今春、子供を保育園に預けて、職場復帰されたご家庭も多いのではないでしょうか?
そんなご家庭に立ち塞がる最初の難関、保育園症候群をご存じでしょうか。
子供の体調不良が続き、気づけば「あれ?今週、何日保育園行ったっけ?」という状態に。
保育園症候群は完治しても、季節関係なく何度も感染症を繰り返します。
復帰後、保育園からの呼び出しや子供の体調不良などで、急遽仕事を休まなければいけなくなる負担は相当なものです。
働くお母さんの悩みの1つ保育園症候群の、原因とお家で出来る予防についてご紹介しています。
これから入園を考えている方も、是非参考にしてみてください。
目次
保育園からの呼び出しの原因は「保育園症候群」だった
保育園に入園すると集団生活がスタートします。
手洗いうがいを徹底していても、子供たちは様々なウイルスや細菌を貰ってきます。
それに伴い、保育園を休むことも多くなり、呼び出しや通院などにより仕事との両立に悩まされます。
入園前までは「発熱」や「風邪」の症状は流行時期に多く、その時期に対策をすればよかったものの、入園後は季節関係なく感染症を繰り返すようになります。
実はこの現象、「保育園症候群」と呼ばれ、※富山県小児科医会 新谷尚久先生は、保護者・保育園・医師が情報を共有することが大切だと唱えています。
子供が休みがちになるのには、しっかりとした理由があったのです。
(※「保育園症候群」富山県小児科医会 新谷尚久先生発表(H24年4月小児科学会))
保育園入園後に体調不良が続く原因とは?
「またお熱?」
「予防してるのに・・・。」
「もしかして体が弱いの?」
など、しっかり予防しているのに子供の体調不良が続いてしまうと、自身の子育てや生活に悩み、抱え込んでしまうパパさんママさんも多いのではないでしょうか?
なぜ、保育園入園後に子供の体調が繰り返し不調になるのでしょうか?
大きく考えられる原因は4つをご紹介します。
細菌・ウイルスへの免疫力が低い
ウイルス感染の症状は初めて罹る時が一番重く、保育園に入園したことで初めて触れるウイルスが多くなるので必然的に症状が出やすい。
ピンポン感染
集団保育の現場では、一度治ってもお互いが感染しあうため、一度症状が治まっても新たに感染し症状が出てしまう。
耐性菌の増加
耐性菌(薬への耐性を持った細菌)は鼻粘膜から簡単に周囲へ広がるため、ドロドロとした鼻水や中耳炎・気管支炎・結膜炎などが続くと、繰り返し感染しやすくなる。
体の発育・発達の問題
※子供はまだ体が完成していないため、大人とは違う鼻腔・中耳をしており、感染しやすく治りやすくなっています。また、乳児は嘔吐しやすかったり、鼻がかめないことも多く、痰も出せないため、感染しやすく感染させやすい。
(※「保育園症候群」富山県小児科医会 新谷尚久先生発表(H24年4月小児科学会))
保育園症候群にならないための家庭できる予防
保育園症候群の辛いところは、保育園や家庭でいくら予防をしても続いてしまう点です。
決して予防不足なのではなく、子供の成長の発達上避けられない事だったのです。
おおよそ1年程度経てば、ウイルスや細菌が一周すると言われ、2歳頃には落ち着くといわれています。
「2歳になるまでどうしようもないの?」と不安に思われるかもしれませんが、家庭でもできるケアはありますので参考にしてください。
保育園症候群にならないための家庭できる予防とケア
予防とケアといっても、ほとんどのご家庭で感染症予防は万全を期して望んでいると思われます。
子供の体調不良を少しでも軽く・短く・繰り返さないように、出来ることからやってみましょう。
鼻水の吸引
保育園に入園すると子供って年中鼻水を垂らしていると思いますが、鼻水には菌がたくさん潜んでいるだけでなく、悪化すると中耳炎などを引き起こす危険性もあります。
耳鼻咽喉科で吸引してもらうことも大切ですが、こまめに根気強く家庭用吸引器などで吸引し、鼻水を取り除いてあげることが大切です。
家庭内禁煙
受動喫煙や呼気・衣類に残ったニコチンは、気管支炎や肺炎の原因となると言われ、例えベランダ等の外で喫煙をしたとしても、乳幼児に与える影響は大きいと考えられています。
※両親が喫煙をしない家庭と両親が喫煙をする家庭では、子供が肺炎や気管支炎になる確率は2倍になるという研究結果も出ています。
はやめのワクチン接種
月齢や年齢に応じて、予防接種のスケジュールが決まっていると思います。
また肺炎球菌ワクチンは、肺炎や細菌性髄膜炎、中耳炎等の予防にもなりますので、スケジュール内でしっかりと接種すると通院の回数が減ると考えられます。
手洗い・足洗い
日頃から手洗いうがい等しっかりされていると思いますが、意外と足って盲点ですよね。
乳児クラスや年齢の低いクラスでは、まだまだ口に手を入れてしまったり、よだれが垂れてしまう子も多くいますので、ウイルスや菌はそこら中に潜んでいます。
多くの保育園では、日中子供たちを裸足で過ごさせるような環境づくりをしていますので、足にも多くの菌が潜んでいます。
帰宅後のスケジュールに問題ないのであれば、帰宅後すぐに着替えをし、お風呂に入ってしまうのが万全だと思います。
保育園からの呼び出し頻度が多く有休がなくなった
復職後、職場での最大の難関が有休のやりくりだと思います。
「仕事はスケジュール通り進まない」
「いつ保育園から呼び出しがあるのか分からない。」
「子供の体調不良によりお休みが必要になるかもしれない。」
休んでしまった次の日も、子供の体調によっては連続で休まなければならなくなってしまったり、出社しても呼び出されるなんて日常茶飯事です。
そんな中でも、大切なことは家庭・会社共に「引継ぎがスムーズにできる準備をしておくこと」です。
また、家庭・会社では自分の置かれてる状況や、保育園症候群についても理解してもらえるように、話してみるのもいいかもしれません。
仕事を休まなくてもOK、病児保育を利用しよう。
職場で自分の電話が鳴る度、もしくは同僚に「電話だよ。」と声をかけられる度に「もしかして保育園!?」とヒヤヒヤしてしますよね?
残った有休を数えながら仕事をするのもなかなか精神的にまいってしまいます。
そうならないためにも、使えるサービス・サポートは徹底的に利用しましょう。
看護休暇
「看護休暇」をご存知でしょうか?
小学校就学前の子供がいれば両親ともに取得することができ、契約社員やパート・アルバイトも対象です。(※一部対象外もあります。)
看護休暇の時間や給与は企業によって取り決めが様々ですので、一度勤務先に確認してみるといいかもしれません。
病児保育
身近に頼れる親戚等がいない場合は、どうしても仕事を休まなければならなくなってしまいますが、仕事においてもどうしても休めない時があると思います。
そんな時は病児保育を利用するのを検討されてはいかがでしょうか。
地域によっては訪問型もありますので、働き方にあった形で看てもらうことができます。症状によっては、断られるケースもありますので、事前に各サービスにご確認ください。
保育園から呼び出し頻度が多いのは最初だけ
先述にあったように、保育園症候群は2歳頃から落ち着くといわれています。
入園したばかりの頃は「これが永遠に続くんじゃないか。」と不安になると思いますが、終わりは見えています。
各サービスを利用するのもおすすめですし、保育園症候群は誰もが通る道です。
決して誰も悪くはありません。
毎日謝ってばかりで、会社への罪悪感と子供への罪悪感でいっぱいになってしまうと思いますが、たまには吐き出して、自分を大切にしてあげましょう。