私が第一子を出産した産院では完全母乳、いわゆる完母が徹底された産院でした。
産まれて間もない赤ちゃんが泣いていてもよっぽどの理由がない限りはミルクを足すことはせず、ひたすらおっぱいを咥えさせるという方針の産院。
出産前は混合育児でも良いと考えていた私にとって、母乳育児は様々なハードルにぶち当たる事となりました。
今回は、1歳半まで完母で育った第一子と混合から完母になった第二子を比較して完母と混合のメリットとデメリットを記していきます。
目次
完全母乳で子どもを育てるメリット
WHO(世界保健機構)も推進している母乳育児、実際に感じたメリットを紹介します。
メリット1.栄養が豊富
母親の免疫力が母乳を通して赤ちゃんにも伝わるので最初のうちは風邪をひきにくいです。
第一子は鼻水を伴う風邪をひいたのは生後3ヶ月ころ。
第二子は上に兄がいるのもあり、生後半月ですでに鼻風邪をひいていました。
メリット2.すぐに授乳できる
お腹が空いた赤ちゃんに対して特に準備も行わず、おっぱいをあげられます。
お腹が空いているのが分かればおっぱいを出し咥えてもらうだけなので手軽です。
メリット3.外出時の荷物が少ない
外出した時のお出かけが少しの荷物で済みます。
特に宿泊する場合、離乳食前の赤ちゃんならオムツや着替え、ボディソープ、保湿クリームのみと手軽に準備が出来ます。
メリット4.赤ちゃんの体重管理が必要ない
母乳は欲しがるだけ授乳しても良いので、成長曲線より体重が重い赤ちゃんでも制限せずにおっぱいをあげることができます。
メリット5.お金がかかりません
乳腺炎やおっぱいのトラブルがない限りはコストはかかることはないです。
メリット6.赤ちゃんと二人だけの時間がもてる
特に兄姉がいる場合、上の子の赤ちゃん返りで中々赤ちゃんとの二人きりの時間は限られます。
しかし、授乳時間だけは別です。
長くはない授乳期間、二人だけの時間を楽しむことができます。
完全母乳で子どもを育てるデメリット
二人の子育てを通して、母乳育児はメリットを上回るくらいのデメリットを感じました。
デメリット1.母乳育児中でも子供は病気にかかる
完母だからと言って、子供が病気にならないとは限りません。
現在、コロナだけでなくRSウイルスも全国的に流行っています。
感染予防のため、手洗いうがいはを徹底しています。
デメリット2.外出時母乳をあげる場所に困る
外出する際に、授乳室がなければ母乳を上げる場所を確保できず困ります。
また、授乳室があったとしても一箇所だけという事も多く、並んでいる事も。
スムーズに授乳室が使えないと、外出先で赤ちゃんがグズってしまい焦ります。
また、外出時は赤ちゃんの空腹の時間や機嫌を見計らって出かけるなど工夫も必要です。
デメリット3.腹持ちがあまり良くないため夜泣きは多い
赤ちゃんによって個人差はありますが、第一子は断乳するまで2~3時間すると目を覚まして授乳を行っていました。
その反面、第二子は粉ミルクを与えていた時は、腹持ちがよかったのか生後1ヶ月にもかかわらず夜間5時間通しで眠りました。
完母だと夜泣きが多く、細切れ睡眠が続くのでデメリットに感じました。
デメリット4.母乳をあげるだけでは痩せない
私は第一子出産の時、産前より3キロほど痩せました。
母乳は自分の栄養をあげているので痩せると思いがちですが、実際は第一子に付き合い散歩をしたり抱っこをしたり間食をしないため痩せました。
現在、第二子はねんね期プラス抱っこをしても重くないという生活をしているので産前の体重プラス5キロをキープ中です…。
上の子同様歩き始め運動量が増えれば痩せるかもしれませんが、母乳をあげるだけでは痩せません。
デメリット5.卒乳と断乳がスムーズに進まない
子どもがおっぱいに依存していて断乳するのに時間がかかりました。
混合なら哺乳瓶に移行することもできるのですが、完母だったため哺乳瓶に慣れていないのもあり我が家はゆるゆる断乳に8ヶ月かかりました。
デメリット6.人に預けることが難しい
いつお腹が減るか分からない赤ちゃん、パパや両親などに預けるのは不安です。
「搾乳していたとしても足りないかも?」「哺乳瓶を嫌がるかも?」など気がかりで仕方ありませんでした。
預ける前は、しっかりと搾乳しておく事や哺乳瓶に慣らす事などが必要です。
デメリット7.ママの体調不良で困ることがある
体調不良だとしても気軽に人に預けられません。
また、授乳で距離が近いためか母子ともに感染する可能性も高く不安でした。
実際に、気を付けていても親子で溶連菌にかかったこともあります。
デメリット8.乳腺炎になることがあります。
赤ちゃんの体調によっていつもよりおっぱいを飲まない日が続いたり、甘いものや母乳の出をよくするものを食べ過ぎてしまうと乳腺炎になります。
私も第一子が病気でおっぱいを飲まなくなった時は搾乳をしても、夜眠れないくらいおっぱいが痛く辛い思いをしました。
おっぱいトラブルを回避する為のケアも必要なので手間に感じる事もありました。
デメリット9.おっぱいの形がかわる
卒乳、断乳後おっぱいが垂れてしまう。
また、赤ちゃんが遊び飲みをすることで、乳首が引っ張られ乳首が伸びてしまうことがあります。
我が家は引っ張るし噛むしでおっぱいへのダメージが大きかったです。
混合でミルクをあげるメリット
母親世代は母乳育児が絶対という方が多くいますが、今は技術も進みミルクにも栄養がたくさん含まれています。
また、液体ミルクの普及により手軽に授乳できるようになったのがありがたいです。
その他のメリットは以下の通りです。
メリット1.保育園や家族にも赤ちゃんを預ける事ができる
混合育児の一番のメリットは赤ちゃんがお腹を空かせた時、ママ以外でも気軽にミルクをあげられること。
そのため、パパや保育園に赤ちゃんを預けてママは仕事や病院、買い物など気軽に出かけることができます。
メリット2.腹持ちがいいため夜も頻繁に起きない
赤ちゃんが起きる理由は様々ですが、お腹が空いているのも理由の一つ。
腹持ちがいいミルクは夜間長時間寝てくれるので、夜だけミルクをあげるという混合育児の友人もいるほどです。
メリット3.夜間授乳はママ以外でも出来る
産後は身体もしんどいものです。
無理して夜間起きていた第一子よりも、家族に夜間授乳を代わって貰えた第二子の方が、帝王切開の傷の治りがよかったです。
また、完母のころは私が夜間起きないと赤ちゃんがお腹が減って可哀想という考えがありましたが、第二子の時は他の人でも変われるから大丈夫という思考に代わり随分気分も楽になりました。
メリット3.パパ授乳で父親になった事を実感
かわいい我が子がミルクを飲む姿は短い期間しかありません。
夫は、安心しきった姿でミルクを飲んでいるのを見て「この子の父親になったんだと」実感したと語っていました。
混合でミルクをあげるデメリット
デメリットさえカバーできれば私は今でも混合育児にしていました。
デメリットと感じない方は混合育児や完全ミルクでも支障はないでしょう。
デメリット1.お金がかかります
個人差はありますが、生後1ヶ月ごろ第二子はミルクを1日120ml飲んでいました。
そのため1ヶ月で約二千円程の出費。
どんどん飲む量が増えるのに、コロナで収入がさがった我が家ではきつく混合育児を断念しました。
デメリット2.体重によってミルクをあげる量を制限しないとならない
完全母乳で夜寝ないのに疲弊した私が粉ミルクへの移行を考えた時、助産師さんに相談しました。
粉ミルクを与えるにあたり、ミルクの量や体重の管理が必要になると言われ第1子の時は断念しました。
デメリット3.ミルク後、哺乳瓶の洗浄と消毒に手間がかかります
液体ミルクの場合は乳首だけでいいのですが、洗浄と消毒をする必要がでてきます。
夜中眠いのに洗浄と消毒をする気力がなく、結局寝る前にミルク、夜中起きたらおっぱいというリズムで授乳していましたが、それでも手間に感じ、完母で育児をしようと考えるようになりました。
非常時に備えて長期保存できる液体ミルクを常備しておこう
引用元:らくらくミルク
液体ミルクを持っていますか?
私は災害などの非常時に備えて2本避難バックの中にいれてあります。
災害時は、いつライフラインがいつ止まるか分かりません。
ライフラインが止まるとお湯をつくるのが困難になり、ミルクが作れなくなります。
また非常食が足りない可能性もあり、ストレスなどから母乳が出なくなるかもしれません。
そして、授乳室のようなプライベートな場所を確保する事も困難になる可能性も大です。
様々なケースを想定して、非常様に数本の液体ミルクをいれておくことをおすすめします。
私がそれでも完母を選択した理由
完全母乳と混合育児を経験した私が、それでも完母を選択した理由は4つあります。
- 混合育児の体重管理や飲む量の制限が難しかった
- 粉ミルクの温度管理や哺乳瓶の洗浄と消毒する事が手間に感じた
- 睡眠を優先すると、母乳育児の方が楽に感じた
- コロナ禍による収入減も原因の一つです
第一子は夜泣きが酷く、2~3時間しかまとまって寝る事ができませんでした。
その状況に疲弊し、混合育児をしたいと思い助産師さんにまずは相談しました。
ですが、上記の理由によって断念。
その為、第一子とは誰かに預ける事も滅多になく一歳半まで一緒に過ごしました。
第二子は混合から完母へと授乳の形態を変更しました。
その理由は、コロナ禍による収入減です。
第一子を育児中よりも更に液体ミルクも普及しミルクをあげるのも手軽になりました。
あとは我が家の家計が安定すれば今後混合へのシフトチェンジも考えています。
まとめ
完母でも混合育児でもどちらにもメリットとデメリットがあります。
母乳育児にこだわる必要はありません。
無理をしておかあさんの元気がないと家族みんなの元気がなくなります。
自分の生活にあった授乳方法で、無理なく赤ちゃんに愛情を注いでくださいね。