報を集め、クリニックに質問できる状態にしておくと良いと思いました。
卵管造影検査の翌日は身体を休める
卵管造影検査の痛みは個人差がありますが、念のため翌日はゆっくり過ごしましょう。
検査後お痛みなどがあれば、しばらく安静が必要な場合もあるからです。
無理のないスケジュールで検査日を押えるのをおすすめします。
卵管閉塞は不妊症の原因の一つ
卵管が詰まっていたり、狭くなっていたりする状態を卵管閉塞(らんかんへいそく)と言います。
卵管造影検査で不妊の原因がわかれば早期に治療を受ける事ができ、妊娠率もあがります。
卵管造影検査を検討中の方へ、筆者の体験談が参考になれば幸いです。