「急に子供が学校に行きたくないと言い出した」
「子供が近頃朝になると体調不良を訴える」
「子供が不登校になってしまい、いつ復学できるかわからず将来が不安・・」
あなたは今現在、お子さんのことでこのような悩みを抱えてはいませんか?
特に小学生のお子さんとなると、自分の気持ちや状態をうまく伝えることができず、親としてもどう対処していいのかとモヤモヤしてしまうかもしれません。
まだまだ子供と思っていても、その悩みは思った以上に複雑なもので対応に困ることもあるでしょう。
子供が暗い顔をしていたり、不安そうな様子を見るのはとても心苦しいですよね。
不登校児の数は年々増えていて、誰でもどんな子でも不登校になりうる可能性があり、他人事ではない問題となっています。
そこで今回は子供の不登校で悩んでいるあなた、そしてあなたのお子さんの笑顔を取り戻すために、できること・知っておきたいことについてお話をしたいと思います。
よりあなたのためになる情報をご紹介するために、プリママーズでは不登校の経験があるお子さんを持つママさん・パパさんにアンケートを実施し、118人の方から回答を頂きました。
※アンケートの結果はこちらにまとめています。
このアンケート結果を交えながら不登校に対してどう対応していけば良いのかを丁寧に紐解いていきます。
経験者ならではの不登校に対する”リアルな声“を最後にまとめて紹介もしているので、ぜひ最後までご覧ください。
不登校を解決するためのこちらの記事は、以下の4つのSTEPで進んでいきます。
STEP1. 不登校について知ろう
STEP2. 子供が学校を休みたいと言ってきたらどう対応する?
STEP3. 子供の笑顔と自信を取り戻すためにできること
STEP4. 子供が不登校になった親たちの声を聞いてみよう
まずはSTEP1、不登校についてよく知ることから始めてみましょう。
不登校の定義や現状の把握、そして不登校になりやすいと言われている気質や障害、どんなことがきっかけで不登校になってしまうのかをよく知ることで、お子さんについてより理解を深め、対応の視野を広めることにも繋がります。
次のSTEP2では、実際に子供に行き渋りが見られたり、学校を休みたいと言われたらどう対処すれば良いのかという疑問に答えていきたいと思います。
仕事はどうすれば良いのか、休んでいる間家で何をさせたらいいのか、学校との連携は?・・子供が不登校になるといろんな問題や疑問が次々と湧いてきます。
不登校では、初期対応が大事とされていますので、お子さんの心のケアを慎重に行っていくためにも焦らず一つ一つ問題や疑問を解決していきましょう。
そして最終的な不登校解決のゴールをどこに置くかですが、私は”学校に行けるようになること”が解決のゴールではないと考えています。
子供が自信を持てないまま、暗い顔で登校をし続けてもなんら子供のためにならないと思うからです。
なのでSTEP3では子供と親、双方ともに毎日笑顔で過ごせることを目標に不登校解決の糸口を探ります。
最後のSTEP4では、お子さんの不登校で悩むあなたの気持ちが、より明るく前向きになれるように、同じようにお子さんの不登校で悩みを抱えるママさん・パパさんの声をお届けします。
同じように悩んでいる仲間がたくさんいるんだ!と少しでもポジティブな気持ちになっていただければ幸いです。
少し長い内容になっていますが、必要と思える箇所だけでも読んでいただけたらと思います!
それではまず、STEP1の不登校について知ることから始めていきましょう。
目次
不登校について知ろう
不登校解決のためには不登校について知る必要があります。
まず始めに、不登校の定義や現状について知ることから進めていきましょう。
そして不登校になりやすい子どもの特徴や、実際にどのような理由で不登校になるのかを詳しく見ていきます。
不登校について知ることで、漠然と不安を抱えていた気持ちが落ち着いたり、子どもへの対応の幅が広がったりもしますし、何より子どもについて深く理解することにもつながります。
それでは一つずつゆっくり見ていきましょう。
30日以上連続で欠席しないと不登校として認定されない
不登校と聞くと、長い期間学校に行っていない児童を想像すると思いますが、実際にどの程度学校を休むと不登校児として扱われるかご存知ですか?
文部科学省による調査(※1)の定義によると
『年度間に連続又は断続して30日以上欠席した児童生徒のうち、何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況にある者 (ただし、病気や経済的理由によるものを除く)』
引用元:文部科学省「令和元年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」
を不登校児としてカウントしているとのことです。
つまり、30日以内の不登校やたまに休むくらいの児童は不登校児童数には含まれないと言うことです。
令和元年度の小学生の不登校数は53,350人なのですが、短期の不登校や行き渋りなど、登校に関して不安を抱えている児童はこの数よりもっと多いと言えるでしょう。
年々不登校児の数は増えている
文部科学省が毎年行っている調査(※1)によると、小学生の不登校児の数は年々増加傾向にあるようです。
少子化により年々児童の数が減っているのに対し、不登校児の数が増えていると言うことは、全児童に対しての不登校児の割合が増えてきていると言うことです。
また、学年別に不登校児の数を見ると学年が上がるにつれて不登校児の数も増えていることがわかり、中学生以降に一気に増える結果となっています。
これらの数値だけ見ると、単純に現代の子どもが不登校になりやすい子が増えてきていると考えることができますが、実際にはそうとは限りません。
なぜなら最近は不登校への理解が進み、何かあったときに学校を休むと言う選択をしやすくなってきているからです。
国の教育方針も不登校児に対して登校を強く促すような対応はしないように方向転換しているので、そういったことも不登校児の増加を後押ししていると言えるでしょう。
不登校児の数が増えていると言うことは、世の中の不登校への理解が広まってきていると考えることもできるのです。
新型コロナによる不安やストレスで不登校になる子供も
2020年に急速に広まった新型コロナウィルスにより緊急事態宣言が出され、学校が休校になったり短縮授業や分散登校になったりと、子供たちの生活にもかなりの影響が出ました。
教室でのマスクの着用や、一人一人席を離しての給食など、学校生活も様変わりしたことで不安感やストレスを抱く子供も少なからずいるようです。
日本教職員組合が全国の小中高校や特別支援学校に対して行った調査(※2)によると、およそ2割の学校で「不登校・保健室登校などの子供が増えた」と回答しています。
また、不登校まではいかなくても、遅刻や体調不良を訴える子供が増えたとの報告もされています。
ウィルスに感染しないための対策も必要ですが、子供の心のケアも同時に行っていく必要があるのです。
どんな子供でも心にモヤモヤや不安を抱えているものですが、ちょっとしたきっかけでそれが表面化し不登校に繋がっていったりもします。
それはどの子供にも不登校になる可能性があると言うことです。
常日頃から子供たちの様子に気を配り、学校での生活について耳を傾け、子供たちの不安を取り除いてあげるような声かけをしていくことが不登校の予防にも繋がります。
※1 文部科学省「令和元年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」
※2 日本教職員組合「新型コロナウィルス感染症に関する学校の対応について」
不登校になりやすい子供の3つの特徴
先ほども述べたようにどんな子供にも不登校になりうる可能性はあるものですが、不登校になりやすい特性と言うものも存在します。
子供の性格や苦手なものを把握しておくことは、不登校の解決や予防にも繋がりますので一つずつ見ていきましょう。
【発達障害がある子ども】
発達障害がある子供は、集団行動が苦手であったり勉強にストレスを感じやすかったりするので、学校生活にうまく馴染めず不登校に繋がりやすいと言われています。
発達障害と言っても様々で、分かりやすく行動に表れる障害もあれば、一見すると問題がなさそうに見える場合もあり、不登校を機に子供の発達障害に気づくケースもあるそうです。
発達障害とは主に以下の障害のことをさします。
- 精神遅滞
- 注意欠陥/多動性障害(ADHD)
- 広汎性発達障害(自閉症・アスペルガー症候群)
- 学習障害(LD)
特に就学後に判明するタイプは注意欠陥/多動性障害(ADHD)や学習障害(LD)が多いようです。
発達障害のある子どもは忘れ物が多かったり、宿題をやってこなかったりします。
そういった障害のためにできなかったことにより頻繁に怒られたり誤解されたりすることが増え、そうした経験から子供は自信を失ってしまうのです。
発達障害のある子供は、定型発達の子に比べて情報処理能力に違いがありますが、適切な指導や支援をすることによって定型発達の子供たちと同じように学校に通って生活することが可能です。
しかし現場の人手不足や認知不足で十分な支援を受けられず結果的に他の子達に遅れを取ってしまうことも少なくありません。
発達障害の子供が学校に対してマイナスな気持ちを抱かないようにするためにも、子供の特性をよく理解し適切な対応を取ることが必要不可欠です。
発達障害のある子どもに対して「できないこと」に目がいってしまいがちですが、まずは「できること」から褒め、そこから少しずつ丁寧に教えるスモールステップで「できること」は確実に増やすことができます。
大事なことは子どもの自信を失わせないことです。
参考資料:
不登校児童生徒に見られる情緒および行動の障害
石川道子 著 そうだったのか!発達障害の世界
【HSCやHSSの気質がある子ども】
あなたはHSCと言う言葉をしっていますか?
Highly Sensitive Child(ハイリー・センシティブ・チャイルド)の略で、「非常に敏感な人」または「非常に繊細な人」と言う意味があり、発達障害と間違われて診断されることもありますが、こちらは病気や障害ではなく、生まれもった特性と捉えられています。(ちなみに大人の場合はHSPと言います。PはPerson。)
「ひといちばい敏感な子」の著者であるエレイン・N・アーロン博士により提唱されている特性で、子供の5人に1人はHSCであると考えられています。
不登校の子供を持つ親向けのアンケートにおいて、HSCの認知度はそこまで高くはありませんでしたが、実際に「お子さんはHSCだと思いますか?」と言う質問には23.7%の人が「はい」と回答されていて、5人に1人の水準に近い数値が出ました。
では、実際にHSCはどういった特性を持った子供に当てはまるのでしょうか?
アーロン博士のHPに、子供がHSCかどうかを判断するチェックリストがあります。あなたのお子さんがHSCかどうか気になる方はぜひ一度チェックしてみてください。
Is Your Child Highly Sensitive?(別サイトが開きます)
診断してみた方はどのような結果になったでしょうか?
HSCの診断項目を見てみると、HSCの特性を持つ子供がどのような特徴を持っているのかが見えてくると思います。
HSCの子供は刺激を受けやすいため疲れやすく、環境の変化にも敏感です。
また他者への共感力が強いため優しい部分がある反面、学校などいろんな子供たちが集まる場所では気疲れしてしまうこともあるようです。
そのため学校=疲れる場所となり、学校にいくことがなんとなくストレスになってしまうのです。
HSCは病気や障害ではないので診断はつかないのですが、もしかしたらHSCかもしれないと知っておくことは、子供をあらかじめ苦手な場所から遠ざけたり、刺激となるものを避けたりすることができるようになるので、子供を不安にさせるものから守ることが可能となります。
そうした日常での心がけで子供のストレスはだいぶ軽減されることでしょう。
またHSCとよく似たHSSと言う特性もあります。
これはHigh Sensation Seeking(ハイ・センセーション・シーキング)の略で、HSPの特性を持ちつつも、HSPとは逆の活動的で刺激を追い求める気質の2つの気質を持ち合わせるHSPのことを言います。
すごくアクティブな反面、すごい臆病(慎重)だったりする傾向があり、常にアクセルとブレーキを踏んでいるような感覚で、疲れやすさを感じる人が多いそうです。
HSCもHSSもその特性から、本人の知らないうちに疲れてしまっていると言う特徴があります。
特に子どものうちは自分がどんな環境が苦手でどんなことに神経を使っているかと言うことを理解していない場合が多く、うまくコントロールすることもできません。
ですから、親が子どもの特性を理解し、いろんなケースについて子どもと話し合う必要があるのです。
【日本の子供は自己肯定感が低い?】
内閣府が行った調査によると、日本の子供は諸外国の子供に比べて「自己肯定感」が低いとの結果が出たそうです。
我が国と諸外国の若者の意識に関する調査 (平成30年度)(※3)の中で、「自分自身に満足しているか」「自分には長所があると感じているか」と言う質問があるのですが、「そう思う」と回答した割合が諸外国に比べて圧倒的に低かったのです。
「自分自身に満足しているか」との質問において、諸外国の子供が8割近く「満足」と答えているのに対し、日本の子供が「満足」と答えた割合は5割にも届いていません。
日本人特有の謙遜ともとれますが、子供たちの自己肯定感がここまで低いことを知ってしまうと少し心配になってしまいますよね。
また、「学校生活に満足しているか」と言う質問もあり、その結果と照らし合わせると、自分自身に満足・長所があると答えた子供は学校生活に満足していると回答した割合が高く、逆に自分自身に自信がない・長所がないと答えた子供は学校生活に満足していないと答えた割合が高くなりました。
自己肯定感の低さが学校生活にも影響を与えていると言えるでしょう。
親が自分の子供を周りの子と比較して心配になってしまうことがあるように、子供自身も自分を周りと比較してしまい、知らず知らずのうちに自信を失ってしまっているのかもしれません。
普段から自信がない素ぶりや言動がある場合には注意が必要です。
学年が上がるにつれて、他者との比較は顕著になっていきますので劣等感も抱きやすくなります。
大事なことは、他者や周りと比較することではなく”過去の自分と比べてどうか”と言う視点です。
子供の自己肯定感を高めるためにも、以前と比べてできるようになったことなどを褒め「こんな事、あんな事ができるようになったね。頑張ったね。」と言った声かけをしてサポートしてあげましょう。
※3 内閣府調査:我が国と諸外国の若者の意識に関する調査 (平成30年度)
不登校のきっかけとなる主な原因
これまで不登校になりやすい子どもの性格や特徴についてお話してきましたが、実際に不登校の原因となることはどのようなことなのでしょう。
なぜ子どもが学校に行きたがらなくなってしまったのか、あなたとしては一番気になるところなのではないでしょうか?
子どもの話を聞いてすんなり納得できれば良いですが、「本当にそんな理由で?」と不安に思うこともあるかもしれません。
その不安を解消するために、この章では不登校の原因について深く考えていきたいと思います。
まず始めに、不登校の原因にはどんなことが起こりうるのか想像し、実際に報告されている不登校原因と比較していきます。
次に成長の著しい小学生ならではの学年別の不登校理由について言及し、最後に不登校の原因について知っておきたいこと・注意したいことについてお話していきます。
それでは不登校の原因について一緒に考えていきましょう。
【親が考える不登校要因と実際の不登校原因との比較】
あなたは不登校の原因と聞くと、どのような原因を思い浮かべるでしょうか?
いじめやSNSなどのトラブルをめぐる人間関係や、勉強についていけないと言った悩み、それとも家庭環境の影響を想像するでしょうか?
おそらく想像できる原因は一つ二つではないはずです。
それだけ不登校の原因となる事由はたくさんあると言うことです。
様々考えられる不登校の原因ですが、大きく分けて以下の3つに分けることができます。
- 学校に係る問題
- 家庭に係る問題
- 本人に係る問題
学校に係る問題とは、学校生活における友人や先生との人間関係や、学業不振、転校や進級による不適応などが含まれます。
家庭に係る問題とは、離婚や転勤などによる家庭環境の急激な変化、家庭の不和などです。
最後の本人に係る問題とは、生活リズムの乱れ・非行や、無気力・不安と言った本人の性格や生活が原因とされることをさします。
学校に行けなくなる原因としては、学校生活でのトラブルが一番多そうな気がしますが実際にはどうなのでしょうか?
他の親御さんたちがどう考えているのかも気になるところなので、アンケート結果を交えながら考えてみましょう。
不登校の子どもを持つ親御さんにアンケートで聞いた、「不登校の原因に至る理由」についての結果は以下の通りです。
1位から順に「子ども同士のトラブル・いじめ」「集団生活が苦手」「先生と生徒の関係性・相性」「ストレス・精神疾患」と言う結果になりました。
やはり学校生活における何かしらのトラブルや悩みが原因と考える方が多いようですね。
学校での生活には親の目が届かないので、知らないところで不登校の原因ができていたと考えることは自然なことだと思います。
では次に国が行った不登校についての調査結果(※4)を見てみましょう。
国が行った調査によると、小学生の不登校の要因で一番多かったのは「無気力・不安」で、次いで多かったのが「親子の関わり方」「生活リズムの乱れ・あそび・非行」「いじめを除く友人関係をめぐる問題」と言う結果となりました。
グラフを見ても「無気力・不安」がダントツで多いことが一目で分かります。
この結果を見て、あなたはどう感じましたか?
1位が「無気力・不安」、2位が「親子の関わり方」なんて意外な結果だと感じませんでしたか?
少なくとも、先ほどの親が考える不登校理由とは異なる結果が出ていると言えます。
二つの調査結果は各項目が一緒ではないため、単純に比較検討することはできませんが、似たような項目で比較してみると微妙にズレがあることが分かります。
特に国の調査で2番目に多かった「親子の関わり方」は、アンケートでの「家庭環境」「反抗期の影響」と類似すると考えると、親子関係が不登校の原因になりうると考えている人はあまり多くないように感じます。
しかしこの二つの調査結果はどちらが絶対的に正しいとは言い切れないと感じます。
なぜなら子どもが質問をしてくる相手や状況に合わせて、言うことを変えていると言う可能性も考えられるからです。
親子の関わり方に問題を感じている子が親に学校に行きたくない理由を聞かれてもなかなか言いづらいでしょうし、逆に教師や学校に不満を感じている子が学校の関係者に理由を聞かれても答えを濁してしまうこともあるでしょう。
結局のところ子どもがどこまで正直に答えてくれているかと言う部分で結果が異なってきてしまうのです。
子どものことを信用することは第一として、子どもが心を開いて話してくれるような環境づくりが、不登校の原因を探る上で重要なこととなってきます。
子どもの説明で何か不安に思うような節があれば、焦って問いたださず子どもの様子を見ながら少しずつ話を進めていくようにしましょう。
※4 令和元年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査について
【学年別の不登校要因】
次に学年別の不登校要因についてお話します。
小学校の6年間は子供が心身ともに大きく成長する期間です。
特に精神的な発達が目覚ましいため、学年が上がるにつれて不登校の原因となってくる要因にも変化が見られます。
以下に学年別でよく見られる不登校の原因をまとめましたので、参考になさってください。
これと言った明確な原因がないことも
これまで不登校の原因についてお話してきましたが、子どもによってはこれと言った明確な原因がないこともあります。
それは子ども本人にもよく分からず、本当に「なんとなく」学校に行きたくないと言った状態です。
学校で嫌なことがあったわけでもなく、むしろ楽しいと思っているはずなのに、なんとなく学校に行くのが億劫に感じるのです。
二つ前の項目でお話した国の調査による不登校の原因を見ていただければ分かるように、「無気力・不安」を理由に不登校となる子はとても多いのです。
なぜ無気力になったのか、何に不安を抱いているのか、そこが知りたいところですが、子ども自身がわからないこともありますし、本当に理由がない場合も考えられます。
不登校の原因が分からないとあなたとしても困ってしまうと思いますが、一番困惑しているのは子ども自身かもしれません。
子供のためになんとかしてあげたいと原因を突き止めようと考えるかもしれませんが、困惑している子供から情報を聞き出すことは容易ではありませんし、かえって子供を混乱させることになりかねません。
あまり原因にこだわり過ぎず、子供の精神を安定させることに注力するようにしましょう。
原因を取り除いても不登校が改善するとは限らない
先ほど原因にこだわり過ぎないほうが良いと言うお話をしましたが、原因にこだわり過ぎない理由はもう一つあります。
それは、不登校の原因を取り除いたとしても、不登校が改善するとは限らないからです。
もちろん原因をそのままにしておいても良いと言うわけではなく、原因がはっきりしているなら早急に解決すべきことです。
しかし原因を解決できたとしても、子供のモヤモヤはすぐに晴れるものではありません。
一度失った自己肯定感はそんなすぐには回復しないのです。
”不登校の原因”は子供への対応の指針として捉え、「どのような理由で傷つき、自信を失ってしまったのか?」「それならばどのような対応が適切か」を判断する材料として考えていくことが、子供の自己肯定感を高めることに繋がります。
子供が学校を休みたいと言ってきたらどう対応する?
ここまで、不登校とはどのような状況か、どのような子がなりやすいか、考えられる原因は何か、と言ったことについて掘り下げてきました。
では実際に、子供が学校に行きたくないと言ってきたら、どのような対応をすれば良いのでしょうか。
不登校を長引かせないようにするためにも、適切な対応を心がけたいものですよね。
ここからの章ではSTEP2のお話をしていきたいと思います。
子供から学校に行きたくないと言われた時にどう行動すべきかを、以下の内容に沿ってまとめていきます。
- 行きしぶりの予兆とは?
- 不登校気味の子供に対して取りたい行動、NGな行動
- 朝どうしても起きられない・・・起立性調節障害とは?
- 子供が不登校になったら仕事はどうする?
- 不登校時の日中の過ごし方
- 学校や周りの人との付き合い方
不登校は初期対応が大事だと言われているので、ここでの対応は後々影響を与えると言えるでしょう。
焦らずしっかり対応するために、一つずつ見ていきましょう。
子供の行きしぶりの予兆を見逃さないで
子供に突然「学校に行きたくない」と言われて、あなたはとても驚いたかもしれませんが、実は大半の子供は不登校の予兆と思われるような素振りを見せているのです。
子供が不登校になってから「そういえばちょっと前からなんだか・・」と気づくというケースもあります。
行きしぶりの予兆の段階からケアをしてあげることができれば、本格的な不登校になったり、長期的な不登校を防いだりすることも可能となります。
普段から子供の様子をよく観察し、こまめにコミュニケーションを取ることで、子供のちょっとした変化にもすぐ気が付ける環境を整えておきましょう。
では、行きしぶりの予兆とは子供のどう言った状況があたるのでしょうか。
不登校の子供を持つ親御さんに向けたアンケートによると以下のような行動が見られるようです。
多くの子供に見られる行動は「笑顔がすくなく元気がない」「朝になると頭痛や腹痛を訴える」とのことでした。
少食になったり不眠になったりと、体調に現れる変化は親としても心配になるので見逃すことはないかと思いますが、会話が少なくなったりした場合は、年齢によっては「お年頃なのかな?」と考えてしまうこともあるでしょう。
「その他」の回答には「家の中でイライラするようになった・八つ当たりしてくるようになった」「朝起きてこない・身支度をするそぶりが見られない」などの行動も見られるとのことでした。
大半の子供は「学校に行きたくない」となかなか口に出せずに、そのほかの行動で気持ちを訴えようとしてきます。
そういった予兆を見逃さず、少しでも早めに対応できるように、ちょっとした子供の変化にも気づける関係を築いておくことが大切です。
また、子どもが朝になって頭痛や腹痛を訴えてきた場合、それが本当のことなのか学校に行きたくないがための仮病なのか、判断に困ることもあるかもしれません。
朝は何かと忙しい時間帯なので急なことだと判断をするのも難しいと思います。
では親御さんたちはその際どう言った行動をとるのか、こちらも同様に質問をしたのでアンケート結果を見てみましょう。
病院には連れていかず休ませて様子を見る方が多いようですが、病院に連れて行く方、登校させると言う方も一定数いらっしゃって、対応は割れているようにも見えます。
体調不良の訴えが行き渋りの予兆だとすぐに気付ければ、また違った対応もあるのかもしれませんが、他に変わった点がなければズル休みなのでは?と疑ってしまったり、判断に迷うところだと思います。
ただズル休みにしろ、理由なしに休みたがることはないと思うので、体調は心配しつつもそれとなく内情を探るように会話ができると良いですね。
朝は時間がなくてあまり話せないと言う方は、一旦休ませて時間が取れる時に会話をしてみると良いかもしれません。
無理矢理登校させるのはNG!
不登校の子供の心はとても繊細な状態になっているので、その対応にも繊細さが求められます。
なので、できることなら子どもに対して間違った対応をしたくないと考えるはずです。
少しでも対応を誤ると、親子の関係がこじれ信頼性も失われるのではないかと思うと慎重に対応しなくてはと思いますよね。
アンケートで「お子様が不登校になった時にやってはいけないと思う対処法」について、不登校の子どもを持つ親御さんたちに質問したところ、自由記入でしたがダントツで「無理矢理学校に行かせること」との回答が多かったです。
多くの親御さんが子どもを無理やり学校に行かせることは子供のためにならないと感じているようです。
では子どもに学校を休みたいと言われたらどう対応すれば良いのでしょうか。
実際に親御さんたちがとった行動を見てみましょう。
約7割の方は子どもを休ませる選択をするようですね。
子どものいつもと違う様子を見て理由を聞かずに休ませる方もいらっしゃるようですが、大半の方は子どもに理由はきちんと聞くみたいです。
また、学校に行かせると言う選択をする方も無理矢理ではなく、説得してできるだけ行くように促すと言う方がほとんどです。
仕事などの関係でなるべく学校は休んで欲しくないと思うこともあるかもしれませんが、なるべくなら子供の意思を尊重してあげた方が良いでしょう。
説得して学校に行かせた場合にも、「帰ってきたら色々話そうね」「美味しいもの用意して待ってるね」と言った声かけなどで、子どもが安心して帰ってこれるような受け皿を準備してあげると、子どもはその日1日だけでも頑張れるかもしれません。
とにかく無理矢理学校に行かせることだけはしないようにしましょう。
不登校気味の子どもにやってはいけないこと
不登校の子どもに対して、できることなら学校に復帰してほしいと、あなたも思っていることだと思います。
そこで、学校がいかに楽しい場所か、こんなことが学べるよと、学校に対して良いイメージを持ってもらおうとついつい学校に関する話題を出してしまうかもしれませんが、これは効果的ではありません。
不登校の子供はあまり学校のことを考えたくありませんし、親から学校の話をされると「学校に行って欲しいんだな」とプレッシャーを感じてしまい、学校に行けない自分に対して益々自己嫌悪を抱いてしまうことになります。
子供とのコミュニケーションはできるだけ学校関連の話は避けるようにしましょう。
また前章の【不登校のきっかけとなる主な原因】の中でも少し述べましたが、不登校を解決しようと原因を探ろうとして、子どもにしつこく理由を問いただすこともオススメしません。
学校に行きたくない理由をやんわり聞いてみて、子供があまり話したくなさそうな雰囲気だった場合はしつこく聞かず、そっとしといてあげましょう。
不登校の子供は自信を失っていることが多く、自分の気持ちをうまく整理して伝えられるか不安に感じている場合もあるのです。
そんな時に質問ぜめにされては、理由なんて説明することもできませんし、さらに深く落ち込んで塞ぎ込んでしまう可能性も考えられます。
原因にこだわらず、子供の精神を安定させることに努めていれば、そのうち子供の方から打ち明けてくれることもあるかもしれません。
気長に待ちましょう。
子供は1日休むだけでも気持ちが回復してくる
子どもに学校を休みたいと言われホイホイ休ませていると、そのままズルズルと長期的な不登校になってしまうのではないかと不安に思うかもしれません。
確かに大人でも、1回仕事を休んでみると案外休むハードルは高くないのだと気づき、時々休むようになってしまったと言うこともありますよね。
ですが大人の場合はあまり休むと仕事や周りの人に何かしらの影響が出るだろうと自制心が働くので、頻繁に休むようになると言うことはあまりありません。
しかし自制心がまだ成長しきっていない子どもにとっては一度の休みでネジが緩んでしまい、歯止めが効かなくなってしまうのではないかと考えるでしょう。
子供の状態によっては、1日休んだだけでも驚くほど気持ちが回復することがあります。
何か子供が元気がないなと感じたり、学校に行きたくなさそうな素ぶりが見えたときには思い切って1日でも休ませてあげると、次の日からは元気に登校できるようになると言うこともあるのです。
おうちの中で静かに過ごしたいのであればゆっくり過ごしてもいいですし、好きなものや好奇心を満たせる場所に出かけてみるのも良いですね。
大事なことはスキンシップやコミュニケーションをいつもよりたくさん取って、子供の安心感を満たしてあげることです。
子供にとって「安心して休める場所がある」と言う認識を持つことは、外の世界で頑張る勇気に変わります。
反対に、もしそのまま長期的な不登校に突入してしまったとしたら、その子供はかなり限界なところまで来ていたと言うことです。
不登校になることを恐れて休ませずに頑張らせていたとしても、遅かれ早かれ何かしらの影響が出ていたことでしょう。
長く頑張っていた分、充電期間も長くなってしまうかもしれませんが、子供にはとても大事な期間であることを理解し、優しく見守ってあげましょう。
起立性調節障害という病気を知ろう
子供の行きしぶりの予兆で、「朝になると頭痛や腹痛を訴える」と言った行動がよく見られるのですが、似たような症状が出る「起立性調節障害」という病気をご存知でしょうか?
起立性調節障害は自律神経機能不全の一つで、その症状はたちくらみ、失神、朝起き不良、倦怠感、動悸、頭痛などで、症状は午前に強く午後には軽減する傾向があります。
思春期に発症しやすく、小学生の約5%、中学生の約10%が起立性調節障害を患っています。
朝に体調不良を訴える子供がみんなこの病気というわけではありませんが、不登校児の30〜40%にこの起立性調節障害が見られるそうです。
起立性調節障害の原因と治療法は以下の通りです。
起立性調節障害の原因の一つにストレスの項目がありますが、基本的にこの病気は「身体の疾病」とされていて、気の持ちようだけで治るというわけではないのです。
ですから怠けていると言って怒ったり、朝無理矢理起こしたりすることは効果的ではありませんし、更なる自律神経の乱れを引き起こしかねません。
重症化すると社会復帰に何年も要することになるので、軽症のうちにきちんと治すことが望ましいです。
参考:
日本小児心身医学会 http://www.jisinsin.jp/detail/01-tanaka.htm
仕事は続ける?辞める?不登校が長引いたら考えるべきこと
子どもが病気などで突然学校を休むことになったら、共働きのご家庭の方は、仕事を休む時もあるかと思います。
しかしそれが不登校となった場合、仕事を休み続けるのは難しいですよね。
特にまだ1人では留守番ができない年齢で、近くに頼れる人がいないとなると、子供のケアと自分自身の対応とでいっぱいいっぱいになってしまうのではないでしょうか。
不登校はすぐに通えるようになる子もいれば、何年も長引いてしまう子もいたりと様々で、不登校の終わりは誰にも予測がつきません。
いつ終わりが来るかも分からないので、単発的に仕事を休むだけで良いのか、辞めなければいけないのかという判断も容易ではないのです。
実際にお子さんが不登校になった親御さんたちは、お子さんが学校を休んだ際はどのような対応をしていたのでしょうか?
下記のアンケート結果を見てみましょう。
約15%の方は「仕事を休む」と選択されています。
最近では勤務体制も多様化してきたので、子供が学校を休むことになっても在宅やフレックスなどで対応をして乗り切る方もいるようです。
しかし職種によってはそう言った対応ができず、預け先も無いとなると、どうしたって仕事を休まざるをえないということもあります。
その場合は子どもが完全に不登校になり長期の休みが必要になってしまうと、在宅勤務ができるような仕事に転職したり、仕事を辞めるという選択をする方も少なからずいらっしゃいます。
もしあなたが現在、子供の不登校によって仕事を続けるか、転職するか、辞めるかで迷っているとしたら、一つ心に留めてほしいことがあります。
仮に仕事を辞める決断をしたとき、その決断を「子供のため」という理由にしないことです。
「子供のため」と言うのは聞こえはいいですが、もしなかなか不登校が改善しなかったり困難が続いてしまったときに「子供のために自分を犠牲にしたのに」と言うネガティブな変換が生じ、子どもにきつく当たってしまったりする場合があるからです。
仕事を続けるにしろ、辞めるにしろ、あなたがどうしたいのかを中心に考えてみてください。
子供のことは心配だけど「自分は仕事を続けたい」と考えるのであれば、仕事を続けながら子供を最大限にケアできる方法を探しましょう。
「自分は子供のケアに注力したい」と考えるのであれば、仕事はきっぱり辞めるか無理なく続けられる仕事に転職してみるのも手です。
子供のためを思っての決断は、ときに子供にとってプレッシャーとなる場合もあります。
「自分のせいで親が仕事を辞めてしまった」と自分を責めてしまい、ますます自己肯定感が薄れてしまうかもしれません。
どのような選択をするにしろ、「自分がどうしたかったからこの選択をした。あなたのせいではないよ。」と言うことをしっかり子供に伝えてあげてください。
不登校中の過ごし方
実際に子供が不登校になってしまったら、本来学校に行っている時間帯の過ごし方について悩まれることでしょう。
アンケートで「お子さんが不登校になった時に心配に思うことはどんなことですか?」と言う質問をしたところ、1番多かった回答は「子供の精神的なこと」でしたが、次いで多かった回答が「子供の将来のこと」「勉強のこと」でした。
また2〜3割の方は「子供の生活リズム」「子供の健康」「毎日の家での生活について」も悩みを抱えているとのことです。
不登校中は時間の縛りがないため、どうしても生活リズムが乱れがちになってしまい、不登校の長期化を招く原因にもなりかねません。
ですから日中の過ごし方が不登校の対応としても大切になってくると言えるでしょう。
この章では、日中の過ごし方について悩みがちな、勉強やスマホ・ゲームとの付き合い方に対して注意したいことについてお話していきます。
不登校の子供に対してどこまで厳しくすべきか、どこまでゆるしていいのか・・・判断が難しいところですが、とても大事な場面ですので慎重に対応していきましょう。
小学生の勉強の遅れはすぐに取り戻せます
子供の将来のことを思えば、不登校中でも勉強の遅れが生じないように少しでも勉強してほしいと思うかもしれません。
そして通信教材やネットの無料プリントなどを進めてみるも一向に手をつけてくれない・・・と悩むこともあるでしょう。
不登校になった子供はどちらかと言うと少し無気力な状態になっていることが多く、自分を守ることで精一杯です。
そんな状態では勉強に気が向くわけがなく、小学生くらいですと自主的に勉強をすると言う習慣が無い子が大半です。
まずは普段の子供を観察し、YouTubeでもゲームでも漫画でもどんなものに興味を持っているのかを知ることが大切です。
興味のあることが分かれば、そのことについて深く知れるような手助けをしてあげるといいでしょう。
何かを知る・情報を得ると言うことだけでも立派な学びとなります。
また、小学校で習うことはつまずきが生じやすいような難しいことはそこまでありません。
子供の気持ちに余裕ができた頃に勉強を始めたとしても、すぐに遅れを取り戻すことは可能です。
大切なことは子供の学びたいと言う気持ちを育むことで、その気持ちは将来的にもとても大きな力となります。
子供のペースや興味に合わせ、子供自ら学びたいと言う気持ちが持てるようにサポートしてあげましょう。
積極的に外へ出かけよう
他の子供たちが学校で勉強している時間に外で遊ばせるのは気がひける・・・と感じるかもしれませんが、外に出て遊ぶことや興味のあるものを見にいくことは子供にとっては学びの場となります。
”社会科見学”と称して、子供が好きなものをとことん研究してみるのもいいですし、まだ見たことがない触れたことがない未知のものを探してみるのもいいですね。
学校に行けないことを悲観的に考えず、むしろ休んでいるからこそ様々なものに触れるチャンスだと捉え、子供の知的好奇心を満たしてあげましょう。
休日だと混雑していて近寄りがたい場所でも平日ならゆっくり見れる事も多いです。
様々な体験を通して視野が広がり、もっと知りたい勉強したいと言う気持ちが強くなるかもしれません。
また、外に出てしっかり活動する事で自律神経が整い、睡眠の質が向上したりする効果が期待できるので、子供の生活リズムを整えることにも繋がります。
ぜひ、どんどん外に出かけてみてください。
スマホやゲームとの付き合い方
子供のスマホやゲームとの付き合い方に関しての対処はとても難しい問題だと思います。
どこまで厳しくするべきか、どこまで認めてあげるべきか、子供と話し合いをしたとしても対立しがちな話題です。
特に高学年くらいになると反抗心から全く言うことを聞かないこともありますし、厳しくするとますます引きこもり具合に拍車がかかってしまうと言う不安もあるでしょう。
不登校になると自暴自棄になってしまったり無気力感から、ネットやゲームに依存してしまう子は少なくありません。
学校で辛いことがあったり傷ついたりしたのであれば、家では好きなことをさせてゆっくり過ごさせたいと思うのは自然な親心でしょう。
子供の気持ちを回復させるために自由に過ごさせようと考えるも、どこまで寛容にしたらいいか分からず、結果的に子供がネットやゲーム依存になってしまうと言うこともあるのです。
なのでスマホやゲームの利用にはある程度のルール決めが必要です。
例えば、以下のようなルールです。
- 使える時間の長さ、時間帯
- 自室に持ち込まない
- 利用内容のチェック
使わせないという選択肢は子供の反感を買いかねないので、ある程度の利用は認めてあげましょう。
しかしその利用については目の届かないところで自由につかえるような環境は避けるべきです。
また、ルール決めの際は一方的に親が決めてしまうのではなく、子供の意見も取り入れながらしっかり話し合いを行い、「なぜこのようなルールが必要なのか」ということも明確に伝えてあげてください。
スマホやゲームの利用については親子で衝突しやすい問題ですが、利用に制限を設ける理由をきちんと説明してあげることでお子さんもしっかり納得してくれることでしょう。
昼夜逆転しない生活を心がけよう
不登校になると、子供は引きこもりがちになり、明日に対する不安感などから不眠になる場合もあります。
そうした生活を続けているうちに、朝方にやっと寝て昼過ぎに起きてくると言った昼夜逆転の生活になってしまうことになるのです。
昼夜逆転の生活をしていると不登校の改善なんてもっての外ですし、何より子供の健康にもよくありません。
幼少期の生活リズムの乱れは成長ホルモンに多大な影響を及ぼすため、将来大人になったときに思わぬ弊害が生じることもあるのです。
先ほども述べたように、スマホやゲームとの付き合い方も大事で、夜遅くまで使用することは脳がいつまでたっても夜だと認識できない状態になってしまうので良くありません。
次の日のことが不安で眠れないようであれば「明日は学校に行けるといいね」と言った声かけはしないようにし、むしろ真逆の声かけ(「明日もゆっくり休もうね」)などで子供の安心感を優先してあげましょう。
そして朝は遅くとも8時9時くらいには起こして、午前中のうちに散歩でもなんでもいいので体を動かすようなアクティビティを取り入れてあげると良いでしょう。
ここで注意したいのが、学校の時間割のように細かくスケジュールを決めてしまわないことです。
その時間帯の中でやるべきことをやったら後は自由といったスケジューリングでも生活リズムは十分整います。
昼夜逆転しないためのルール決めやスケジュール調整は大まかにし、なるべく子供がゆったり過ごせる環境を目指しましょう。
学校や教師、周りの人との付き合い方
お子さんが不登校になると学校や周りの方に相談する機会も増えると思います。
1人で問題を抱え込まないためにもそれはとても大切なことなのですが、お子さんやあなた自身の精神的安定のためにも気をつけたいことがあります。
この章では一番接する機会の多い学校や教師との付き合い方、そして周りの方からのアドバイスの受け止め方についてお話したいと思います。
【学校とのつながりを持っておきたいと考える親は多い】
お子さんが不登校になったらまずは学校の先生とお話する機会が増えるかと思います。
学校や家での様子をお互いに聞いたり今後の登校について話し合いをするために、家庭訪問をしてくださる先生もいます。
不登校解決のためには学校側の理解や協力も必要となってきますので、うまく連携して子供をサポートできる体制を作りましょう。
あなたは、お子さんが不登校になった時、学校側にはどのような対応をしてもらいたいと考えますか?
早めに登校再開できるように学校側のサポートを強く望むでしょうか?それとも子供と嫌なことがあった学校との距離を置くためできるだけ接触を断ちたいと考えるでしょうか。
不登校の子どもを持つ親へのアンケートで、「子供が不登校になった時、学校側にはどのような対応を望みますか?」との質問には、何らかの形で学校とのつながりを持っておきたいと言う回答が全体を占め、学校との接触を断ちたいと考える親はいませんでした。
必要最低限の接触のみを希望する方もいらっしゃいますが、子供が回復して将来学校に行けるようになることを考えると、ある程度のつながりを持っていたいと考える方が大半のようです。
登校の再開は、親の付き添い有りや出たい授業だけ出る、保健室登校から始めると言ったように少しずつ行けるように頑張っていくことが多いです。
そのためにはやはり学校側の理解とサポートが必要不可欠となってきますので、少しでもつながりを留めて置くことが最良だと考えます。
【子供の状態を見てどんな対応をしてほしいか伝えよう】
子供が不登校になった際、ある程度学校とのつながりを持っておきたいと考える親が多いと言うことがわかりました。
しかし子供の中には先生方の家庭訪問を登校へのプレッシャーと感じてしまい嫌がる子もいます。
なので学校との関係性をどの程度持っておくかと言うことは子供の気持ちを汲んで決めていかなければなりません。
学校には行けないけれど先生に話を聞いてもらいたいと思う子もいますし、逆に先生とのウマが合わなかった子はあまり会いたくないと思うでしょう。
学校側から定期的に家庭訪問が来るようでしたら、子どもの様子を見ながら以下のようなお願いを事前にしておくと良いです。
- 子供と接触する人(誰が)や人数、頻度
- 学校についての話題をするか、しないか
- 宿題などの配布物の有無
- 不登校の理由を聞き出すかどうか
先ほども述べたように、先生方の訪問がプレッシャーに感じる子もいますので、「先生はあなたの様子を見にきたけど、無理に学校にきて欲しいわけじゃないよ」と感じてもらえるように、学校側に協力してもらう必要があります。
あなたも、せっかくわざわざ先生方がきてくれたのに、マイナスに働くようなことにはなってほしくないはずです。
学校との対話がプラスに働くように、要望は事前に伝えるようにしましょう。
【現状を知らない人の言葉はうけ流そう】
アンケートで「子育てについて周り(親族や友人等)から言われて不快に思ったことなどはありますか?」と質問したところ、多くの方が育児やしつけについて助言されたことがありそれを不快に感じたようです。
下記はそのアンケートに寄せられた声の一部です。
「片親ですので教育が悪い。子供と親とが接する時間が少ないから不登校になると言われて不快でした。」
「発達障害グレーゾーンなので、普段の生活をよく知らない人にどうしょうもないアドバイスばかりいただいて閉口します。」
「引っ張って行っても学校に連れて行った方がいいと思うよ、と言われた」
「過保護すぎるから、親離れさせたほうがいいと言われたことがあります。逆に子離れしなさいとも言われました。」
「子供が学校行事を楽しめないことで悩んでいたら、それは母親の影響だと言われたことです。実際よりも過保護で母親が抑圧しコントロールしていると思われていたのが辛かったです。」
「子供を自由にしすぎ、放任しすぎと言われる」
過保護にしすぎではないか、もっと厳しく躾してはどうか、など24時間子供を見ているわけではない相手から助言されても「何も知らないくせに」と思いますよね。
家庭環境が不登校に影響するとも言われていますが、大半の親は仕事や育児を両立しながら子供のためにできるだけのことを精一杯頑張っていることでしょう。
そんな時に水を差すようなことを言われると悲しくなりますし自信も失くしてしまいますよね。
しかし周りの方も、あなたを咎めようとしているわけではなく、どちらかと言うと不登校改善のための助言として言っているのかもしれません。
相手にとってはアドバイスのつもりだったかもしれないので、一旦善意として受け止め、現状をよく知る自分にとって不必要な助言だと感じれば受け流してしまいましょう。
子育ての正解は誰にもわからないものですから、周りの方からのアドバイスで「自分の育て方が間違っていたのか?」と落ち込む必要はありません。
子どもをよく知り、一番理解しているのはあなたなのですから、自信を持って子どもに接してあげてください。
もし自分の子育てについて不安に思うことがあれば、専門家を頼ってみてはどうでしょうか。
一般の人は自分の子育てや過去の経験と比較して助言をしようと考えますが、専門家はそうではありません。
多くの子供と親を見てきたたくさんの情報から第三者目線でアドバイスをしてくれます。
専門家も完璧な正解を出すことはできないでしょうが、今まで見てきた多くのケースから似たような子どもや状況と照らし合わせて、あなたに合った助言をしてくれるのではないかと思います。
以下に専門家に相談できる窓口をいくつかご紹介しますので、気になることがあればぜひ頼ってみてくださいね。
子どもの成長は全て親の責任と考えてしまいがちですが、親の与かり知らぬ環境の影響も少なからず受けているものです。
アドバイスをくれる存在はありがいことですが、そのアドバイスによってあなたの自信を失わないように気をつけてくださいね。
あなたはどう思う?積極的不登校について
少し話はそれますが、最近話題になった「積極的不登校」について少しお話をしたいと思います。
この話題は様々な人が教育について議論するまでに発展しました。
親が教育を受けさせる義務、子供が教育を受ける権利、これからの教育のあり方など、教育とはなんなのかを考えさせられる問題なので、ぜひあなたも一緒に考えてみませんか。
【積極的不登校とは】
あなたは「積極的不登校」についてご存知でしょうか?
通常の不登校が「学校に行きたいけど行けない状態」なのに対し、積極的不登校は「学校に行こうと思えば行けるけどあえて行かない」と言う選択をすることです。
学校で嫌なことがあったわけではなく、行きたくない原因も特にないのですが、”学校は自分には必要ないもの”として不登校を選択する子供がいるのです。
以前からそう言った選択をする子供はいたのかもしれませんが、最近なぜそのことが話題になったかと言うと、小学生YouTuberのゆたぼんくんが学校に行かない宣言をYouTubeにアップしたことで、賛否両論の大論争に発展したからです。
ゆたぼんくんによると、学校に行かないと決めた理由は「同級生がみんな親や先生の言うことをきくロボットに見えたから」と言うことでした。
小学生ながらなかなか自立した考えの持ち主のようです。
義務教育課程の小・中学校においては特に、集団的行動を身につけるための教育方針となっていることが多いので、彼のような個性を大事にしたい子供にとっては学校の空気感は合わないのかもしれませんね。
【賛否両論の積極的不登校】
ゆたぼんくんが「学校に行かない宣言」をYouTubeにアップしたことで、その賛否について議論が盛んに行われるようになり、各界の著名人もコメントをするなどかなり話題になりました。
大人目線でのコメントだと、将来的にお金を稼ぐことを念頭に置き、学校に行くことは必要なのか必要ではないのかを主張している人が目立ちます。
働き方が多様化している昨今では学校に行かなくても稼ぐ方法がいくらでもあると主張する人もいれば、論文や統計的なデータを持ち出して学校に行った方が将来的な収入はアップすると言った主張まで様々です。
では、不登校の子どもを持つ親にとって、この積極的不登校の話題はどう感じるのでしょうか?
アンケートで積極的不登校についての賛否を質問したところ、下記のように意見が分かれました。
分からないと回答された方が一番多かったですが、賛成が約30%、反対が約20%と、賛成がやや上回る結果となりました。
賛成派の意見と反対派の意見もそれぞれ見てみましょう。
あなたはこれらの意見を見て、積極的不登校についてどう感じたでしょうか?
社会に出るために必要な経験やスキルを身につけることも大事ですが、生き方が多様になってきた現代においては必ずしも集団性が必要ではないとする主張も頷けます。
昔に比べるとネットに溢れるコンテンツの量も多種多様で、知りたいことは調べればすぐに探し出せる世の中にもなりました。
学校生活でしか経験できないことも確かにあるかもしれませんが、以前に比べると限定的になってきてるのかもしれません。
子供の権利が”教育を受ける権利”から”教育を選ぶ権利”に変わってきているように、学校教育も子供の選択肢を増やせるような方針にシフトしていってほしいものですね。
子供の笑顔と自信を取り戻すためにできること
これまで不登校について色々お話してきましたが、では実際に不登校解決のためには具体的に何をすれば良いのでしょうか。
「何から始めたらいいのかわからない」
「もうすでに色々と試してみたけど、どれも解決には至らなかった・・・」
というあなたのために、ここからはSTEP3のお話として、子供の笑顔を取り戻すための提案をいくつか明示していきたいと思います。
子どものためにできることはシンプルなことが多いですが、行動してみると意外に難しいこともあります。
少しでも早くお子さんの笑顔が戻るように、あなたとあなたのお子さんにあった解決方法を探してみましょう。
子供の感情はとても複雑!解決方法は一つではない
いじめ一つとってもその原因が障害によるものなのか友達同士のいざこざなのかによって解決方法も変わってきます。
また原因を取り除けばすぐに学校に行けるようになる子もいれば、なかなか学校に行けない子もいます。
ですから不登校の解決策で「これさえすれば」というのは存在しません。
子供一人一人性格や悩み方がそれぞれなように、解決策も子供によって違うのです。
小学生と言えど子供の感情はとっても複雑ですから、昨日は効果があった方法も次の日には効かなかったと言うこともあありますし、逆に前回空振りだった方法も時間が経てば効果的だったと言うこともあると思います。
なので子供にとって良いだろうと思えることは次々試してみましょう。
いろんな方法を同時に試したり、いまいち反応が薄かったりと大変なことは山ほどあると思いますが、とにかくできることをやってみれば、そのうちのいくつかは子供を笑顔にすることに繋がることでしょう。
結果的に何が1番の解決策だったのかということはわからないかもしれませんが、子供の笑顔を取り戻すことができるのであれば解決策はなんだっていいですし、試してきた全ての方法が無駄になることはありません。
大切なことはあなた自身が諦めないことです。
子供の性格・適正・成長速度を見極めよう
子供が小さい頃は月齢や年齢に合わせた成長を気にすることが多くても、大きくなるにつれて同じくらいの子と比べてできること・できないことについて細かく考える機会は減るのではないでしょうか。
幼稚園や保育園では先生方が子どもの様子について教えてくれる機会が多かったかもしれませんが、小学校ではよっぽどのことがない限り、子どもの普段の様子を知る機会は限られます。
なので学習面で苦手とすることや、学校生活で困難と感じることについて意外に見落としがちになってしまっていることがあるのです。
例えば板書が苦手な子供は板書に集中するあまり先生の話をほとんど聞いていなかったりしますし、敏感な子供は他の子が怒られている時、自分が怒られているような気持ちになって落ち込んでしまうことがあります。
そういった子どもの特性について先生が全て把握することは難しいですし、対応していくこともできないでしょう。
ですから子供は自分自身で解決していくしかないのですが、子供は自分が苦手とすることを苦手と思っていないことがあり、他の子はできているのに自分はなんでできないんだろうと落ち込むことがあります。
そこで「あなたはこう言うことがちょっと苦手な特性があるけど気にする必要はないし、こう言う解決策があるよ」と教えてあげることで、子供が自分自身を理解し対処する力を身につけることができるので、必要以上に落ち込む必要が無くなるのです。
そのためには子供の性格や適性について細かく知っておく必要があります。
不登校になりやすいと言われている気質のところでお話したHSCについても、お子さんが当てはまるようなら苦手な場面や行動の際に取る対応について想定しておくと良いですし、できること・できないことを理解しておくと子どもの適性に合わせた学習方法を探ることができます。
子供はみんな成長速度は一緒ではありません。
一緒に学校生活を送っているとどうしても周りと比較してしまうことがあると思いますが、成長速度に違いはあれど成長しない子供はいないのです。
ただ学校ではそれぞれの成長に合わせた対応を行うことが難しいので、子どもの性格や適性、成長速度に合わせた対応を家庭内でサポートしていくことが望ましいです。
子供の話を聞くことを中心にコミュニケーションをとってみよう
不登校の解決を目指す上で一番必要不可欠なことは子供とよく対話をすることです。
子供とのコミュニケーションなしに、その子のために何ができるかということを考えることもできません。
不登校についてのアンケートにおいて、「子供の不登校を改善すると思う方法を教えてください」という質問には、約4割の親御さんが「子供とのコミュニケーション」と回答されています。
それだけ不登校の解決のためには子供とのコミュニケーションが重要だと感じている方が多いのです。
あなたは普段からお子さんと十分にコミュニケーションが取れていると感じているでしょうか?
コミュニケーションと聞くと簡単そうに感じますし、普段から子供の話はよく聞いていると思われるかもしれませんが、子供とのコミュニケーションにおいてはいくつか注意が必要です。
親側がコミュニケーションは取れていると感じていても、子供からすると足りないと感じてしまっている可能性もあります。
親御さんたちのアンケート結果を見てみても、コミュニケーションは取れている方だと思っていても、子供が何かあればすぐに相談してくれているかと言うことに関しては若干自信が無いようです。
子どもが満足できていなければコミュニケーションができているとは言いにくいので、短時間でもいいので子供と話す機会をたくさん取れるように心がけていきましょう。
では子供とのコミュニケーションにおいて注意すべきことをあげていきましょう。
まず、子供の話を聞くことを中心にすると言うことは質問攻めにするということではありません。
子どもの気持ちを汲み取りたいがために、会話の中からよりたくさんの情報を引き出そうとしてつい質問ばかりしてしまいがちですが、子供は尋問されているような気持ちになってしまいますし疲れてしまいます。
また、子供は質問に合った応えを返そうとするので、本当に子供が伝えたいこととは乖離してしまう可能性もあるのです。
これでは親が知りたい情報は知れるかもしれませんが、本当に子供が話したいことを知ることはできず、「子どもの話を聞く」ということができているとは言えません。
また、質問の返答に詰まっているときに別の質問に切り替えることもあまり良くありません。
伝えたいことをまとめるのに時間がかかる子もいますから、せっかく頭の中でまとまりかけた気持ちを伝える前に他の質問をされると余計に混乱してしまいます。
質問は最小限に、子供から自ずと話してくれるような相槌や聞く姿勢を心がけ、忙しくても手を止めて体全体で子どもの声を受け止めるような対話をしてみましょう。
フルタイムで働いていたり、子どもの習い事があったりと、子供との時間をなかなか作れないと言う場合でも、5分10分でも良いので、ながら会話ではなくしっかりと話を聞く時間が持てると良いですね。
思春期や反抗期の子どもの場合、コミュニケーション自体取りにくいかもしれません。
家に引きこもってゲームをしたり、漫画や動画ばかり見ている、と言う子供に対してはそこから話題を広げてみてはどうでしょうか。
ここで注意したいことは、あなたが心から子供のことを知りたいと思う気持ちを持つことです。
ただコミュニケーションを取りたいがために気軽に質問するだけでは、自分の機嫌を取りたいんだなと言うのを子供は敏感に感じとってしまいます。
そうすると更に気持ちを閉ざしてしまうことになるかもしれないので、お子さんに「あなたと一緒に楽しみたい」と感じてもらうような声かけが大切です。
親目線でと言うよりは、対等な友達のような感覚で対峙してみると、子どもへの共感もしやすいかもしれません。
以上の点は一見簡単そうに見えて、しっかり守ろうと思うと意外に難しいことです。
子どもが話したいことを余すことなく話し、満足感を得られるように、聞くことに徹したコミュニケーションを心がけていきましょう。
不登校は視野を広げるチャンス!思いもよらないことが解決の糸口にも
「ピンチはチャンス」という言葉があるように、不登校が今後の人生を切り開く大きなチャンスとなる可能性も大いにああります。
不登校は学校に行けないことばかりに焦点が行きがちですが、裏を返せば学校に行かなくていい分、なんだって自由に活動することができるのです。
あなたは大人になってから「子どもの頃に〇〇を知りたかった!」と思ったことはありませんか?
私は大いにあります笑。
子どものうちから視野を広げることはとても大事なことですし、その手助けをするのが大人の役割なのではないかと考えます。
そして不登校の期間というのは、その視野を広げるチャンスが人一倍あるとても貴重な時間になるのです。
社会に出るまでの学生期間、無遅刻無欠席で学校に通っていた人が偉いわけでも幸せになれると決まっているわけでもありません。
学校に通っていなかった期間があることは将来的にそこまで不利にならないでしょうし、むしろその期間でどれだけの経験を積んだかによっては、かなりの利益になることもあるでしょう。
また子どもが夢中になれること、将来的に続けたいと思えることに出会えると、生きる活力が生まれて自尊心が復活しやすくなります。
目的や目標があることは子どもの自ら動きたいと言う気持ちを強くしてくれます。
結果的に自然と学校に足が向くようになる子もいるのです。
不登校期間を悲観的にとらえず、今はチャンスの時なのだとポジティブに考え、ぜひ意欲的に視野を広げて行ってほしいです。
親自身が人生を楽しんでいる姿を見せよう
小学生くらいになると親が何を考えて、どう感じているのかと言うことを敏感に感じ取れるようになります。
「子供が辛い思いをしているのだから一緒に悩んであげなくては」と考えることは間違いではありませんが、親が悩んだり大変な思いをしている姿を見ることは、子どもにとって案外プレッシャーになるのです。
「自分のせいで親が不安な気持ちを抱いてしまっている。なんとかして学校に行けるようにならなくてはならない。」と気持ちばかり焦ってしまって、さらに精神的不安定になり負のループから抜け出せなくなってしまいます。
子どもの気持ちに寄り添うことはとても大事なことですが、子どもの負の感情に引きずられてはいけません。
子どもは本能的に親には機嫌よくいてほしい、笑っていてほしいと思うものです。
幼児期に親から怒られているのにふざけた行動をしたり笑顔を見せたりする子どもがいますが、これは自分の行動によって親の笑顔を引き出そうとしていると言う説があります。
親の笑顔が子どもに強い安心感を与えるためだと言われています。
なので子どもの前ではなるべく笑顔でいることが子どもの精神的安定に繋がるのですが、無理やりの取り繕った笑顔は小学生には通用しません。
親が自分のために無理に明るく振舞っていると敏感に感じ取ってしまうでしょう。
それに、親の楽しくなさそうな姿を見ては、子供も将来的な明るいビジョンを描きにくいのではないでしょうか。
ですからあなたは自分の人生を思いっきり楽しんで、その様子を子供に見せてあげる必要があるのです。
親の心からの笑顔は子供にとっての何よりの心の安定剤です。
小学生はまだまだ子どもの部分も多いですが、一個人として確立してくる大事な時期でもあります。
子どものことは心配しつつも、”親は親”、”子は子”と分けて考え、自分自身の人生も大切にすることを忘れないでください。
学校以外の施設・第三者を頼る
夫婦共働きで子供と過ごす時間をなかなか作れなかったり、学校の対応について納得いかなかったり、子どものケアをもっとしたいけどなかなかうまくいかないと感じる時もあると思います。
なんとか家庭内で解決したいと考えることはしごく自然なことだと思いますが、不登校問題は数年単位で長期化することもありますし、終わりの見えない問題に取り組むことはかなりの労力を必要とします。
そのうちあなた自身も精神的に疲れてしまい、子どもと一緒に共倒れなんてことにもなりかねないので、第三者に協力を頼ると言う選択肢があることも頭の隅に置いておいてください。
子供とあなたを救う窓口は、公的・民間共に様々な施設が用意されています。
施設によっては学校と連携してくれるところもあり、通えば在籍校での出席扱いとしてくれる場合もあります。
特に民間の支援機関は下記のアンケート結果を見ても分かるように、一般的にはあまり知られていないところが多く、お近くに該当の施設があるようでしたら活動内容を調べてみるといいかもしれません。
不登校中、「学校以外に居場所を作らせてあげたい」「友達を作ったり他者とのコミュニケーションを取ってほしい」「外部との刺激によって自尊心を復活させてあげたい」などの理由により、学校以外の施設に通わせたいと考える親は多いようです。
また、「通わせたくない」「わからない」と回答された方の理由には、「施設についてよく知らない」「良くないイメージを抱いているから」「子どもが行きたがるかわからない」と言った意見も見受けられました。
確かに子どもの行きたいか行きたくないかと言う意思を尊重することは一番大事なことです。
学校に通えなくなった子が、学校ではないとは言え、同年代の子と一緒に過ごすような場所に行きたがるだろうか・・と考えてしまうでしょう。
子どもが行きたがらない場合無理に行かせる必要はないと思いますが、どんな施設があってどんな活動をしているのかを知るだけでも、子どもの可能性を広げる選択肢が増えることに繋がるかもしれないので、検索や見学をしてみるのもありかもしれません。
以下に代表的な支援施設をあげてみましたので、気になるところがありましたら通える範囲にないか調べてみてくださいね。
【地域の集まりやボランティアに参加する】
子供にとっては家庭や学校、塾や習い事などの限られた世界が日常の大半を占めていて、それが社会のほんの一部であることを知りません。
特に日頃接する大人は家族か親戚、何かを教えてくれる先生の2種類しかいないことがほとんどです。
対等に接してくれるような大人と知り合う機会があまりなく、大人に対しての評価や興味は周りの限られた大人によって定まってしまいます。
中学校や高校くらいまで長年不登校だった子が将来やりたいことが決まった途端勉強を始め、学校にも復帰できたと言うケースもあり、子供にとって将来への展望が本人を突き動かす大きな原動力となるのだろうと推察できます。
やりたいこと・なりたい自分を見つけることは容易ではありませんが、ひょんなことや出会いからそのきっかけが生まれたりもします。
いろんな場所に行ったりすることはとても良い経験になると思いますが頻繁に遠出することは大変です。
その分地域のイベントや集まりに参加することは平日でも足を運びやすいですし、近くに自分の居場所ができることは安心感を抱きやすくなります。
またボランティア活動は自尊心を回復しやすく、尊敬できる大人にも出会いやすい場でもあるので、将来に対する意欲を高めるにはオススメの活動と言えるでしょう。
参考文献・資料:
コトバンク 子ども家庭支援センター
「教育支援センター(適応指導教室) に関する実態調査」結果
厚生労働省 こころの相談窓口
子供が不登校になった親の声を聞いてみよう
ここまで不登校の原因や子どもが不登校になったらどう対応すれば良いかなどについて言及してきましたが、今まで色々調べたり悩んだりしてきて、すでに疲れてしまってはいませんか?
不登校は子供にあった解決策を見つけることが難しく、対応する親の体力・気力も奪われます。
なるべく1人で悩まず、頼れるところがあれば頼り、共感しサポートしあえる仲間を見つけることも大事だと考えます。
そこで最後に、あなたと同じように子どもの不登校で悩んだ経験を持つ親の経験談や不登校についての見解などを紹介したいと思います。
共感できるような意見を見つけて、あなたの心が少しでも明るく前向きになることを願っています。
いかがでしたか?
何人かの方も言及されていましたが、親が不安に思ったり悩んだりする姿を子供に見せることは、あまり良い影響を及ぼさないと感じているようですね。
不登校になった子で、同じように悩みもがき、そして立ち直った子はたくさんいるんだと言うことを覚えておいてください。
解決まで時間はかかるかもしれませんが、お子さんに笑顔が戻る日は必ずくると信じて、明るく前向きに支えてあげましょう。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございました。
不登校の問題は子どもにとって辛いのはもちろんのことですが、周りにとっても辛い出来事です。
冒頭で子どもの暗い顔を見るのは悲しいですよね、というお話をしましたが、子どもも周りが不安そうにしているのを見るのは辛いことでしょう。
まずはあなたが落ち着いて行動し、子どもに安心感を与えてあげてください。
そして子どもと一緒に楽しいことを探してたくさん素敵な時間を過ごしてみましょう。
不登校の解決のためには子どもの自信と笑顔を取り戻すことがとても大切です。
焦らずゆっくり取り組んでいきましょう。
コメントを残す