【男性不妊発覚までの道のり】夫が精索静脈瘤の手術をしました。

精索静脈瘤男性不妊手術

妊活から半年経過しても授からなかったことがきっかけで、35歳の夫が初めて精液検査を受けました。

結果は「精子無力症」「乏精子症」と診断がありました。

詳しい原因は分からず、半年が経過する頃には、みるみる精子の状態は悪化。

「人工授精をしても妊娠する可能性がほとんどない」

医師からそう告げられ、泌尿器科から男性不妊専門病院へ転院しました。

そこでの診察にて新たに「精索静脈瘤」であることが判明し手術を受けました。

今回は、精索静脈瘤の手術と治療について体験談を基にお話しします。

(精子無力症・・・精子の運動率がとても低いこと(運動率42%未満))
(乏精子症・・・・精子の中に精子が少ないこと(精液1ml中に精子の数が1600万未満))

保育士+フリーランスのライターとして働いている5歳のママ。
出産後におうち英語・モンテッソーリ教育などの勉強をし、我が子の教育にも力を入れている。現在、2人目不妊が発覚し不妊治療中。

精索静脈瘤とは?

精索静脈瘤で精巣内の温度が高くなっていると、精子が上手く作られなくなってきます。

その結果、「精子無力症」「乏精子症」という症状に繋がると医師から説明を受けました。

男性不妊の中でも原因がはっきりしていて、治療しやすい病気が精索静脈瘤です。
ほとんどが左側にできます。
精索静脈瘤とは血流の障害で腫れが発生し、陰嚢内の温度上昇が精巣の発育不全などを発症し、造性機能に悪影響を与える病気です。

※参考文献「名医が教える男性妊活の最強辞典」
著 順天堂大学医学部付属浦安病院泌尿器科
教授 辻村 晃

陰嚢内は体温より低い温度に保たれており、睾丸は低い温度で精子を造りやすいのですが精索静脈瘤では体温と同じ温度の血液が睾丸近くにたくさんあるため陰嚢内でも睾丸の温度が低くならないからです。

※参考文献「一般社会法人 日本生殖医学会」

精索静脈瘤はセルフチェックで分かる?

夫の場合セルフチェックでは発見することができませんでした。

ただし、重度の場合は見た目で分かる方もいらっしゃるようです。

  • 睾丸の上にもう一つ睾丸があるかのように見える
  • 複数の血管コブがある

個人差はありますが上記などの症状が見られる方は、精索静脈瘤の可能性が否めません。

特に左側に発生しやすく立位でお腹に力を入れた状態が確認しやすいです。
※参考文献「一般社会法人 日本生殖医学会」

男性不妊専門病院で見つかった精索静脈瘤

精子検査で「精子無力症」と診断され、泌尿器科に通院するも詳しい原因が分からないままでした。

男性不妊の知識も少なかったことから、時間だけが経過し精子の状態が悪化するまでセカンドオピニオンを受診しませんでした。

精液検査の結果がよくない、原因が分からない場合は、詳しい検査が可能な男性不妊専門病院を受診しましょう。

精子改善には時間を要します。

女性同様、男性不妊専門病院も予約が込み合っています。

夫の場合も、初診の検査や手術も合わせて予約が3ヶ月待ちでした。

また、術後は、精子改善までの時間が3ヶ月必要と説明を受けました。

合計約半年間、妊活をお休みすることを余儀なくされたことから、早めにセカンドオピニオンを受けるべきだったと後悔しました。

妊活や不妊治療は時間が勝負ともいわれているため「ロスタイムを最小限にしたかった」という思いもあって、セカンドオピニオンをおすすめします。

精索静脈瘤は不妊の原因になる?

不妊の原因は男性も無縁ではありません。

精索静脈瘤は男性不妊の最も頻度の高い原因とされています。

男性不妊症患者の40%前後に精索静脈瘤を認めると言われるほどです。

精索静脈瘤は、精液所見の悪化、精子のDNAダメージ、男性ホルモンの低下、陰嚢痛などの原因になり、自然妊娠だけでなく、婦人科治療の成績を低下させます。

※参考文献「一般社会法人 日本生殖医学会」

精索静脈瘤は不妊の原因に繋がります。

特に精索静脈瘤が重度の場合は、医師と手術について相談してみましょう。

精索静脈瘤は早期発見と治療が大切

精索静脈瘤と気づかず放置していた結果、精子の数値が悪化しました。

  • 初診:運動率20% 精子濃度1500万/ml
  • 初診から半年後:運動率10% 精子濃度500万/ml
顕微鏡で見た精子の動きも確認しましたが、自然妊娠や人工授精では妊娠できないだろうと思うほどの状態でした。

  • ほとんど精子が動いていない
  • 前に進んでいる精子はいない
  • 頭がないなど奇形の精子が多かった

精索静脈瘤は自然治癒することはありません。

進行性であるため、精巣に対する継続的な負荷により精子の状態が悪化していく可能性があります。

その為、早期発見はもちろん早期治療がとても重要です。

精索静脈瘤の手術について

精索静脈低位結紮術を行いました。

顕微鏡下精索静脈手術では片側で約1時間〜1,5時間、両側でも1,5時間〜2,5時間ほどで手術を終えることができます。

医師の話では手術後に仕事をしても問題ないくらい簡単で非常に安全な手術だと説明を受けました。

また、合併症や後遺症もほとんどないそうです。

手術方法としては、逆流の原因となっている精巣の静脈を結紮しますが、その位置によって高位結紮術と低位結紮術があります。一般的には、手術用顕微鏡を用いた顕微鏡下精索静脈瘤手術が多く行われ、術後に精子形成能の改善による精液所見の改善と妊娠率の向上が期待されます。
※参考文献「一般社会法人 日本生殖医学会」

精索静脈低位結紮術の費用は約30万円

手術の費用は自費で約30万円です。

手術を任せたい医師のいる病院が自費診療だったので自費で手術を受けました。

保険についていえば、2018年4月より顕微鏡下精索静脈瘤低位結紮術が保険診療の適応となっています。

保険か自費治療かは、医師とよく相談してみると良いかと思います。

精索静脈瘤の手術後の痛み、4ヶ月後の結果

「さすがに当日は痛くて仕事ができるような状態ではない」

術後はそう言っていましたが、2~3日経過すると痛みも引き、日常生活にはほとんど影響はありませんでした。

精索静脈瘤を手術してからの精液検査の結果

手術前の測定値の結果から、術後3カ月の結果を一覧にしました。

測定値 総精子数
単位 ×10*6/ml
参考基準値 39以上
精子運動率
単位 %
参考基準値 30以上
正常形態率
単位 %
参考基準値 4以上
前進運動率
単位 ㎜/30分
参考基準値 16以上
手術前 26 9 1 2
術後
1カ月
36 20 1 4
術後
2カ月
47 33 2 8
術後
3カ月
134 28 4 11

基準値に僅かに達していないものもありますが、手術前の測定値の結果よりすべて良くなっています。

体外受精へステップアップしました

精索静脈瘤男性不妊手術手術を受けてくれ、積極的に妊活に取り組んでくれた夫には感謝しています。
 
術後の数値は改善しましたがタイミング療法、人工授精などを行っても2年間妊娠していない事から体外受精に踏み切ることにしました。
 

「体外受精なら手術を受ける必要はなかったのでは?」

と思われるかもしれませんが医者からは

「精子の数値が改善することで体外受精においても妊娠の確立があがる」
 
と説明がありまりました。

他の問題もあり未だに妊娠できてはいませんが、精子の数値が改善したことは妊娠するための一歩として嬉しく思っています。

今回の体験談が、不妊治療の参考になれば幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございました。

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