20代前半に多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)と診断され、カウフマン療法を受けた私。
しかし、タイミング治療ではすぐに妊娠反応がでたものの、化学的流産に。
その後は、看護師の不規則な仕事と不妊治療の両立や繰り返す化学流産に悩みながら治療の日々を過ごしていました。
今回は主に、排卵誘発剤を服用後の副作用やタイミング治療の結果を掲載しています。
不妊治療の壁を乗り越えてステップアップをしようと思った理由や気持ちも合わせてご紹介しています。
目次
私の不妊治療の最初のステップ、タイミング療法とは?
結婚後、子供に関しては「まずは少し新婚生活が落ち着いてから、必要そうなら不妊治療を少しやってみてもいいかな」というのが夫婦としての考えでした。
もともと多嚢胞性卵巣症候群があり、妊娠までに時間がかかりそうだなと感じていたので、通っていた婦人科の医師に相談すると・・・。
その後は自分で基礎体温を見ながらタイミングを意識しましたが、妊娠することはなく、生理が2か月ほど空いた周期がありました。
婦人科を受診し、エコー検査をするとその周期では卵胞が全く育っていませんでした。
排卵誘発剤を内服し、タイミング療法をスタート
結婚後約半年が経過した頃、排卵誘発剤を服用しタイミング治療をスタートしました。
タイミング療法での妊娠率は20%前後であり、5周期目までに妊娠する確率が高くなります。
日本産婦人科医会によると、24か月で妊娠率は横ばいになるため、1年をめどにタイミング療法で妊娠しなければ次へステップアップすることが望ましいとされています。
次に、エコーで卵胞の成長を確認し、HCG注射を打ち排卵を起こしました。
タイミングをとった翌日は再度受診し、排卵済みの確認と簡単な精子検査も行う必要がありました。
妊娠反応が出るも化学的流産の結果に
排卵を誘発しタイミングをとった2週間後、妊娠検査薬をすると陽性となりました。
初回の治療でいきなり陽性になったので驚きましたが、初めてのことでとても嬉しかったです。
排卵確認をしているので排卵日のずれはなく、受精卵が育っていない可能性があること、hcg値は妊娠しなければ出ないものであるため、現時点で値が低くてもその後上昇し、妊娠が継続する場合もあることを説明されました。
不安で、どうにか育ってほしいと祈るような気持ちでしたが、出血が始まり、胎嚢確認前の化学的流産となってしまいました。
看護師の仕事と不妊治療の両立、副作用症状にも悩まされる
化学的流産は、生理と同様に出血するのでほとんどの場合医療処置は必要ありません。
その後、排卵誘発剤の服用とタイミング療法を再開しました。
タイミング療法は、月経周期や排卵の成長に合わせて、連日や隔日で複数回受診することになります。
不妊治療のために勤務を調整することはできず、卵胞を育てるHMG、排卵を起こすHCGの筋肉注射を自分で打つ周期もありました。
また、私は排卵誘発薬の副作用が出やすい体質でした。
卵巣過剰刺激症候群の副作用で腹水が溜まる
自然の排卵周期であれば1つの卵胞が成長し排卵しますが、排卵誘発薬の作用によって一度にたくさんの卵胞が成長し、卵巣が腫大することがあります。
卵巣過剰刺激症候群という副作用の一つです。
卵胞が数多く成長しすぎると、副作用症状の悪化や多胎妊娠のリスクが上がるため、その周期は排卵誘発することができなくなります。
卵巣浮腫が強いと腹水・胸水が貯留し入院が必要になる場合もあります。
腹水で横隔膜が圧迫され、体を起こしていないと吐き気がしたり呼吸が苦しくなったりして眠れないといったこともありました。
婦人科クリニックが休診中に症状が酷くなり、夜間に救急外来を受診したこともあります。健康な体でなければ妊娠できないような気がするのに「こんなに調子が悪くて大丈夫なのだろうかと?」といつも不安でした。
2回目の陽性、5週目になっても胎嚢が確認できない
副作用に悩まされる中、再び妊娠反応が陽性となりました。
1回目に化学流産したときは、昼間勤務中に早退したため迷惑をかけたという思いがあり、心拍確認できていない時点では妊娠の疑いがあるというのみで、業務上何か配慮してもらうこともないというのが当時の職場の雰囲気でした。
今度こそはと祈りましたが、前回と同様5週になっても胎嚢確認ができません。
そのまま6週目に入ると夜間はつわりのような症状も始まり、「妊娠続いているの?」と期待もしながら過ごしました。
しかし、夜勤中に出血が始まってしまいました。
休憩や交代をするわけにもいかず、勤務を続け翌日受診すると、子宮内膜は剥がれた後で、ごく初期の流産という結果になってしまいました。
ステップアップも考えて、退職を決意し治療に専念
医師から2回連続で流産することは偶然の可能性が高く、私のように胎嚢確認前の化学流産は基本的に流産にカウントしないこと、2回以上の流産では不育症など他の原因がある場合が多いことを説明されました。
私も仕事と治療を両方続けることに限界を感じましたし、夫や友人にも「思い切って体を休めてからのほうが無理なく治療できるのでは?」と言われました。
多嚢胞性卵巣症候群だけではない不妊の原因があるかもしれないし、ステップアップした治療も必要かもしれないと思うと、妊娠しやすい年齢の時期を逃さずに治療すべきではないかという考えに至りました。
不妊治療をするうえで経済的な面も考えておく必要があった
タイミング療法では数千円の出費でしたが、不妊治療となると検査費、ステップアップした際の治療費は高額になります。
体外受精など高度不妊治療には助成金があるものの、経済的負担は増してきます。
その時点で自分がどこまで不妊治療を行うかという事は見えていませんでしたが、退職しその費用が捻出できるかは正直不安でもありました。
その結果、しばらくは貯金を使い、働き方を見直しながら治療を進めたらよいのではないかという結論に至りました。
ここまでが、タイミング治療を受けた私の体験談です。
多嚢胞性卵巣症候群の他、不妊症の原因があるかもしれない・・・そんな私の不妊治療の体験談は今後も続きます。