妊娠中に乳がんが発覚した方や乳がん患者の方で将来的に妊娠&出産を希望されている方の参考になればと思い実体験をブログで紹介しています。
私は妊娠中に乳がんが発覚し、安定期に治療(乳房温存手術)を行い赤ちゃんを無事に出産する事が幸いにも出来ました。
「妊娠中に乳がん検診を受けてもいいの!?」
マンモグラフィーは放射線を使うので妊娠中は利用できませんが触診・超音波検査(エコー検査)を受ける事ができます。又、セルフチェックによる自己検査は妊娠中も行って良いとされています。妊娠中は12週と6日以内と妊娠初期に乳がん検診を受けるのが良いそうです。
私の場合は妊娠が発覚し通院していた産婦人科が無料の乳がん検診をオプションとして設けていました。お恥ずかしい話なのですが36歳になるまで一度も乳がん検診を受けた事がなかった(ペチャパイだから乳がんにはならないだろうと勝手に思い込んでいた)私はこれも良いきっかけだなと軽い気持ちで検診の予約を入れました。
- 乳がん検診(1次検診)
- 異常がある場合
- 精密検査(2次検診)
- 乳がんと診断
問診・触診・超音波検査(エコー検査)・マンモグラフィー
乳がんの可能性があるかもしれない
本当に乳がんかどうか確かめる
確定診断
乳がんの検診から乳がんと診断(確定診断)を受けるまでの期間は約2ヶ月かかりました。乳がんと診断(確定診断)を受けるまでの道のりを紹介します。
私の場合、妊娠中の乳がん検診だったので超音波検査(エコー検査)から受けました。左側とは違い入念に右側をチェックしている様に感じ…この時から不安を感じました。超音波検査(エコー検査)を元に問診と触診を受けました。ギザギザとしていびつな形をしたエコー画像は悪性腫瘍の場合があるので穿刺吸引細胞診を行う事になりました。
細胞診の一種、病変部に直接細い針を刺して注射器で吸い出した細胞を顕微鏡で観察するそうです。局所麻酔が必要が無い場合が多く手で触れたり、超音波(エコー)で確認しながら針を刺します。急な展開で戸惑っていたのですがチクっとした感触を覚えています。身体への負担はありませんでした。診断結果は10日後だったのでこの期間中はとにかく夫婦でモヤモヤしていました。
穿刺吸引細胞診の結果は夫婦で聞きに行きました
1人で聞きに行くのは不安だったので夫婦で聞きにいきました。そしてこの時の結果はまだ陰性!?だったのです。穿刺吸引細胞診では陰性だったのですが、やはりギザギザとしていびつな形をしたエコー画像が気になるという事で1ヶ月後に大きくなっていないか確認したいと言われ経過観察という事になりました。
穿刺吸引細胞診は乳がんと確定診断する事が難しい場合があるとの事。1ヶ月後の状態によっては針生検(組織診)を行いましょうと説明を受けました。
乳がんなのかな!?
乳がんでも無事赤ちゃんを生めるのかな!?
経過観察の1ヶ月間はもやもやした気持ち&穿刺吸引細胞診の結果がこの時は陰性だったのでどこかできっと大丈夫という前向き気持ちと半々でした。
組織診(生検)の一種、細胞診よりも太い針を病変部に刺し,その中に組織の一部を入れて,からだの外に取り出すそうです。針が太いので局部麻酔が必要となり超音波(エコー)で確認しながら検査を行います。
穿刺吸引細胞診から1ヶ月後、すごく大きくなっている様には感じないけれど念のため針生検(組織診)を行っておきましょうと言われ妊娠中に局部麻酔を行うのはためらいもあったのですが問題ないとの事だったので検査を行いました。0.2mm程度の傷が残りました。麻酔が切れた後も痛みはなくその日の内にお風呂に入る事も可能でした。
【左:針生検の傷跡 右:乳房温存手術の傷跡】
診断結果は10日後とまだもやもやした日々が続くのかと不安になりました。
「両親へ妊娠報告と乳がんかもしれない報告」
針生検(組織診)の結果がまだ出ていなかったのですが、犬の日(安産祈願)が間近に迫っていたので嬉しい報告と乳がんの報告を同時に行う事になりました。初孫と言う事もあり妊娠の報告を行うととても喜んでくれました。そして乳がんの検査結果を待っているけれど最初の穿刺吸引細胞診の結果が陰性だったのできっと大丈夫だと思うという言い方で報告を行いました。
針生検(組織診)の結果は安産祈願を行ってから行きました
針生検(組織診)の結果を聞きに行く日は、犬の日を向かえ家族で安産祈願を午前中に行ってきっと大丈夫!!と意気込んでいきました。そして、この日から小林麻央さんがオフィシャルブログ「KOKORO.」開設したというニュースが流れていたのを覚えています。
病室に入ると一瞬で陽性だったんだと分かりました。
なぜ陽性だと一瞬で分かったかというと、夫婦で一室に入った瞬間デスクの上に以前はなかったおっぱいの説明書が置いてあったからです。右側のおっぱいの図にマークがしてあり「あっ陽性だったんだ」とどこか他人事の様に受け止めていました。先生の説明では細胞診では分からなかったけれど組織診を行った結果、乳がんと診断されました。
腫瘍の大きさは0.8mm乳腺にかかっているのでステージI期
妊娠しなければ乳がん検診を受診しなかったかもしれません。妊娠中に乳がんが早期発見できた事はお腹の中の赤ちゃんが病気を教えてくれた様にも感じました。乳がんと診断された時に真っ先に思った事が赤ちゃんを無事に出産できるかという事でした。過去、妊娠中に乳がんと診断された場合は赤ちゃんを諦めなくてはならない事もあったようですが現在は出産をできるだけサポートする事ができると説明を受けました。
乳がんには、進行がゆっくりとおとなしいものから増殖がはやいものまで色んなタイプがあり再発のリスクが異なってきます。ステージ(病期)はがんの進行程度を示すのですが腫瘍の大きさは0.8mm乳腺にかかっているのでステージI期と診断されました。
引用元:国立がん研究センター
0期は非浸潤がん1期から浸潤がんと呼ばれています。0期である非浸潤がんは極めて早期の乳がんなので手術治療のみで根治が可能なようですが1期からの浸潤がんではリンパ節転移や遠隔転移のリスクも高まるので術前述後など放射線治法や薬物治法を行う必要があります。私はステージ1期の早期がんと診断されました、ステージ3期以降は進行がんと呼ばれるそうです。
引用元:国立がん研究センター
サブタイプ分類はがん細胞の性質で分類する考え方、遺伝子解析によって提唱されているそうです。採取されたがん細胞を免疫染色で調べ、臨床病理学的に遺伝子解析の分析に当てはめるそうです。
- 女性ホルモン受容体(ER・PgR)
- ハーツ受容体(HER2)
- キー67・ケイアイ67(Ki67)
女性ホルモンを栄養として成長するタイプのがんがあり、乳がん細胞に女性ホルモン受容体が発言しているかどうか知る事ができる。
がん細胞の膜に存在する受容体タンパク質でこのタンパク質が多く発現しているがん細胞では増殖が早いとされている。
細胞が分離するときに出てくるタンパク質で細胞の核に存在する。細胞の増殖の能力を示す物質だと考えられている。
サブタイプの結果を聞きに行きました。
乳がんが陽性だと診断されてから乳がんには様々なタイプがあり再発のリスクが異なると説明を受けました。針生検(組織診)で採取したがん細胞のタイプを調べる事となり結果を聞きに行く事に。乳がんが陽性と診断されていましたがハッキリとしたタイプが分かるまで家族には報告するのを控えていました。
【診断結果】
ER(+)70%
PgR(+)95%
HER2(-)1
Ki67=13.8%
「両親・友人・職場へ妊娠報告と乳がんの告知」
妊娠中に乳がんが発覚し、ステージやタイプが分かるまで約2ヶ月(※内1ヶ月は経過観察)。私のマタニティライフは悪阻もなく体調も妊娠前と変わらず良好だったので戸惑うばかりの2ヶ月間を過ごしました。両親には乳がんの可能性があるけれど経過観察中だという事だけを報告していたのですがステージやタイプがハッキリ診断されてから報告を行いました。
私の両親、得に母はとてもショックを受けていました。
義理の母は乳がんの手術を受け(乳房温存手術)薬物療法を行っていたので相談に乗ってくれたり、傷跡を見せてくれたりしました。
友人や職場にも隠す事なく伝えました。
同世代の友人の中には乳がん検診を受診した事がない、がん保険に加入していないなどの話題になりました。
日本では11人に1人が乳がんを患うそうです。早期発見・早期治療を行う事で乳がんは治せる可能性がとても高く乳がんから命を守る為には定期健診を受ける事が大切だと感じました。
ここまでが、妊娠中に乳がんと診断されるまでの道のりでした。
次回は妊娠中に乳がんと診断され、赤ちゃんへの影響もあり治療方法に限りがある中、どうして治療(乳房温存手術)を選んだかについて掲載したいと思います。