無事に産まれたはずが・・
長かった出産を終え、我が子の無事も確認し、自分の縫合も終わった時には22時近く。
私が出産した病院では出産後5時間くらいで母子同室になるのですが、終わった時間が遅かったため母子同室は翌日からになり私はそのままLDRで朝まで寝ることになりました。
長く休める安堵感と早く我が子に会いたいなと言う気持ちが入り乱れながら、慣れないベッドの上でウトウトしていると、助産師さんと初めて見る医師が部屋にやってきました。
そして今現在の我が子の様子を静かに話し始めました。
- 新生児室へ移って程なくして、呼吸が浅くなってきたので検査をしたところ、肺に小さな穴が空いてしまっているのが確認できたこと。
- NICU(新生児特定集中治療室)に移り、酸素チューブを付けていること。
- 穴自体は小さいので自然に治るだろうから手術は必要ないが、明日からの母子同室はやめてしばらくNICUで様子を見ることになったと説明してくれました。
疲れて意識が朦朧としていたのと、医師の雰囲気からとりあえず危ない状況ではないのかなと感じ取ることができたので、「分かりました。お願いします。」とだけ返事をしました。
しかし1人になって「本当に大丈夫だろうか?」と不安になり、段々と動揺しはじめました。
無事に産まれたと思ってたのに・・。
朝までゆっくり休むはずが気が気じゃなくてその夜はあまり寝付けませんでした。
新生児気胸とは
翌日、お昼の面会時にようやく子どもと再会できました。
そしてその際に、なぜ肺に穴が空いてしまったのかなどの詳細な説明を受けました。
まず、肺の穴は産まれる前から空いていた訳ではなく、産まれた直後に空いてしまったものとのことでした。
お腹の中にいる赤ちゃんの肺は羊水で満たされていますが、産まれてすぐ肺呼吸をするためにほとんどの羊水は排出されるか取り込まれます。
しかしうちの子は羊水が残っていたのか、呼吸をした際に肺に変に圧がかかってしまい穴が空いてしまったようです。
産まれたばかりの赤ちゃんの肺はかたく、肺を膨らますのにもともと高い圧を必要とするので、約1%の確率でこのように肺に穴の空いてしまう赤ちゃんがいるらしいです。
肺に穴が空くなんて想像するととてもやばそうな感じがしますが、実際には新生児気胸は軽度であれば自然と穴が塞がって治るそうです。
程度によっては長く入院する必要もあるみたいですが、うちの子は二日ほどの様子見で母子同室にできるでしょうと言われ胸を撫でおろしました。
ネットで見た情報に惑わされてしまった
NICUでスヤスヤ眠る子どもの様子を自分の目で見て、医師からきちんと説明を受けるまでは正直とても不安でした。
病室で1人待機している手持ち無沙汰から色々と気になり自分で調べてしまっていたのです。
ネットで【赤ちゃん 肺に穴】などの検索ワードで調べたところ、同じように産まれてすぐ肺に穴が空いてしまった赤ちゃんのことを書いているママブログを見つけました。
そのブログによると産まれてすぐ肺に穴が空いて、出産した病院では治療ができなかったので大きな病院に移り、自分が退院しても子供は10日間ほど入院していたことなどが書かれていました。
一番初めに私が医師から子どもの様子を聞かされた時には「大したことないから大丈夫ですよ」と言った感じのニュアンスだったので、このブログを見てから本当に大丈夫なんだろうかと疑心暗鬼になってきました。
出産直後で疲れてるから心配かけないような言い方をしてくれたんじゃないだろうか?とさえ思ってしまいました。
なにせ初めての出産、初めての子どもだったので、赤ちゃんの肺に穴が空くと言うことがどのくらい重大なことなのかが全く分からなかったのです。
たまたま私が見てしまったケースが、新生児気胸の重度の症状だったようです。
今でこそ新生児気胸がそこそこ起こる症状であること、大抵は軽度で済むことが分かりますが、当時は本当に不安を感じていました。
NICUで初めて子どもを抱くまで、無駄に焦っていたなと思います。
出産二日後にNICUを卒業!
1日2回の面会時に看護師さんがその日の子どもの様子を教えてくれました。
そして徐々に酸素チューブが必要なくなってきていることを聞き、順調に回復していることにホッとしました。
同じ日に出産した人たちはすでに母子同室で育児をスタートさせていたので、病棟に響く泣き声を聞いては妙な焦りを感じたりしていました。
でも1日たったの数十分ですが、静かな特別な部屋で子どもを抱っこしながらじーっと見つめている時間は、今では特別な思い出になっています。
とても貴重な体験をさせてもらえたなと思っています。
産まれてから二日後の検査で肺に穴は見受けられず、呼吸も安定していることから、無事にNICUから出ることができました。
小さな体でよく頑張ってくれたと思います。
肺に異常が残ることはない
子どもはもう少しで1歳になろうと言うところですが、現在は問題なく健康に育っています。
新生児気胸は穴が塞がった後、その後の病気などを心配するようなものではないそうです。
なので走ったりなどの肺に負担になるような行動を避ける必要はありませんし、不安に思う必要もありません。
母子手帳にも特別注意が必要とは書いていませんし、健診で聞かれたりすることもありませんでした。
一度健診時に看護師さんから出産時の異常について聞かれ、肺に穴が空いたことを説明すると「あらそうなのね〜」と言った感じだったので、本当に気にしなくていいんだなーと感じました。
まとめ
初めての出産で、元気な産声を聞けたと思ったらNICUに入ってしまったので本当に焦りました。
親兄弟や夫から「大丈夫だよ」と言われても、イマイチ心に届かず不安で仕方ありませんでした。
でも病院のスタッフさん達は小さな命を救うために頑張ってくれましたし、何よりも自己修復すると言う赤ちゃんの生命力にとても驚かされました。
子どもの成長は心配することが絶えませんが、現在は新生児気胸の影響は全く感じないほどすくすくと育ってくれています。