妊婦健診で妊娠糖尿病の診断、私が実践した血糖・食事管理などを振り返り体験談

妊娠糖尿病教育入院

体外受精を経て妊娠し、妊娠8週で不妊治療クリニックから一般の産院へ転院しました。

その後、妊娠12週で受けた妊婦健診の採血で血糖値が高いと指摘を受け、検査を行った結果、軽度の「妊娠糖尿病」と診断されました。

「まさか自分が?糖尿病?」

妊娠糖尿病に関して少しの知識があったため、診断された時は、意外な気持ちでした。

それと同時に、赤ちゃんを元気に産むために何としても血糖値をコントロールしなくてはと思いました。

今回は、妊娠糖尿病の検査や教育入院、妊娠中の血糖・食事管理などについてのお話です。

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結婚後約5年間の不妊治療を経て娘を出産、現在専業主婦で子育てをしています。 家族3人+猫1匹の気ままな生活、家族みんなが元気にすごせるよう心がけています!

「妊娠糖尿病」=妊娠中に初めて発見される糖尿病

妊娠糖尿病とは、妊娠中に初めて発見される糖尿病のことです。

通常人間の体は、食物摂取によって上がった血糖値を膵臓から分泌されるインスリンというホルモンによって調節しています。

妊娠中の母体は常に胎盤から赤ちゃんに栄養を送っているため、妊娠時以外よりも空腹時の血糖が低い状態です。胎盤からのホルモンの影響でインスリンが効きにくくなったり、インスリンを壊す酵素が出たりすることで、血糖値が上がりやすく、基準値を超えると妊娠糖尿病と診断されます。

妊娠前からすでに糖尿病であった人や、糖尿病の診断基準に当てはまっている人は、糖尿病合併妊娠となり、妊娠帳尿病とは区別されます。

妊娠糖尿病になりやすい人のリスクとして、糖尿病の家族歴や肥満、35歳以上、巨大児分娩既往などが挙げられます。

私は特に該当せず、関係ないと思っていたため、「妊娠糖尿病」と指摘された時は驚きました。

妊娠糖尿病の診断には、ブドウ糖を摂取し血糖代謝の推移をみる糖負荷試験を受けることとなります。

75g経口糖負荷試験

  • 空腹時血糖:92mg/dl以上(正常値60~100mg/dl)
  • 負荷後1時間血糖:180mg/dl以上
  • 負荷後2時間血糖:153mg/dl以上

日本内分泌学会によると、糖負荷試験での診断基準は上記の通りです。1つでも当てはまれば妊娠糖尿病と診断されます。

(※参考文献「妊娠糖尿病」日本内分泌学会 )
(※参考文献「妊娠と妊娠糖尿病 」 国立成育医療研究センター)

妊娠12週の血液検査で「妊娠糖尿病」を指摘される

妊娠7週頃からつわりの症状が酷くなりました。12週の頃は、リンゴジュースや飴を時々摂取する程度。

ほとんど食事がとれない状態で採血を受けました。

「妊娠糖尿病?」

「一時的に血糖値が上がっているのでは?」

と思いましたが、検査結果から「妊娠糖尿病」と指摘されました。

糖負荷試験検査を受ける

妊娠糖尿病を診断するために、内分泌科で糖負荷試験を受診しました。

検査前日の21時以降、水以外摂取しない状態で病院へ行き、ブトウ糖入り炭酸水を飲みます。

そこから1時間後と2時間後に採血を行い、体内での糖代謝を血糖値で測定する検査です。

私はつわりで完全に空腹状態となると吐き気が強かったため、ブドウ糖水を飲みきれる自信がありませんでした。

医師と相談し、吐き気止めの薬だけ内服の許可を頂き、なんとか検査を終えることができました。

妊娠糖尿病はお腹の中の赤ちゃんにもリスクがある

妊娠糖尿病でコントロール不良となった場合、胎児には先天奇形や巨大児、新生児低血糖のほか、胎盤形成がもろくなり発育不全で未熟児になるなどといったリスクがあります。

また、母体へのリスクは流早産、妊娠高血圧症候群などです。

私は過去の不妊治療中に繰り返す化学流産を経験し、妊娠8週目ころは小さな絨毛膜下血腫によってしばらく出血があったこともありました。

その為、気持ちがナーバスに…。

新たに妊娠糖尿病という心配が増え、このまま無事に赤ちゃんが育ってくれるかということがとにかく不安でした。

(「妊娠と糖尿病に関するQ&A」日本糖尿病・妊娠学会)

妊娠糖尿病の教育入院で学んだこと

妊娠糖尿病教育入院糖尿病教育入院は、短期間で糖尿病について理解ができ治療方法の指導や、合併症に関する検査を行えます。

入院期間は3日間、入院費用は保険診療で約35,000円~40,000円程度でした。

糖尿病合併症がないか検査を受ける

糖負荷試験検査後に、「網膜症」と「腎障害」の検査を受けていました。

入院中は「眼底検査」と「蓄尿検査」の追加検査が行われます。

結果は、合併症はなく単純に妊娠糖尿病のみの症状が見られるとの説明を受けました。

血糖値測定とインスリン自己注射

入院中は食前や食後2時間、就寝前など頻回に血糖値を測定します。

小さな針が内蔵された簡易血糖値測定キットは、指先を穿刺し1滴の血液を採取することで血糖値を測定できます。

測定した血糖値の値によって医師からペン型インスリン注射を処方されます。

どちらも針を使用するので多少の痛みはありますが、指導があります。

私の場合は、看護婦の経験から手技も知っていたこと、不妊治療中も排卵誘発の自己注射等も慣れていたため、特に問題なく始める事ができました。

食事や運動量の指導

妊娠糖尿病の治療の中には、食事と運動治療の指導があります。

一般的な糖尿病食の場合、糖質・カロリー制限をしますが、妊婦の場合は、赤ちゃんをお腹の中で育てるエネルギー・栄養が必須です。計算された必要カロリーや栄養はしっかり摂り、必要なインスリンを注射で補うことが基本的な考え方でした。

「1日に約1840キロカロリーが目安」

入院中の食事の量は個人差がありますが、基本間食はなく、栄養バランスも整っています。

「ちゃんと食べよう」

つわり中の症状もあったっため、量が多いと感じましたが、完食するよう努力しました。

運動に関しては、習慣的な妊婦に無理のない範囲で行うように指導を受けましたが、つわりの症状もあり入院中は何もしませんでした。

退院後の運動治療も、軽いウォーキング程度くらいで十分と説明を受けました。

妊娠中期、私が実践した食事管理や血糖管理

教育入院後、しばらくするとつわりの症状も落ち着き食欲が出てきました。

妊娠中期から実践した食事と血糖値管理について振り返ります。

つわりが落ち着き、本格的に食事管理がスタート

退院後、病院でもらった資料や本を参考に、自分での食事管理が始まります。

市販のルーはカロリーが高いため使わずにイチから作ったり、ご飯の量も目分量ではなく測りました。

また、以前はお菓子やデザートなどの間食が多い食生活でしたが、妊娠糖尿病と診断されてからは我慢が必要でした。

つわりが落ち着いたら食べたいものをリストにしていた為、ストレスを感じる事もありましたが、そんな時は糖質オフのデザーや、平日は我慢し週末だけスイーツを買いに行くなどして適度に息抜きをしていました。

妊娠糖尿病中に完食を続けていると赤ちゃんのリスクに繋がる事もあります。

食べたい気持ちを落ち着かせるためにも、大量に食べるのを避け、少しずつ食べるのがおすすめです。また、食べた物を記録するのも過剰摂取の予防に繋がりますよ。

血糖コントロールがうまくいき、インスリンをほぼ使わず経過した

食事管理と血糖値測定を続けるうちに、血糖値の傾向や、血糖値が上がりやすい食べ物など自分のパターンがつかめてきました。

そのおかげか、血糖値はおおむねコントロールでき、インスリン注射を使うこともほぼありませんでした。

使用したのは数回のみ、教育入院中の最初の血糖値が高かった時。

退院後は妊娠後期に入り、さつまいもを食べた後に血糖値がわずかに上がっていたので2回使用しました。

私の場合は、あまり血糖値が上がらず経過しましたが、やはり体調によって血糖コントロールが不良となることもあります。

血糖値はささいなことで変動が大きいものなので、高い状態が持続しなければ、一喜一憂する必要はありません。きちんと血糖値を測定し、スケールに合わせてインスリンを使用すれば対処できます。

妊婦生活は何か月と続くので、血糖管理も神経質になりすぎず、やるべきことを淡々と行うことが大切だと思いました。

妊娠後期、里帰り分娩のため転院~出産後まで

妊娠30週から、里帰り分娩のため帰省、転院しました。

妊娠後期は胎児の体重も増え、血糖値が高くなりやすい時期となります。

妊娠後期 里帰り分娩のため転院

私の場合は、下記の心配があり医師に相談し「周産期の管理ができる一般的な病院」であれば問題く転院できると教えて貰いました。

  • 妊娠糖尿病で出産や胎児への影響があった時に対処できるか
  • 体外受精前から流産予防のため甲状腺ホルモン薬内服を継続していたこと

念のためリスクを考え、周産期医療体制の整った医療センターに転院する手続きを行いました。

転院先の医師とよく相談をしておくこ

里帰り出産の場合、転院先の施設によっては、出産する施設の体制を考慮する必要がある場合があります。

気がかりな事などは、担当医師とよく話しておくと安心ですよ。

私の場合は、転院後32週の時、子宮頸管短縮のため早産予防のため「自宅安静」の指示がでました。

ほとんど横になって過ごす生活で運動量が減ることに加え、妊娠後期で赤ちゃんの体重も増加、血糖値は上がりがちでした。

血糖値を参考にしながら食事内容をこまめに調整できたのは良かったと思います。

出産後は赤ちゃんも検査を受け、異常なし

陣痛が始まり入院してからも血糖測定は継続する必要があります。

出産後、新生児のスクリーニング検査とともに血糖値測定や甲状腺ホルモン値などの測定が行われ、異常はありませんでした。

産後~退院まで血糖値を確認し、退院後は元の内分泌科でフォローを受けました。

産後3か月に糖負荷試験で再度検査を受ける

産後3カ月ごろ、糖代謝の検査の検査のため、内分泌科で再度糖負荷試験を受診します。

結果に異常がなければ、とくに治療の必要もありません。

ですがここで、糖尿病と診断されれば治療が始まります。

また、産後異常がみられなくても、妊娠糖尿病になった人の中には、将来的に糖尿病になりやすい素因を持っている可能性があるとされています。

「今後も、健康診断などで注意が必要」

「次の妊娠を計画している場合もコンディションを整えておくことが大切」

医師からの説明を受け、産後も引き続き体調管理を行ています。

まとめ

妊娠によって、さまざまな体調の変化がある中で、「妊娠糖尿病」と診断されたら不安を感じる人も多いと思います。

血糖値測定や食事管理など、注意すべきことが増え大変ではありますが、妊娠による自分の一つの体の変化だと私は捉えていました。

妊娠中の食事管理や体重管理、運動については、ストイックになりすぎるとストレスに繋がります。

体調に向き合いながら、工夫を取り入れて前向きに妊婦生活を過ごせるとよいですね。

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