『0歳の子が、物を何回も落として親に拾わせる。』
『1歳の子が、とにかく物をガンガンと叩きつける。』
『2歳の子が、何か気に入らないことがあると手あたり次第物を投げる。』
などの行動に困ったなぁと思っていませんか?
子供が物を投げる原因に共通するのは、投げているその時に『やめて』と言っても効果的ではないという事です。
では、『やめて』の代わりにどんな声をかけると子供達は理解できるのでしょうか?
今回は、 幼児教室で講師経験に基づき、子供が物やおもちゃを投げる事にお悩みのお母さん達へ子供の心理、年齢別・場所別の対処法をご紹介しています。
目次
子供が物を投げる意味や、その心理とは?
最初に、子供がなぜ物を投げるのか?その理由を探っていきましょう。
- 運動機能を獲得したい
- 好奇心がある
- 親のことが大好き
子供には上記3つの心理が挙げられます。
それらを一つ一つ解説します。
運動機能を獲得したい
物を投げる、ということに関しても同じです。
たくさんたくさん投げる練習をして、腕の使い方、手を離すタイミング、投げたい方向へ投げる能力などを獲得していきます。
この『運動機能を獲得したい』という欲求は、人間に備わった本能なため、ここを止めても欲求不満になるだけです。
好奇心がある
しかし、ご飯を食べるようにならないと生きていけないし、動物に狙われたら逃げる又は戦わなくてはならない。そんな時に、教わっていないので何も知らないと受け身のままでは死んでしまいますよね。
この好奇心によってご飯の食べ方、物の使い方、言葉などを学んでいき、生きる術を身に付けていくのです。
物を投げたいも、好奇心からくるものなので、投げた時の物の変化、投げるスピード、音、そして周りの反応などを知りたがっているのです。
投げたいを止めることは、大いなる好奇心を止めてしまうことになるので、好奇心を折ってしまったり、さらに好奇心の強い子供にはあまり効果がなかったりすます。
親のことが大好き
それは、親を困らせて視線を自分に集めたいから、つまり好かれたいという思いがあるから。
『なんでこの子はいつも親を困らせることをするんだろう』は、今日からは『この子は私のことが大好きで、そして私にも好かれたい子なんだ』と心持ちを変えてみてください。
子供が物を投げた時の見方が変わってきますよ。
【年齢別】子供が物を投げた時の対処法
子供が物を投げる時の対処法は成長によって異なります。
続いては、年齢別で対処法をご紹介しています。
0歳児|ただ楽しいから物を投げている。
0歳児の頃は、前項でも解説した運動機能を獲得したいという心理が爆発する時期でもあります。
続いては、対処法をご紹介します。
- 投げられて困るものはそばに置かない
- ジョイントマットを敷き、投げてもダメージが出ないようにする
- スプーンを投げる日が続くならスプーンを練習は控える
(つかみ食べを満足にした子はスプーンを使うのが上手になります) - ベビーカーの玩具を落とすなら玩具ストラップor持たせない
(景色や会話を楽しむ時間と伝える - 公園で落ち葉や石を落として変化を楽しませる
物を投げる事を止めなくてもよい環境を整える事で、親のイライラも解消されます。
新聞紙などを柔らかくまるめて親子でボール遊びするなど、投げる経験も積ませてみるのもおすすめですし、食事中のフォローが難しい時は吸盤付きのお皿を取り入れる事で安全も確保できますよ。
大事なものを投げられた場合も平静を保ち『落ちたね、拾いましょうね』と状況のみを伝えるの事が大切です。
その理由は、『うわー!』と親が過剰反応する事で、親の面白い反応が見られると学習し、その反応みたさで繰り返し投げてしまう赤ちゃんもいるからです。
1歳児|実験しているだけ。代わりに投げていいものを持たせよう。
1歳児も、基本的には0歳児と同じく、とにかく運動機能の獲得欲と好奇心で動いています。
投げた時のスピードやどれくらい飛ぶなど、実験を試みています。
その為、0歳児の時と同じく物を投げる事を止めなくてもよい環境を整え、存分に投げる遊びを取り入れるのがおすすめです。
続いては対処法をご紹介します。
- 固いものを投げていたら、固いものは置き、投げていい柔らかいアイテムを持たせる
- 投げるには危険なアイテムに執着したら、声掛けをしながら正しい遊び方を学ばせる
- 危険なアイテムを投げていたら、代わりになる物を提示してあげるる
子供の投げてみたい欲をへし折ることなく、物を投げる行為をやめさせることができます。
1歳になると大人の言っている内容が理解できるようになっている為、投げている最中に、怒らない事もポイントです。
『こら!投げちゃだめよ』などプリプリしながら投げてもよいボールを手渡した場合、子供には怒られたという感情だけが残ってしまいます。
親に否定されたと考えるようにならないよう、努めて冷静に事実を淡々と繰り返し伝えるイメージで対処してくださいね。
2歳児前後|物を投げるのは、心の成長。気持ちを代弁してあげよう。
物を投げる経験をさせてあげてと解説してきましたが、1歳後半以降子供は、これまでと少し様子が異なってきます。
この頃には単語や二語文がお話できるようになり、コミニケーションが取れる親子もいらっしゃいます。
ママに伝えることができた!という喜びを感じる機会があるのと同時に、ママになぜ伝わらないの?ともどかしく思う気持ちを、どう表現したらいいか分からないという場面がでてきます。
言葉で上手に伝えられない子供は、怒って物を投げている事もあります。その時は、抱きしめるなどを行い、心を落ち着かせてみると良いかもしれません。
大好きなママ抱きしめて貰う事でオキシトシンという脳内物質が出る為、子供の心が落ち着きます。
- 理由が明確であれば『〇〇ちゃんは、△△したかったね。悲しかったね。』と代弁してみる
- 理由が分からなかったら『どんな気持ちだったの?』と尋ねてみる。
- まだお話しできない子であれば『たぶんこういうことかな?』声かけしてみる。
ここで大切なのは、返事を期待しないこと。
返事してくれたら嬉しいし、返事がなくてもちゃんと聞いてくれたことが嬉しい。返事を期待すると、子供は詰問されていると感じてしまう事もあrます。
そして、子供の気持ちを代弁してあげたら、一番最後に『物を投げると痛いし傷つくから、私はやめて欲しいな。』と、親の気持ちを伝えてあげてください。
「(あなたは)物を投げないで」と伝えるよりも、お母さんとお父さんはやめて欲しい、という親の気持ち(アイメッセージと呼びます)として伝えた方が子供には伝わりやすいです。
【シーン別】外出先で子供が物を投げた時の対処法。
子供が物をなげる心理を知り、年齢別に対処を繰り返し行っていても投げる時は投げます。
筆者もおてんば姉妹を育ている中、理想だけでは進まないことも経験しました。
外食先やお友達と遊んでいる時などシーン別での緊急対処法をご紹介します。
レストラン編|事前の声掛け+手先に集中できるオモチャを持参。
外食先では、テーブルナプキン。メニュー。皿。カトラリー。レストランは落とすものが沢山あるうえに、待ち時間と人の目があります。
物を投げないように、お店に入店する前に声掛けを行います。
具体的には「レストランは、私たちだけではなく他の人も利用する」「座ってたべる」という事を明るく伝えましょう。
最近では、テーブルマナーの絵本なども販売されているので読み聞かせを行うのもおすすめです。
赤ちゃんですとプッシュポップ(指先を使える玩具)がおすすめですよ。
待ち時間が長く、オモチャに飽きてしまった時の最終兵器はスマホです。幼児教育が専門の筆者ですがスマホ育児を否定していません。
親子で笑顔で過ごせるのであれば、子供が依存症にならない程度でしたら与えてもよいと思っています。
良質なアプリもあるので、待ち時間が長くテーブルの上にある物を投げそうになるくらいなら与えてもよいと思います。
ただし、0歳児には視神経を育てる大事な時期なのでスマホは避けましょう。
遊び場編|お友達に物を投げてしまった!そんな時、親の姿が子供に見られています。
自宅で物を投げるのは良いけれど、児童館や他の子のいる場所で投げてしまうと困ってしまいますよね。
悪気がなくても物を投げた瞬間に他のお子さんに当たってしまう事もあります。
その時に我が子を叱る前に、とにかく当たってしまったお子さんと保護者に謝罪します。
投げてしまったその瞬間に叱る・謝罪をする事を強制するのではなく、お母さんが正しい姿勢をお手本として子供に見せてあげてください。
子供にも伝わり学びの瞬間となりますよ。
訪問先編|破損してしまった時のために個人賠償責任保険。
成長過程の幼い子供は悪気がなくて物を投げてしまう事があります。
未然に防ぎたくても防げなかった時の為に、保険に加入されているお母さんもいらっしゃいます。
例えばですが、投げてしまった積み木が液晶画面に当たり故障してしまった時や、お店の玩具を落としてしまい破損してしまった時など保険の内容によりますが補償の対象になるかもしれません。
お友達のお家に訪問するのは楽しい事でもありますが、投げたり落としたりしてソファーを汚したり破損してしまわないよう気を遣う事もありますよね。
お買い物の際は、手の届く場所に商品が置いてあるので好奇心旺盛の子供達は触りたそうにしていますよね。
そんな我が子を見守り続けるのは親も神経を使いますし、もしものトラブルを回避したいので、個人賠償責任保険の存在を知り加入しました。
歩き始め行動範囲が増えた頃に加入しました。幸い使用した事はありませんが、活発になってくればなってくるほど心配なので継続し加入しています。
【覆水盆に返らず】を教えるのもしつけ。
今回は、子供が物をなげる(もしくは落とす)心理・声掛け・対処法をご紹介しました。
子供が物を投げることは成長の過程でとても重要だという事がお分かり頂けたと思います。
事実を冷静に繰り返し伝える事で、「投げてよいもの」「投げてはいけないも」を子供自身が学んできます。
今回の記事が、お子様が物を投げて困っているお母さんの参考になれば嬉しいです。
ご無理のない程度に実践してみてくださいね。