障害のある子どもを育ててはじめて知る「療育」という言葉。
この言葉に悩み、苦しむママも多いのではないでしょうか?
療育(発達支援)で目指す事
障害のあるお子さまやその可能性のあるお子さまに対し、個々の発達の状態や障害特性に応じて、今の困りごとの解決と、将来の自立と社会参加を目指し支援をすることです。※
引用元:※「LITALICOジュニア」
今回は、療育に関する手帳の取得方法から、療育費用に関する情報。
ダウン症を持つ息子の療育を通して経験し感じた事をご紹介しています。
早期療育とはいつから?
「療育」のワードでネット検索を行うと、就学前からの早期療育をすすめる記事が目に止まる方も多いかと思います。
分かります。
ですが、療育を始めるタイミングには個人差があります。
発達の特性や障害など、それぞれに合ったアプローチ方法を見つけ、たくさんの人との関わりの中で成長し、みんなで見守っていけることこそが本当の意味での療育だと経験から感じます。
障害自体がなくなったり軽くなったりもしません。
これは、早期療育も同じこと。
あくまで生活においての課題や困りごとを軽減し、子どもの持っている本来の力を引き出し、生き抜く力をつけていくためのサポートであることを理解しておきましょう。
過度な期待を持ちすぎない事で、落ち着いて親子で取り組む事ができると思います。
療育手帳と受給者証の取得
療育手帳と受給者証は、日本で障害者支援制度の一環として発行されていますがそれぞれ異なる目的があります。
- 療育手帳=児童・生徒が学校や療育機関で必要な支援を受けやすくするための制度
(※都道府県が交付しています) - 受給者証=障害者自身が日常生活を送る上で必要な経済的な支援を受けるための制度
(※市町村が交付しています)
療育手帳だけでは福祉や医療サービスを利用とすると全額自己負担になるため注意が必要です。
受給者証は療育手帳がなくても申請できますが、有効期限があり毎年更新となります。
その為、各申し込みの流れに関しては問い合わせを行い準備しておくと良いかと思います。
その為、療育センターは無料、療育園の利用は、約2,000円(月/食事代)の支出で通う事ができました。
また、現在行っている訪問リハビリも無料となり負担はありません。
ですが、放課後デイサービスは月に4日の利用で約4,000~5,000円(月/別途おやつ代)の支出があります。
各自治体や受給者証の内容によって異なりますが、利用者負担が何割程度なのかをしっかりと把握しておくと良いかと思います。
参考文献:厚生労働量「受給者証の交付」
参考文献:厚生労働量「障害者手帳」
療育費用は軽減できる
療育にはお金がかかるというイメージを持っている人は多いのではないでしょうか?
児童発達支援事業所として行政へ届け出を行っている事業所の利用については、所得状況により利用者負担の上限金額が5つの区分で定められています。
各申請を行い、該当すると給付を受けることができます。
その他にも、多子軽減措置といって児童通所事業利用児童の未就学の兄、姉が幼稚園等に通っている、もしくは児童通所支援を利用している場合に、保護者が支払う利用者負担額も軽減されます。
お子さまの障害やご家庭の状況などによっても異なり、医療費や食費などの負担もありますが、行政の制度やサービスを利用することで療育費用の負担は軽減できると思います。
全ての費用が自己負担となり、各利用料金もピンキリですので事前に確認しましょう。
療育費用に関しては、息子を出産した当時と現在を比べてみても、少しずつではありますが制度や各サービスが変わり前進していると感じます。
分からない事があれば、施設や行政へ、療育にかかる時間や内容、費用など詳しく問い合わせておくと安心です。
自分の住む街の制度やサービスを上手く利用し、親子で無理なく、楽しく療育をはじめられるとよいですね。
参考文献:厚生労働量「障害福祉サービス・障害児通所支援等の利用者負担認定の手引き」
参考文献:厚生労働量「就学前の障害児の発達支援の無償化について」
療育疲れに要注意
「送り迎えが大変」
「気持ちの整理が追い付かない」
「少しでも健常児に近づけたい」
など、初めての育児に加えて気がかりがあるとママも疲れてしまいます。
私の場合、療育だけではなく、通院やリハビリにも通っていたため、時間や労力にも負担を感じていました。
ママが不在でも、お子さんは先生方に見守られて愛情を受けて成長していきます。
肩の力を抜いて周囲に甘えてみるのも時には必要です。
また、お子さんも同時に「療育疲れ」を感じる事もあります。
療育やトレーニング、リハビリはとても大切ですが、疲れているなぁと感じた時はお休みするのもアリだと思います。
ダウン症児の療育
ダウン症児と発達障害児の療育は違います。
ダウン症の場合は出生後早い段階で診断がつきますが、発達障害の場合は成長の過程で分かることが多く、特性も違うため療育のタイミングや方法もさまざまです。
ダウン症児の中でさえも、合併症の有無や発達の経過によって療育の中身が違うため、それぞれに合った方法を専門家と一緒に見つけながら進めていきます。
- 寝返りやお座り、ハイハイなどを経て正しい姿勢で歩けるようになるためなどの理学療法(PT:Physical Therapy)
- 着替えや食事など日常生活の活動で体や手先をうまく使えるようにするためなどの作業療法(OT:Occupational Therapy)
- ご飯を安全に美味しく食べるための摂食訓練や、言葉やコミュニケーションの発達を促すための言語聴覚療法(ST:Speech Therapy)
など、認知機能の発達を促す心理療法などの療育があります。
息子の場合はPTからはじまり、歩けるようになることを目指しながら、その間に摂食訓練やOT、言葉が出はじめるとSTも取り入れたりとタイミングに合わせて行いました。
8歳になった現在もPT、OT、STを必要に応じて取り入れたり、専門家に相談したりしながら療育を続けています。
療育を掛け持ち?1つの場所に絞るべき?
「やれるだけ、やってあげたい」子供を思う親の気持ちは無限大です。
ですが・・
「療育をどのくらいやったから、子どもがどのくらい伸びた」という実感は正直ありません。
その都度、専門家と相談しお子さまに合う環境を整えてあげる事は大切だと感じます。
また、療育の方針は施設によって異なります。
子供も同様に、個人差があり、1箇所だけに絞るのが良いとされる場合もあれば、その逆もあり複数の療育施設に通うお子さんもおられます。
無理のないペースで継続的に通え、お子さまの視点にたち選択することが親の役目だと感じます。
結果を求めすぎず、無理なく療育ができると◎
ダウン症と合併症を持って生まれた息子を出産した時に抱いていた不安は、もうほとんどありません。
それは家族や友達といった周りの人以外にも、療育やさまざまなサポートを受ける中で、たくさんの人と出会い、関わり合いの中で信頼関係を築き、たくさんの優しさや愛情をもらって過ごしてこれたからだと思います。
「できる」を求めすぎず、お子さまが健やかに療育に通い取り組めるといいですね。
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